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2014年11月7日号掲載の記事(ST編集部訳) print 印刷用に全て表示
Essay

Loving homework (p. 9)

宿題好き

宿題は学校に通う世界中の子どもたちの悩みの種だが、それでも親や教育者から子どもたちに押し付けられている。このせめぎ合いは本当に必要なのだろうか?

平日に宿題をするために朝6時にまた起き、私の9歳の娘は、追加の勉強を終えると宣言した。

「子どもが世界を支配したら、宿題はなくなるだろう」と娘は主張した。

その日はまだ来ないので、世界中の子どもたちはまだ宿題にたくさんの時間を重ねている。経済協力開発機構(OECD)の最近の調査によると、上海の子どもたちが世界の学業競争で1位で、平均週13.8時間勉強しており、OECDの平均4.9時間の3倍近くだった。

オーストラリアとアメリカの子どもたちが先生に与えられた宿題をするのは週あたり約6時間で、日本は驚くほど低く3.8時間だったことが報告された。しかし、日本の子どもたちは将来の入試の準備に備えての学習塾でもっとたくさん勉強している。

そうした余分な勉強は効果をもたらすのだろうか? 15歳の生徒を対象にした最新の2012年版OECD生徒の学習到達度調査(PISA)を基にすると、上海、シンガポール、香港、台湾、韓国、マカオ、日本が上位を占め、アジアの10代の子どもたちは世界の他の国の子どもたちよりも優れていた。

PISAに参加したOECD諸国の中で、日本は読解と科学で1位、数学で2位で、高い記録を出し続けている。一方、オーストラリアの生徒は数学で17位、読解で10位、科学で8位と、アジアの隣国にずっと遅れをとっている。

子どもの将来のこととなると、長期的に見ればたくさん勉強することは効果をもたらす。日本で高等教育を受けた労働者は、概して、最終学歴が高校の人とくらべて、生涯の稼ぎが52%ほど多い。

日本には将来の労働者に向けた特別な遊べる学校まである。「子どもの、子どもによる、子どものための国」である東京のキッザニアでは、医師や消防士、ジャーナリストなど、子どもたちが80種類以上の職業を体験できる。

しかし、勉強ばかりで遊ばないとジャック(あるいは太郎)はつまらない子になる(よく遊び、よく学べという意味のイディオム)。研究者たちは親に、子どもが健康な生活スタイルを送れるように、子どもと身体を動かす時間を持つよう勧めている。

そこで、今度、あなたの子どもが宿題のことで文句を言ったら、子ども自身の最終的な利益のためなのだと子どもに思い出させてあげよう。しかし、歩いたり、走ったり、泳いだりする時間も持とう。子どもたちは、世界を支配するのに、その力全部を必要としているのだから。

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