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未知の世界に飛び込んで、文化的背景の異なる人々と出会い、いつかその人たちのことを書いてみたい——。幼いころからそんな夢を抱いていた著者が、16歳で単身アメリカの高校へ留学。英語がほとんど通じず苦労したり、文化の違いにショックを受けつつも、さまざまな人に助けられながら卒業するまでの3年間をユーモラスにつづった青春記。

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留学日記[高校編]

By Kana Ishiguro / 石黒 加奈

16歳で単身アメリカ留学。わからないことだらけのアメリカでの生活を振り返る石黒加奈の「ちょびつき」留学日記・高校編
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Kana Ishiguro / 石黒 加奈

Vol. 13 : スペシャル版 自分を好きになるための英語学習 - もっと大切なこと

  さてさて、今回は、ちょびつき日記のスペシャル版ということで、留学や英語の勉強とは一見、無関係のように見える精神的な側面について書いてみたいと思います。

みなさんにとって「英語ができるようになる」ってどんな意味がありますか?

英語を勉強する理由って、ほんとうに千差万別だし、「留学する」いうことも、それぞれいろいろな目的があってのことと思います。

私の場合、日本での英語の勉強は、あくまでも「勉強」の域を脱しませんでした。留学をすれば、いろいろな人に会って話ができるから楽しいだろうなというぐらいに考えていたので、留学はしたくても、英語の勉強そのものはそんなにしたくないな、というのが本音でした。

こう言うと、

"You can't have your cake and eat it, too."

(すべて思い通り、ってわけにゃ、いかないよ)

って言われるんですケド(苦笑)。

でも、留学中の英語というのは、普通に生活するためのサバイバル・スキルに変わります。そして単なる教科としての英語が、サバイバル・スキルに変わるとき、心の中にも大きな変化が出てきます。

例えば、それまでは、

■英語ができない=単に学校での1教科が苦手

ということにすぎなかったのに、

■英語ができない→人と話ができない→友だちもできない→自分の価値を疑いだす

という断ちがたい悪循環に陥って、英語で言う "Identity crisis"(「自分が生きているって、どんな意味があるのかしら?」と悩むこと) や "Low self-esteem"(自分を好きになれず、自信が持てないこと) などで、苦しむこともあると思うんです。

そこで、現在留学を考えている皆さん、または、留学や英語に関心のある方、そして、英語は嫌いだけど、どうしてもやらなければならい状況に追い込まれている社会人や受験生の皆さん! 英語の勉強を始める前に、

「英語ができる、できないは、自分の人間としての価値とは関係ない」

という認識を強く持っていただきたいと思います。

なぜなら、自分を好きになることは英語が上手になることなんかより、もっともっと難しくて大切なことだと、筆者本人も日々感じているからです。 昨日より、今日の自分を少しでも好きになるような英語学習、または留学こそ、実りあるものだと言えましょう。

だから、英語をやればやるほど自分が嫌いになったり、留学や英語学習の辛い気持ちや寂しさで、いつの間にか心がすさんでしまったら、やっぱり英語を勉強する意味がないんじゃないかなと…。

どんなコンプレックスでもそうですが、英語に対するコンプレックスも悲惨なものです。

(自分も含めて)英語の勉強をしている人がみんな、そんなコンプレックスから解放されたらいいと、心から思っています。

でも、これは、「英語なんて、できなくてイイヤ」って投げやりになることじゃないんです。

英語って、(私も好きになったのは、留学してからずいぶん経ってのことだったけれど)やっぱり、面白いです。それに英語ができると、話をできる人も読める本もずっと多くなることは、ほんとうです。

高校生時代、「英語さえできればな〜」と毎日嘆いていた頃、ノーベル文学賞作家の Toni Morrison (トニ・モリスン)が書いた "The Bluest Eyes"(邦訳は『青い眼がほしい』早川書房刊)という本を読んで、主人公の黒人の女の子が肌の色にコンプレックスを持ち、青い目さえあれば、自分も愛されるようになるという妄想を持っているという話の内容が分かったとき、恥ずかしいけれど、その主人公は自分だと思いました。

日本語なまりのない、きれいな英語さえ話せれば、自分も日本にいたときのように、お友だちがたくさんできて、みんなに愛されるようになるんだと、思い込んでいました。だから、なにかうまくいかないと、英語ができないからいけないんだ、英語のできない自分は価値がない人間なんだ、と思っていたのです。

でも、もし私が留学していなかったら、辞書を何回もなんかいも引きながらでもモリスンの本を読むことができなかったとしたら、私は、特別の愛着と共感を持って高校のアメリカ文学のクラスに参加できなかったでしょう。また、自分も同じような共感を人に起こさせるような文章を書きたいと、夢見ることもなかったでしょう。

それにこんなチャンスだってあるかも!? 日本庭園の池の鯉を眺めて、ひとりで寛いでいるときに、ふと目を上げると隣にジェニファー・ロペスが。それなのに

"I love your ring."

(あなたのピンク・ダイヤモンド、ステキね〜)

って話し掛けられない悔しさを想像してみましょう! 

留学中に毎日、大スターに会うわけじゃないけど、たとえ大スターとの会話じゃなくたって、私みたいに、ジェニファーの横に立つとなぜかドラミちゃんに見えてしまうような女の子だって、一生、額に入れて飾っておきたいような瞬間がありました。7年間の留学で、2度だけ、自分から手を挙げて授業中に発言したときのことです。間違った文法で、なまりがあったのかもしれませんが、もし英語を勉強してなかったら、心から感じたことを外国語で伝えるなんていう素晴らしい経験は決してできなかったのです。

1 英語ができないからといって、自分を嫌いにならないこと
2 英語ができることで得た経験の素晴らしさを忘れないこと

留学や英語の勉強をするうえで、もっとも重要なのは、このふたつだと思います。

そして、この日記やQ and A のすべてを通して、みなさんに伝えたいメッセージも、究極のところ、このふたつだけなのです

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