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留学日記[高校編]

By Kana Ishiguro / 石黒 加奈

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Kana Ishiguro / 石黒 加奈

Vol. 17 : 寮の生活パート2

私のウィークデーのスケジュールは、朝8時に授業が始まり、4時半から2時間ほどスポーツをして、その後は就寝まで寮で過ごす、といった感じでした。 1日の半分以上を過ごしていた女子寮は4階建てで、200人ほどの生徒が暮らしていました。それぞれの階は、だいたい4つぐらいのホールに分かれていて、上級生のPrefect(監督生)とHall teacherと呼ばれる担当の先生が生徒と一緒に住んでいます。

毎晩、7時半から始まる自習の時間には、Hall teacher が2人1組になって、お部屋を見回りにきます。

ノックの後に、
"Hi Kana, how you doing?"
(元気にやっている?)

と担当の先生たち。

留学日記の第6回目ですでに紹介しましたが、私のアドバイザーのアネット・ミラー先生は、2nd East (2階の東の寮)の Hall teacher でした。

また、アネット先生は、この寮全体をまとめる総監督でもあったので、彼女がじきじきに見回りにいらっしゃることもありました。

先生は、生徒の名前を書いたリストをバインダーに挟んで持ち歩いていて、ちゃんと宿題や予習・復習をしているか点検します。音楽も、ヘッドホンをつけて聴くのはOKですが、スピーカーからは音を出せないので、自習時間中の寮は基本的にとっても静かです。

高校3年生ぐらいになると、自習の時間でも洗濯をしてもいいというprivilege(特権・特別扱い)があって、スポーツのときに着て汚れた洋服などを2階にあるコインランドリー室で、すぐ洗うことができてよかったです(数日置いておくと、なんか部屋が臭い感じ!?)。

寮生活というのは、とかく規則が多くて、洗濯の時間でさえ決められていたので、こんな些細な自由(?)でも手に入れると、その解放感たるや素晴らしいものでした。

アメリカで何にショックを受けたって、やっぱり1番はハシゴをかけないと上の段にあるお菓子に手が届かないような Grocery store (スーパー・マーケット)のサイズですが、それと同じくらい、このコインランドリーのマシンの大きさには、目を見張るものがありました!

クウォーター(25セント)を4枚入れると、1週間分の洋服がいっぺんに入りそうなマシーンが怪獣のような勢いで動き出します。当時は、液体の洗剤がはやっていて、それをキャップ1杯入れれば、あとは全自動。 また、マドンナの古い歌じゃないけど、material girlというか、ちょっと物質主義的かもしれませんが、友だちの「プール付きの家」の次に感激したのが、洗濯物をあっと言う間にフワフワに乾かしてしまう乾燥機でした。かなりイケている代物だと思ったものです。

この乾燥機aka(also known as/〜としても知られている)ドライヤーを使用する際には、静電気予防のいい香りのするシートを一緒に入れるのが習慣です。イヤミのない、いい香りのものが、いろいろとお店で売っているんですよ。

太陽の下で干した洗濯物が好きという人もいますが、このシートと共に乾燥機から出てきた洗濯物の柔らかさは、石黒が選ぶ「ザ・心地いいものトップ3」に堂々とランクインしています。

よく、洗濯物が乾燥機の中で回っている様子を見ていたものですが、洋服の動きがだんだん緩やかになってくる理由まで発見してしまいました。洗濯物は乾くと軽くなるから、水を含んでいたときほど「ぐるぐる」回るって感じじゃなくなるんですね!

でも、自習の時間を活用(?)して乾燥機をぼーっと眺めていると、ひとりの人間が洗濯ごときに、ここまでエネルギーを消費して、贅沢に暮らしていいのだろうかという疑問もわいてきて、ちょっと、自分の人生を振り返ったりもして、洗濯の時間が癒しの時間になったり、発見の時間になったり、また、環境問題を考える時間にもなったりしました。

ところで、この洗濯機の使い方を教えてくれたのも、私のアドバイザーのアネット先生でした。先生は生徒一人ひとりに気を配ってくれて、日本からの留学生だった私にも、寮のことをこと細かに教えてくれました。

わざわざこのランドリー室までついて来てくれて、
"Ok, Kana, put quarters in now."
(25セント、入れられるかしら?)
とイチから指導してくれたものです。

However!
(が、しかし!)

当初、私は、quarter という言葉の意味がよく分かりませんでした。辞書で引こうにも、発音からスペルがイメージできません。また、分かってからも、 「どうして、わかりやすく25セントと言わないんだろう!」 と、ムカムカする気持ちが邪魔して、なかなか覚えられません(外国語の修得には、素直な心も必要なんだね?)。

おまけに、quarter のほかにも、10セントにはdime、5セントにはnickel、1セントには penny というたいへんやっかいな名前がついていることも知りました。そこで泣く泣く、全種類のコインをセロハンテープで紙に張って、隣に名前を書いて机に上に置いておくという措置を・・・。

でもお店などで、とっさに言われると、ダイムとニッケルの違いが分からなくなったり、お金とは全然関係のない場面で
"See you at quarter after 2."
(2時15分にね?)
なんて、言われても、
「おや、なんで、急に25セントの話になるのだろう?」
と疑問を感じたり、スーパーでキャンディーやチョコレートを袋に入れて買おうとすると

"A quarter pound?"
(25 パウンドね?[キャンディーの量])
と言われて、25セントとは安いね〜、なんて無意味にはしゃいだり。

かくして、一筋縄ではいかないアメリカでの日常生活に頭を悩ませながら、洗濯のときに必要な25セントだけは、ことあるごとに「確保」しておくようになった「ちょびつき筆者」なのでした。

つづく。

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