「ST」は紙名を新たに「Alpha」として2018年6月29日より新創刊しました。 Alphaのウェブサイトはこちら
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動画講座「ボキャビル・カレッジ」では、毎週1つ重要ボキャブラリーが身につきます。

■ ツメが甘い!

仕事柄、たくさんの英語学習者の方々の学習法を聞く機会があるのですが、ボキャブラリーの学習に関しては、数十年前からほとんど進歩していないように思います。多くの方が、リング付きの単語暗記カードなどを使用したりして、英単語の日本語訳を覚える学習を続けているのではないでしょうか。もちろん、日本語の意味を覚えること自体を否定するつもりはありませんが、残念ながら、これをゴールにしてしまっては、「ツメが甘い」と言わざるを得ません。

■ アウトプットで使える覚え方を

例えばsnap electionという語句があります。これは「解散総選挙」という意味ですが、「snap election=解散総選挙」とだけ覚えるとしたら、これは果たしてコミュニケーションで使える知識でしょうか?「snap electionの意味を書きなさい」という単語テストには合格できるかもしれませんが、これだけでは実際の会話でこの単語を使いこなすことができません。そもそも、われわれが単語を覚えるのは、英語を理解するためだけではありません。その単語を自分でも使えるようにして自身の表現力を高めるというのも、ボキャブラリー学習の大切な目的の一つです。そういった意味で、単語の意味だけを覚える学習法は不十分なのです。

改めてsnap electionを例にとってみましょう。「解散総選挙が行なわれた」ならcall / hold a snap electionだし、「解散総選挙を行なうと表明」なら、announce a snap electionと表現します。せっかく意味を覚えるなら、もう一歩進めて、こうした代表的な「使い方」まで含めて頭に入れるようにしましょう。こうすることで、その単語を自分でも使えるようになっていくのです。

知識を覚えることを「インプット」、それを実際に使うことを「アウトプット」といいますが、単語をインプットする際には、アウトプットで使える状態でインプットするというのが、賢い覚え方ですよ。

改めてreferendumを例にとってみましょう。「国民投票を実施する」ならhold / conduct a referendumだし、「国民投票によって承認される」ならbe approved by referendumと表現します。せっかく意味を覚えるなら、もう一歩進めて、こうした代表的な「使い方」まで含めて頭に入れるようにしましょう。こうすることで、その単語を自分でも使えるようになっていくのです。

知識を覚えることを「インプット」、それを実際に使うことを「アウトプット」といいますが、単語をインプットする際には、アウトプットで使える状態でインプットするというのが、賢い覚え方ですよ。

■ 「目」だけに頼らない

ボキャブラリーの学習において、「単語がなかなか覚えられない」、「覚えてもすぐに忘れてしまう」という方は多いと思います。まず、覚えられない原因の多くは、文脈と単語を切り離しているからではないでしょうか。「referendum=国民投票」という字面だけで暗記しようとしても、頭に入ってくるはずがありません。必ず文章の形で覚えるようにしましょう。単語とは文章の中に置いて、初めて意味を成すもの。文章から切り離した単語は、意味のない単なる「記号」に過ぎません。これでは覚えられないのは当然です(その意味では、単語の意味しか載っていない教材はお薦めできません)。

また、すぐに忘れてしまうという方は、その単語を「目で見た」だけで覚えたつもりになっていませんか?視覚情報だけでは、なかなか単語は頭に定着しません。そこで、私がお薦めする方法は2つ。まずは、その単語が使われた文を何度も音読すること。2つ目は、その英文をネイティブスピーカーが朗読した音声を何度も聞くこと。このように「目」だけでなく、「口」「耳」も活用しないと、単語は定着しません。じっと単語帳とにらめっこするだけの学習法では、効果が出ないですよ。

以上を考えると、単語を覚える際に使用する教材は、音声付の英文が載っているものがよいでしょう。

■ 暗記が楽になる知識

apologize / civilize / jeopardize。この3つの単語の意味をご存じですか??左から「謝罪する」「文明化する」「危険にさらす」という意味です。既にお気付きかと思いますが、全て語尾が-izeで終わっていますね。実は-izeは、ある単語を動詞にする働きを持つ「パーツ」なのです(漢字の部首のようなものと言えば分かりやすいでしょうか)。apologizeは<apology(謝罪)+-ize>、civilizeは<civil(文明化された)+-ize>、jeopardizeは<jeopardy(危機・危険)+-ize>という成り立ちから、それぞれ上記のような意味になります。こうした知識があれば、暗記の負担をかなり軽減することができるので、お薦めですよ。

もう1つ例を挙げましょう。audience / auditorium / audibleという単語があります。それぞれaudiという部分が共通していますね。audiは「聞く」という意味を表すパーツです。よって、audienceは「聞く人」から「観客」、auditoriumは「聞く場所(arium)」から「ホール、公会堂」、audibleは「聞くことができる(able)」から「聞こえる、可聴式の」と、全て「聞く」に関係した意味を表します。

これらのパーツの知識については、辞書に説明が載っていることが多いので、辞書を調べる際には、こうした情報もチェックしてみましょう。この手の知識を身につけていけば、単語を覚えるのが相当楽になりますよ。

他にも、暗記の負担を軽減するものとしては、「派生語」の知識が挙げられます。派生語とは、ある単語の名詞形や動詞形など、関連する語のことです。例えば、simple(単純な、易しい)という語があります。これの派生語には、 simply / simplicity / simplifyなどがあります。それぞれ順番に「簡単に(副詞)」、「単純(名詞)」、「単純化する(動詞)」という意味ですが、実はある程度英語に慣れた人なら、語尾を見ただけでそれぞれの語の品詞が分かります。-lyは副詞を、-ityは名詞を、-ifyは動詞を作る表す典型的な語尾だからです。こうした知識があれば、たとえsimpleしか知らなくても、他の語は「simpleの副詞形/名詞形/動詞形だな」と考えれば、頭にスッと入ってきます(逆に言えば、この知識がないと、これらを一つ一つバラバラに覚えることになるので非効率的です)。「パーツ」や「派生語」の知識を駆使して、効率よく単語を覚えるようにしましょう。

最後に、私がYouTube上で公開している英語ボキャブラリー動画講座「ボキャビル・カレッジ」をご紹介します。これは、ST最新号の中から毎週重要なボキャブラリーを1つ取り上げて解説する講座です。他にも「インスタ映えする」などの流行語を英語にしたり、最近使われ始めた英語の新語を紹介するコーナーもあります。ぜひ皆様のボキャブラリー学習にお役立てください(「ボキャビル・カレッジ」で検索)。



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