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「ちょびつき留学英語日記」好評発売中!
未知の世界に飛び込んで、文化的背景の異なる人々と出会い、いつかその人たちのことを書いてみたい——。幼いころからそんな夢を抱いていた著者が、16歳で単身アメリカの高校へ留学。英語がほとんど通じず苦労したり、文化の違いにショックを受けつつも、さまざまな人に助けられながら卒業するまでの3年間をユーモラスにつづった青春記。

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留学日記[大学編]

By Kana Ishiguro / 石黒 加奈

16歳で単身アメリカ留学後、高校を卒業し、コロンビア大学に入学した筆者がトラブル続きの留学生活を振り返る「ちょびつき」留学日記・大学編
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Kana Ishiguro / 石黒 加奈

Vol. 11 : ビバ・ブラジリアン・スピリット!

途方もないFreshman year (大学1年生)を過ごした私は、1年の終わりを迎える頃には、ドリュー大学を辞めるつもりでいました。アメリカ育ちの白人がほとんどという大学の環境が、自分に合っていると思えなかったのです。
大学を辞めて日本に帰ろうか、とも思っていました。 

ただ、なぜか、
"But if the environment were more cosmopolitan and diverse…."
(もっと都会的で多様な人種のいるな環境が必要なんじゃないだろうか?)
という直感がありました。

そこで、ボストン大学とハーバード大学で夏期講習を受けて、その間に次のステップを決めようと考え、絶望の中、ボストンへ。

ボストンは、こじんまりとした美しい街でした。空が抜けるように青くて、チャールズ・リバーもキラキラ輝いていました。

ボストン大学はドリュー大学とは、比べものにならないほど大きな大学です。ここでは、Summer 1 に Political Science(政治学)を、Summer 2 には、心理学を勉強しました。 ハーバードでは、ESLの学生のためのIntensive English Course を取りました。大学や大学院を受験する人、また、国際弁護士や医療関係の免許を取ろうとする人、各種国家試験を受ける人などが受講するためのものです。

ボストンには、高校の時代のお友だちもたくさんいて、連日厳しい授業が続いたのにもかかわらず、信じられないようなスピードで元気を回復することができました。

また、ボストン大学のクラスでは、Demeter というギリシャの女神と同じ名前の女の子と出会いました。彼女は本物の女神のようで、英語が苦手な私に、ほんとうに親切にしてくれました。

けれども、もっとも衝撃(?)を受けたのは、やっぱりハーバードの英語のクラスです。ESLの英語の授業ですから、英語が第2外国語という人たちばかりなのですが、
"Hey, do you really need to take this course?"
(ほんとうに、このクラス取る必要があるの?)
と聞きたくなるぐらい、みんなペラペーラです(笑)。

大学院の学生も多く、偶然にも、クラスの半分以上が国際弁護士を目指す優秀な人たち!
「ひゃー、世の中、すごい人たちがたくさんいるね〜」と感心するばかりのそんなある日・・・。
"Could I take the day off tomorrow?"
(教授、明日、お休みをいただいても、いいでしょうか?)
と、ブラジル出身の弁護士さんの卵さんが質問しています。

アメリカの大学は、ほんとうに厳しいので(出席率なんかとくに)、よほどの事情があるんだろうな〜と、話の続き聞いていると
"There's a soccer game tomorrow."
(明日、サッカーの試合があるので)
とか、言っています。

その年は、アメリカでワールドカップが開催されていたので、
「サッカー? この人、サッカーのできる弁護士さんなのかしら?」と、興味津々に見ていると、
"Brazil is playing tomorrow."
(ブラジル・チームの試合があるので)
と、真剣この上ない表情と、燃えるような熱意で訴えています。

"What?!?! Excuse me?"
(きぇー、なになに?)
と、ビックリした私は、
"Hey, are you going to the stadium tomorrow?"
(明日、ボストンの競技場で見るの? チケットあるの?)
と、尋ねると
"No, I'm gonna stay home and watch it on TV."
(いや、家で、テレビで見るのさ)
とポーカフェイスで返事。

「おーい、おーい、次の授業では論文提出もあるし、プレゼンもあるし、TOEFLの特別講座もあるんよ〜ぉ。大学入試に落ちたら、どーすんのーっっ。そんな大事な授業を、家で、それもテレビ見るとかいう理由で、ほんとうに休んでいいのか〜っっっ」と、ちょびつき筆者の心の叫びは、あまりのカルチャー・ショックでボリューム・ハイ!

で、その後、どうなったかと言うと、クラスにいた他のブラジル人も、全員、授業をお休みすると教授に言って、ほんとーに全員が全員休んでいました(笑)。それも、全試合。

最初は目が点になっていた私も、彼らの堂々とした姿を見て、
"These guys are unbelievable! These guys are so freaking COOL!"
(こいつらは、超すげーっっ。 なんて、いかしてるんだ!)
と、最後は、感動に近い気持ちを味わいました(爆)。

"Hey, guys, I'm gonna rethink my priorities in life."
(みんな、あたしも、人生の優先順位考え直すよ!)
と、ブラジル人のクラス・メートたちに意気込んで伝えてから、もう10年も経ちますが、現在、勤めさせていただいているジャパンタイムズからは、「人生の優先順位分かってないで賞」を、毎年頂いてしまいそうなわたくしです。とほほ。

P.S. その年、ブラジルは優勝して、私は「12人目の選手」(=応援団のこと)という言葉のほんとうの意味を知ったのでした。ビバ・ブラジリアン・スピリット!

つづく。

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