息をのむような信じ難い体験

ある梅雨の午後、長野県木曽の山麓を散策していた筆者のキットさん。 地元の人に勧められた民宿を探して一人歩く筆者が、生い茂る緑の向こうにその宿を見つけたのは、夕方になってからだった。 その日たった一人の客として、オーナー夫妻の歓迎を受けるが、夕食の準備が始まってから、ある奇妙なことに気が付いた。

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Tough to swallow 「信じ難い」、「飲み込みづらい」、「ツバメ（swallow）にとってつらい」などの意味をかけている	treacherous, lame-brained 危険で間抜けな
downgraded to slithering around the foothills 山麓の丘をうろうろするだけにとどめた	sparsely agricultural 農地はまばらで
otherwise generously blanketed in bamboo groves and forests そのほかはほとんど竹林や森に覆われていた	Aside from 〜 〜以外は
local 地元の人	with mist closing in 霧が立ち込めてきて
secluded by 〜 〜に隠れて	dense vegetation うっそうと茂る植物
slid my soaked backpack off 濡れたリュックを下ろした	proprietors 経営者
were all three swaybacked 家も歪み、夫妻も背が丸まっていた	glowed with coals 炭が赤々と燃えていた
edged toward 〜 〜ににじり寄った	damp 湿った
motioned 手で合図した	had dripped 水を滴らせた
aloud 声に出して	produced 〜を取り出した
lodging, family-run for generations 代々家族経営でやってきた宿	spoil such a magnificent artifact with my graceless penmanship 私の汚い字でこんなに素晴らしい芸術作品を台無しにする
whittling sharp points 削って先をとがらせる	glimpsed ちらっと目にした
squirming もそもそと動く	sunk in 意味が理解できた
popped out of 〜 〜からパッと出る	gulped はっと息を呑んだ
claim vegetarianism 菜食主義だと言う	pesto バジルソース
trapped in a Lafcadio Hearn ghost story 小泉八雲の怪談の世界に閉じ込められた	loaded the skewer with 〜 串に〜を載せた
gasped はっと驚いて言った	spooked himself 主人の方もぎょっとして
guided tiny pointfuls of mash to each hungry beak おなかをすかせた鳥たちのくちばし一つ一つに串先のすり餌をすべり込ませ	ate crow 勘違いを認めた（文字通りには「カラスを食べた」）