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2014年1月3日号掲載の記事(ST編集部訳) print 印刷用に全て表示
Essay

My Life at Oxford (p. 9)

オックスフォード大学での生活

オックスフォード大学のことは誰もが知っている! 世界で最も古い大学の1つだ。世界の大学のトップ5の中に挙げられている。38のカレッジに所属する2万人の学生が通っている。卒業生の中には26人の首相と、47人のノーベル賞受賞者がいる。有名な同窓生にはスティーヴン・ホーキング、ビル・クリントン、マーガレット・サッチャーなどがいる。そこで過ごしたあまり有名でない一人は若いカナダ人だった―私のこと!

それは1970年代のこと。私はイギリスでバックパッカーをしていた。オックスフォードに着いたばかりで町中へと歩いているところだった。途中で地元の若者と会話をすることになった。「どこに泊まっているんだい?」と彼は聞いた。私は「分からない」と答えた。「私は大学の職員だ」と彼は言った。「私のカレッジにジョンという学生がいる。彼なら君を助けられるかもしれない」。

私たちはすぐハートフォード・カレッジに着いた。ハートフォード・カレッジは起源が13世紀に遡る中世の学校だ。ちょうどそのとき、ジョンが出てきた。「ここにいるカナダ人にさっき会ったんだ。世界中を旅していて泊まる場所を必要としている」と男性はジョンに言った。「なんという偶然だ!」とジョンは叫んだ。「クラスメートが体調を崩して家に帰ったんだ。彼の部屋が空いている。そこに泊まったらいいよ!」と言う。もちろん、これはカレッジの規則には反していた。しかし、どうして私が拒否できただろうか? 結局5週間も泊めてもらった!

ジョンは私をクラスメートのヒュー、デイヴィッド、ティムに紹介してくれた。私たちはすぐにいい友だちになった。彼らは大学を案内してくれて、自転車を私に見つけてくれて、カレッジの食堂で食券もとってくれた。食事はとても形式ばっていた。教授たちは食堂の一番奥にある教授陣用の席に座り、学生は下の木のテーブルについていた。皆、大学の式服を着ていた。ハリーポッターのワンシーンのようだった!

ジョンと友人たちは古典専攻でラテン語、ギリシャ語、古代史を学んでいた。私は日中、彼らの講義に出て、夜はみんなでパブへ行って、ビールを飲み、ダーツをして、ソクラテスについて話し合った。夜遅くには石畳の通りをぶらぶら歩き、カレッジの壁をよじ登って、門限を越えてから部屋にこっそり戻った。

オックスフォードでの5週間はあっという間に過ぎた。どの日も冒険でいっぱいだった。クリケットの試合を見て、演劇を見に行って、川でパント船に乗り、最大のライバル・ケンブリッジとの毎年恒例のボートレースでオックスフォードを応援した。滞在が終わるころには、パブは全部知っていたし、カレッジをすべて探検し、道で外国人旅行者に呼び止められたときには道順も簡単に教えられるようになっていた。

ロンドンに向けて出発する直前に、イギリス人の友人が全学生と全教授で撮るカレッジ公式の記念写真に私をこっそり入れてくれた。ハートフォードカレッジのロビーに今でも飾られている!

オックスフォードに住んで、イギリスの大学生の生活を体験できたことは光栄だった。今、誰かを感心させたいときは決まって「オックスフォードにいたときのことを思い出す…」と話している。

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