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『世界の英語教室 (小学校)』[番外編]
      By Mina Hisada/Illastaration by Puri
「先生のいない英語教室!?」

この英語教室の生徒さんは、おじいちゃん・おばあちゃんを中心とした年代の方々です。「シニア世代」と呼ばれる彼らは、とにかく元気、元気!(もしかすると、会社で働いている現役よりも元気かもしれない(#^.^#))そんな彼らが、先生もいらない、本コラム『世界の英語教室』を教材として使った英語の勉強法を教えてくれました。以下にその活用例をご紹介します。

先生を務めるのは…

小学生の英語
実はこの英語教室には先生がいません。先生から何かを教わるのではなく、各自が好きなテーマを決めて、皆でそのテーマについて英語で話し合ったり、考えたりするからです。使う教材やテーマを決める先導役は皆の中から選ばれ、"Chairman" と呼ばれます。今回の Chairman は Nobuko さんです。Nobuko さんは教材として『世界の英語教室』を選びました。

今回のテーマ: "English education in Japan, Singapore, France and Iran"

使う教材:週刊STオンライン『世界の英語教室』 フランス、日本、シンガポール、イランの各回の PART4 部分
(General information on public elementary schools around the world.)

   (★上記の表がこの教室で教材として使用されたものです。表をクリックすると実物大になります。)


授業の進め方

<まずChairman は、A〜Dがどの国のことなのか、メンバーに尋ねます>

Nobuko: Which country's which? Look at the questionnaire, and match the country to its English education system.
Member 1:"A "is definately not Japan.
Nobuko: Why?
Member 1: Because there are no immigrants from Afghanistan or Iraq in Japan.
Member 2: C might be Japan, because of it's high literacy rate.
<メンバー、口々に当て続ける>
<そして、Chairman がまとめに入る>
Nobuko: OK! Let's see which is Country A. Who think it is Japan? If so, Why?
<メンバーのほとんどが手を挙げる>
All the members: Because of its high literacy rate.

◎この教材を使うことで、英語の勉強ができるだけでなく、「イランにはアフガニスタンやイラクからの移民がいるけど、ネイティブの英語の先生はいないんだ」とか「さすが英才教育のシンガポール!4歳から習っている人も多いんだ」など、それぞれのお国事情も知ることができます。

日本の英語教育についてひとこと

今回ご紹介した英語教室の皆さんに、日本の英語教育について意見を聞きました。

What are the disadvantage of English education in Japan?
(シニア世代が語る、日本語の英語教育の欠点とは)

<暗記中心主義- learning by rote>

メンバーA:暗記中心すぎだと思う。アイ・マイ・ミー・マイン・・このリストを暗記することから、もういやになっちゃったよ。
Member A: It focuses too much on learning by rote.
We have to learn lists of words ? like, "I, my, me, mine" ? and memorizing these lists makes learning English really exhausting.

筆者のコメント:確かに。60代の方もそうですか。私の世代(30代)も同じようなやり方で覚えました。変わってないのね、英語の教え方。それにしても、このリストを呪文のように唱えないで覚える方法ってないのかな?

<ローマ字の弊害- Influenced in a bad way by romaji>

メンバーB:ローマ字をなまじ知っているだけに、その悪影響が出てしまうと思う。
Member B: We're influenced in a bad way by romaji spelling.
Romaji accustoms us to pronounce Roman letters in a way that is different to English, and that makes learning proper English pronunciation difficult.

筆者のコメント:分わかる、分かる。私のクラスでも「マイク」を「ミケ」と読んでクラスの笑われ者になってしまった人がいました(苦笑)。
I know. For example, once my classmates laughed at me for reading "mike" as "mi-ke" and not "mai-ku."

<教科書- textbook>

メンバーC:もっと面白い教科書はないものか?
Member C: Is there more interesting text book?

筆者のコメント:えーっと、これであることを思い出しました。
2004年の6月、朝日新聞に「ある女子高校生がフィリピンでのボランティア活動をしたことを書いたエッセーが英訳され、2005年度の三省堂の教科書に掲載される」という記事が載っていたんです。この女子高校生は、2002年に卒業したそうですが、高校生が書いたものが教科書に掲載されるのは珍しいことから、話題を呼んでいるようです。
It reminds me of an article that was in the Asahi Shimbun in June 2004. It was about a new textbook, which will be published by Sanseido in 2005. According to the article, there will an essay written by a high-school student in it, which deals with the student's volunteer work experience in the Philippines. It's rare for a high-school student's essay to be used in a textbook, and so it received a great deal of media attention.

確かに教科書というと、どうしても故人や過去のことが載ることが多いですよね。そのため「今」を生きる私たちは、どうしてもかけ離れた感覚でその内容をとらえがちだと思うんです。 ごく数年前まで女子高校生で、多分今は現役女子大生か社会で働いているであろう彼女が、「こんなボランティア活動をした」という話は、より英語を身近に感じさせ、英語を学ぶモーチベーションを高めるきっかけにもなると思います。名作が抜粋されたお決まりの教科書もいいけれど、もうそろそろこの手の話が載っても良いのではないかと思います。
Textbooks usually contain information about historic events or the historic achievements of people in the past. But this lacks a sense of reality for those of us living now, while the article by the high-school student (who is probably working or studying at university now) feels closer to our lives. It motivates us to study English. The traditional textbooks are fine in and of themselves, but I think it is also valuable to include these sorts of articles as well.

ちまたでは歴史の教科書問題が騒がれているけれど、英語の教科書について、例えばアジア各国で共通のものを使ったり、何か互いが歩み寄れるものを使えたらいいんじゃないかと思います。英語を通してアジア人同士としての連帯感を強めていけたらとも思います。そのために、使用する教科書はやはり大事なものであり、慎重さとともに時代を反映し、少し先を見る大胆さも必要なのではないかと思います。
When it comes to history textbooks, Japan is under a huge of amount of pressure from Asian countries. What about English textbooks then? Why don't we share English textbooks and learn to say similar things, so that we can have more things in common and feel closer to each other? English could be used as a tool to strengthen the sense of unity among Asians. I think we need courage to reflect our own age in our education, and thereby look forward toward the future.

私が子供のころは、英語とはアメリカ人やイギリス人と会話するための言葉(English as a Native language)でした。それがたった20数年で、国際語としての英語(English as a International language)に変ぼうしたのです。 今の時代、英語ネイティブの人と会話をするよりも、英語を母国語としない人たちと会話をする機会の方が多いといっても過言ではないでしょう。シニア世代の方たちも、同じようなことをお話してくれました。以下にそのうちのお一人のお話をご紹介し、この「世界の英語教室」〔番外編〕を締めくくりたいと思います。
As a child, I, like many people, saw English as a language for communicating with Americans or British people. Only after 20 years did the attitude toward English change. It began to be seen as a more international, global language. Japanese people use English to talk with non-native English speakers more than, say, Americans or British people, which may explain why they are more aware of English as a global language. So let's conclude with Mr. A's story.

<国際語としての英語--English as a International language>

メンバーA:以前、私はオーストラリア人やイギリス人やアメリカ人と会話するために英語を習っていました。でも、今や英語は国際語になり、英語を話せれば、ほぼ世界中の人々-インド人であろうと中国人であろうとイラン人であろうと-とコミュニケーションがとれるような時代になりました。ということは、ノンネイテイブの人たちのアクセントに慣れなければならないという新しい課題も出てくるわけです。でも、これは私がぜひチャレンジしてみたい課題でもあります。いろいろなアクセントに慣れるため、もっとたくさんの国の人たちと英語でコミュニケーションしてみたいと思います。

Member A:
Before I learned English because I wanted to communicate with, say, Australians, British, Americans, etc.Now, English is an international language, and if you can speak English, you can communicate to a certain extent with the people of nearly every country in the world, whether it be India, China or Iran.That said, getting used to their accents can be a challenge, but it is a challenge that I'd like to meet. I'd like to communicate in English with more people from around the world, so that I can adapt better to different accents.


☆★編集吐息☆★

小学生の英語
ご協力してくださった皆さんと、
授業の後で・・・。
突然だが、子供のころの話をしたい。しいたけが嫌いだった。初めてしいたけを食べたとき、なぜか頭痛がしたからだ。でもある日おいしい茶碗蒸しを食べたことにより、しいたけ嫌いとお別れすることができた。英語も、調理法(教え方)によって好きにも嫌いにもなるのだと思う。そういった意味で、多分苦手な人が多い「文法」を気にせずに、クイズ形式で英語に親しめる今回の「教材」は、もっとたくさんの教室で使ってほしいと願わずにはいられなかった。「先生がいない」という試みも面白いと思う。 今回の取材でお会いした皆さんは「シニア世代」とはいっても、40代ぐらいの精神年齢とエネルギーをお持ちの方々。彼らのような年のとり方をしたいと思わせる方ばかりだった。ご協力本当にありがとうございました。

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