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未知の世界に飛び込んで、文化的背景の異なる人々と出会い、いつかその人たちのことを書いてみたい——。幼いころからそんな夢を抱いていた著者が、16歳で単身アメリカの高校へ留学。英語がほとんど通じず苦労したり、文化の違いにショックを受けつつも、さまざまな人に助けられながら卒業するまでの3年間をユーモラスにつづった青春記。

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留学日記[高校編]

By Kana Ishiguro / 石黒 加奈

16歳で単身アメリカ留学。わからないことだらけのアメリカでの生活を振り返る石黒加奈の「ちょびつき」留学日記・高校編
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Kana Ishiguro / 石黒 加奈

Vol. 5 : 恐怖のタイピングの試験

死闘(?)を繰り広げた「恐怖の水泳の試験」の後に待ち受けていたのは、心安らぐひととき。・・・・・・なんてことあるわけがないよね。ここは、アメリカ、異国の地だ!

同じ日の午後イチで招集をかけられた場所は、図書館の一角にある「コンピュータ・ルーム」。四角いマッキントッシュがずらっと並んでいます。 今年は2003年で、私が渡米したのは1990年ですから、これは、たった10数年前の話ですが、冗談抜きで、私は、そのときまでコンピュータを見たことがありませんでした(ワープロしか見たことがなかった)。ということは、もちろん、キーボードに触れたこともなかったわけで、タイプの仕方なんて、ゼンゼン知らなかったし、必要だとも思っていなかったのです。

でも、毎週のように論文なるものを提出させるアメリカの私立高校では、タイプのスキルなしでは、とても生きてはいけません。そこで学校としても、まず初めに、このスキルのない生徒(ほとんどいないけど)を見極めることが必要になってくるらしいのです。

上手にタイプできない生徒は、通常は休日のはずの土曜日に、朝からコンピュータ・ルームで指導されるという話でした。

午前中にあった水泳の試験に落ちたため、すでに、追試のためのレッスンが予定が入っていた私は、ここでまた、いやな予感に襲われました。

"Kana Ishiguro."

と名前を呼ばれてコンピュータの前へ。次に何やら英語の文が1段落ほど書かれた紙を渡されました。試験官はストップ・ウォッチを手に、

「はい、はじめ」

とか言っています。またしても、憎き3分の制限時間。

両隣に座っている生徒は、涼やかな顔で紙に書かれた文をタイプし始めています。完璧なブラインド・タッチ(キーボードを見ずにタイプすること)!

文章の最初の文字は大文字の"I"でした。午前中のショックから立ち直れないまま、私は、 "I"をたくさんあるキーの中から一生懸命探し出そうとしたものの、キーボードを見て

「おや、これは、ABC順に並んでいるわけではない?!」

と気づくまでに数秒かかりました。やっとのことで"I"のキーを見つけて、右手の人差し指で押してみると、画面には大文字"I"ではなく小文字の"i"が出てしまいます。

???

課題が書いてある紙を見ると"I"とあります。そして、キーボードにも確かに"I"とある。しかし、やっぱりコンピュータのスクリーンには"i"が出ている。私の頭は、真っ白になってしまいました。

そして、

「どうやれば、"i"を"I"に変換できるのだろうか?」

という哲学的(?)な問いについて、まるで「考える人」のようなポーズで思案しているうちに、あっと言う間に3分が経過してしまいました。水泳試験のパート2のときは、あんなに長かった3分が! ううっ。

ここで、またまた、まさかの不合格(まさかじゃないよって? 当たり前だって? まあまあ、そう、つっこまないで)。

「アメリカに行ったら、英語ペラペラになってマイケル・ジャクソンとカール・ルイスと友だちになってくるよ〜」

なんて、意気揚揚と日本を後にした私は、ここで現実の壁にぶち当たったのでした。

「このままじゃ、みんなに会わせる顔が・・・」

個人的には、留学は〜年間にしよう、なんていう具体的な予定はなかったとはいえ、日本の高校には1年間だけ休学届を出してありました。

しかし、1日に2つの試験(英語はまったく関係ないのに)に落ちた私は、このとき感じたのです。この留学は、もしかしたら、とてつもなく長いものなる。

つづく。

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