(1) I've been trying to reach you guys for ages!
ナオコは待ち合わせ場所になかなか現れない友達を心配して何度も電話をかけたようですね。ここでのキーポイントはreachという単語です。一般的には「〜に着く」という意味で使われますが、「(人に)たどり着く、手を伸ばして届く」という意味もあります。誰かと連絡をとるときにもよく使われます。便利な単語なので覚えておきましょう。
youと guysはここでは同列で使われています。つまり、you=guysで「あなたたち」という意味になります。guyとは口語で男性を指す言葉ですが、男女が混ざっているグループを指す場合にも使われます。
日本語訳では口語的な雰囲気を出すために「あいつ」などと訳されることも多いですが、英語で実際に使われているニュアンスでは日本語の「あいつ」とや「奴」ほどの乱暴な意味はありません。ごく普通にhe(複数ならthey)の代わりに使われています。
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(2) we're caught in a traffic jam
「渋滞に巻き込まれる」という日本語を英訳するとこうなります。jamとはものがごちゃごちゃに混ざっている状態のこと。交通(traffic)のごちゃごちゃ状態はまさに渋滞という言葉にふさわしいですね。
日常生活で英語を使うときに難しいのは渋滞など特定の状況を表現する場合に、どういう言い方をすればいいかわからないことです。こういう表現はひとつずつ覚えていくしかありません。この体育会式英語塾ではできるだけこのような状況説明の言葉を紹介していきます。そのつど覚えましょう。僕が提唱している英文の丸暗記はこういうところで役に立つのです。
なお、「渋滞に巻き込まれる」はbe caught in の代わりにbe involved inも使えます。渋滞は自分から(能動的に)加わるものではなく、意図に反して「巻き込まれる」ものですから、受動態で表現されることに注意しましょう。ここには英語の論理的思考が隠されています。
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(3) we're not gonna make it on time.
冒頭で述べた「簡単な単語なのに教科書では教えてくれない意味で使われている」例の一つがこの文章です。make itはそのままの意味では「それを作る」ですが、ここでは「出席する、姿を現す」という意味です。makeの口語特有な使用例といっていいでしょう。
この場合のitは特定のものを指している代名詞ではありません。強いて言うならば「約束したこと」「求められていること」とでも言えばいいでしょうか。make itとしてセットで使うことで「約束したことを実現する」という意味になります。
この文脈で「約束したこと」は「時間通りに約束の場所に到着すること」ですね。それがmakeできない、つまり実現できないということは「時間通りに到着できない」ということになります。
文脈によってこのmake itはいろんな意味に変わります。前述のように出席する、約束を守るなどのほか、目標を達成するなどの意味になることもあります。口語特有な言い方ではありますが、非常によく使われます。
ちなみにon timeは「時間通り」、in timeには「時間に余裕を持って」といった違いがあります。
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(4) on a Sunday afternoon
Sundayは固有名詞なのにaという不定冠詞がついています。少なくとも僕は学校でこういう言い方を習ったことがありません。でも、これは間違いではなく立派に通用する英語なのです。
同じSundayでもいろんな日曜日がありますよね。晴れている日もあれば雨の日もあります。暇な日曜日もあれば、忙しい休日だってあります。Sundayと一口で言ってもその「種類」はたくさんあるのです。そのうちのひとつの日曜日というニュアンスを出したいときにa Sundayと使うのです(もちろん他の曜日でも同じことです)。
ただし、Sundayという言葉から連想される共通概念もあります。たいていの人は仕事が休みですし、一週間の始まりでもあります。クリスチャンなら教会へ通う習慣があるかもしれません。こういった意味でのSundayにはaは付けられません。
ビリー・ジョエルの有名な曲『Piano Man』にも「It's a pretty good crowd for a Saturday=土曜日にしてはかなりの混雑だ)」という歌詞があります。この場合のa Saturdayには「いつもの土曜日にしては」という意味があります。主人公がPiano Manとして働くお店(バー?)は土曜日にはあまり混まないのでしょう。このお店におけるSaturdayは多くの人が一般的に持っている共通概念ではなく、この店特有の土曜日であるはずです。ですから、いろんな種類の土曜日のなかの一つという意味でa Saturdayとされているのです。
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(5) Is there another way to get in?
anotherは意外に使い方が難しい単語です。この単語に出会ったとき、「もうひとつの」という意味だと習いませんでしたか?間違いではないのですが、この覚え方が使い方を難しくしている理由です。図解で説明しましょう。
ここに白い丸(circles)が5つあります。
○ ○ ○ ○ ○
このうちどれでもいいので、あなたが好きな○を選んでください。ある人は右端を、またある人は真ん中を選んだかもしれません。あなたが選んだ○は5つの○のなかのどれかひとつなので、これを英語で表現するとa circleとなります。上に並んだ○はすべて同じ大きさ、同じ色ですから違いはありません。その中のひとつという意味なので不定冠詞のaが使われます。
これがもし、「右から2番目の○を選んでください」と特定されている場合にはa circleではなくthe circleとなります。
では、もうひとつ「別の」○を選んでください。あなたはすでに○をひとつ選んでいます。残った4つの○からどれでもいいですから選んでください。2度目にあなたが選んだ○がanother circleです。
これでおわかりのようにanotherは「もうひとつの」と覚えるよりは「もうひとつ別の」と覚えたほうが正確なのです。
いい機会なので、もう少し話を進めます。あなたが最初に○を選んだとき、残りは4つあります。この4つの○をまとめて言うとother circlesとなります。otherとは「選んだもの以外」という意味です。選んだ以外のもの(4つありますね)のうち、どれでもいいからもうひとつを言い表す単語がanotherなのです。another とは「an」+「other」の足し算で生まれた単語だということがわかりますね。
では○が二つしかない場合はどうでしょう。あなたがどちらかひとつを選ぶとします。これは特定していないのでa circleです。さあ、残りはひとつ。もうひとつの○を選ぶとき、あなたにはもう選択肢がありません。選んだもの以外はotherでしたね。選択肢がない、つまり選ぶ前にすでに特定されてしまっていますから、特定を表す意味のtheを付けることになります。それがthe otherの意味です。ですからthe otherとは「選んだもの以外で唯一残っているもの」という内容を表す言葉なのです。
Dの文でanotherの代わりにthe otherが使われていたらどのようにニュアンスが変わるでしょうか。ここでは、渋滞を避けて待ち合わせの場所に行く手段があとひとつしかないという意味になります。でも、実際にはいろんな方法がありますよね。ナオコが冗談で言った電車を使うのもそのひとつです。ですからここではthe other wayではなく「他にもいくつかある手段のひとつ」という意味でanother wayでなければならないのです。
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(6) I wouldn't bank on it.
ここで使われているbank onは「賭けをする」という意味です。それが比ゆ的に使われているので転じて「期待をする」という意味になります。
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(7) everyone's on their way back into town.
on the way〜は「〜にいく途中」という意味です。theの部分をmyやhisなど「誰かの」という意味の単語に変えれば「誰かが〜に行く途中で」となります。ここではbackが使われていますから、「行く途中」ではなく「帰る途中」との意味に変わります。
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(8) I'll give you a call
give 〜 a callは〜に電話をするという決まり文句です。I'll call you.と言っても同じ意味になりますが、日常会話ではGの言い方がよく使われます。これも便利な言葉なのでこのまま覚えてしまいましょう。
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