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「ちょびつき留学英語日記」好評発売中!
未知の世界に飛び込んで、文化的背景の異なる人々と出会い、いつかその人たちのことを書いてみたい——。幼いころからそんな夢を抱いていた著者が、16歳で単身アメリカの高校へ留学。英語がほとんど通じず苦労したり、文化の違いにショックを受けつつも、さまざまな人に助けられながら卒業するまでの3年間をユーモラスにつづった青春記。

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留学日記[作家編]

By Kana Ishiguro / 石黒 加奈

16歳で単身アメリカ留学。コロンビア大学卒業生石黒加奈が、留学生活、ジャパンタイムズ電子メディア局部長を経て作家生活をスタート!子どものころからの夢だった『物書き』の日々を書いた「ちょびつき」留学日記・作家生活編
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Kana Ishiguro / 石黒 加奈

Vol. 17 : エレイナのアートの巻

手紙を書くのが大好きな私ですが、最近は仕事でもプライベートでも、やっぱりメールでのやり取りのほうが、圧倒的に多くなってきています。

そうなった今、雨の日も風の日も郵便局員さんが運んできてくれる郵便と言えば、大学や高校からの寄付の依頼!お金持ちの人にも貧しい作家にも平等に送られてくる、実に公平なお便りであります。

ところが、そういった手紙は中を見る前から寄付と分かるので、開封されることなくゴミ箱へ…。

学校側からすれば、はるばるアメリカから山梨の片田舎まで国際郵便を送っているんだから、せめて封を切るぐらいのことはしておくれよ、といった心境でしょう。

しかし、こういったことは私の場合だけでなく、アメリカ各州、世界各国で行なわれているわけでありまして、送り主も、手をこまねいて見ているだけというようなことはありません。

先だっては、コロンビア大学から大きくてりっぱな封筒が届いたので、

「ぬぬ、今回は、寄付の件じゃなさそうじゃな?」

と思って開けてみるとびっくり。コロンビア大学のロゴやマスコットの隣に、私の名前と山梨の住所がローマ字で書かれた返信用ラベルが、何シートも同封されているではありませんか!?

「なんで、コロンビア大学がこんな親切をしてくれるのかな?卒業生がもっと国際郵便を送るように、郵便局と提携でもしたのかな?」

と思っていると、なんのことはない、いつもと同じ寄付の依頼なのでありました。そのラベルを使うたびに、大学に貸しができていくようで、心苦しいちょびつき筆者。「こんなことなら、いっそのこと1ドルでも寄付をしてしまおうか?」と思わせる心理作戦はなかなかです。敵ながら、こういった工夫はあっぱれ。

そして、数日後。今度は、アメリカのペンシルバニア州の高校からお便りがきました。手に取ってみると、いつもの寄付の依頼とは違って、なにかカードのようなものが入っているようです。

開いてみると、すごく可愛らしい動物たちが、森の中でトロフィーを取り合っている絵が描かれています。

News photo
手紙で送られてきたエレイナの作品。右下には、彼女のイニシャルが入っています。
"It's Elena's drawing!"
(エレイナの絵だ!)

エレイナは、私がアメリカのペンシルベニア州に留学していたときのルーム・メイトです。今でもメールや電話をしたりして、とても仲良しです。当時から彼女は絵が上手で、いろいろな絵を描いていました。

彼女は、高校卒業後、大学でアートを勉強した後ぐらいから、作風というかスタイルみたいなものが確立していたので、すぐに彼女の作品だと分かりました。

よく見てみると、その動物たちは、高校のマスコットだったcougar(アメリカの猫科の動物)とライバル校のマスコットのmoose(ヘラジカ、ムース)なのでした。

高校生のころは、

「いや〜、どうして、猫をちょっと大きくしたような動物が学校のシンボルなんだろうね…。スクール・カラーは茶色だしさぁ〜。なんかもっと、さわやかなアメリカン・ハイ・スクールぅ〜みたいのにしてくれればいいのに。ついでに、ライバル校もugly(ださい)ムースなんかがマスコットだし…」

と、文句の一つも言っておりましたが、いやはや、エレイナが描くとこんなに素敵なアートになるんだな〜と感心しきりでした。

といったところで、通常ゴミ箱行きのシロモノは、額に入れられた上に、わが家の家宝となったのでありました。めでたしめでたし。

つづく

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