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2013年6月14日号掲載の記事(ST編集部訳) print 印刷用に全て表示
Essay

Finding commonalities (p. 9)

他人との共通点を探すこと

他人と共通するものがあるとわかると、いつでもワクワクする。毎回の発見が、喜びやワクワク感をもたらす。「チェスをするの?僕も!」「ビートルズが好きなの? 僕もだよ」「韓国に行ったことがあるの?僕もなんだ!」こうした出会いの一つ一つが、特別な絆や、共通のアイデンティティや、新たな友情を作り出す。

若かりし頃、私の大きな冒険は世界一周旅行だった。故郷のバンクーバーを発ち、まずはこの国を横断してトロントに行った。そこで、自分と同じ年の男性に会った。「どこから来たんだい?」と尋ねた。「バンクーバー」と彼は答えた。「偶然だね!」と私は言った。「僕もなんだ!コーヒーを飲みに行こう」私たちはコーヒー店に行き、親しい友だちになった。「面白いことだ」と、その後、私は思った。バンクーバーにいたら、彼は赤の他人だっただろう。それなのに、トロントでは、同じ都市からやって来たということですぐに友だちになった。

そこから、私はイギリスに飛んだ。ロンドンで、若い旅行者に会った。「どこから来たの?」と尋ねた。「カナダ」と彼は答えた。「僕もカナダから来たんだ!」と私は言った。「コーヒーを飲みに行こう」彼はモントリオールからやって来た、フランス系カナダ人だった。それなのに、イギリスでは、同じ国から来たというだけで、私たちは特別なつながりを感じた。

次に、フランスに向かった。パリで、もう一人のバックパッカーに出会った。「どこから来たの?」と私は尋ねた。「ニューヨーク」と彼は答えた。「北米から来たの?」と私は言った。「偶然だね!僕も北米からやって来たんだ。コーヒーを飲みに行こう!」私たちは同じ国から来たわけでもなかった!それなのに、フランスでは、同じ大陸からやって来たということで友だちになったのだ。

ヨーロッパの後、私はアジアを探検することにした。ある日、私はカトマンズ行きのバスに乗っていた。大雨が降って道路が塞がれていた。何百人ものネパール人が周りに立って、道路が修復されるのを待っていた。その人混みの中に、金髪の白人男性が一人いた。「どこから来たの?」と私が聞くと、彼は「ドイツから」と答えた。「欧米の人なんだ? 僕も! コーヒーを飲みに行こう!」と私は叫んで、二人で近くのコーヒースタンドを見つけ友だちになった。彼は違う大陸から来た人だった。それでもアジアでは、私たちは同じ人種と文化を共有しているから、すぐに絆を感じた。

ずっと後になって、日本に来た。最初の一週間、混みあった商店街を探索してみることにした。何百人もの日本人で信じられないほど混雑していた。突然、遠くの方で、背の高い黒人を見つけた。目が合って、お互いに駆け寄った。「どこから来たの?」と私は興奮して聞くと、「ウガンダ」と彼は答えた。「あなたは日本では外人ということだね? 僕も。コーヒーを飲みに行こう!」と私は叫んだ。あっという間に友だちになる。

普段、私たちは他人に会うとき、違いばかり気がつく。それでも、私たちが共有しているものはとてもたくさんだ! 旅を通じて、私たちは人種、地域、国籍の壁を乗り越えることができる。違う国から来た人と共通点を見つけることは、文化的な違いの橋渡しをしてあなたの世界を広げるのに役立てられる。

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