「ST」は紙名を新たに「Alpha」として2018年6月29日より新創刊しました。 Alpha以降の全訳はこちら
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2014年11月28日号掲載の記事(ST編集部訳) print 印刷用に全て表示
Essay

Going up? (p. 9)

上ですか?

しばらく前、ウエイターやウエートレスへの対応の仕方から、いかにその人の多くを知ることができるかについて読んだ。それを書いた人は、あなたのデートの相手が接客係にどれくらい丁寧な―もしくはどのくらい丁寧でない―態度を取るかは、デートの相手の性格の多くを物語るため、このことは最初のデートでかなり使えることが分かったと述べている。

この理論はエレベーターを使う人々にも当てはまるのではないかと思う。私のビルでは、エレベーターに乗るといつも面白い人間観察ができる。とても礼儀正しい子どもたちがいて、エレベーターのボタンに辛うじて手が届くくらいの背の高さなのに、乗り降りする人のためにドアを開けておこうと頑張る。その子どもたちがあなたよりも先に降りるときは、一言断ってから降りる子もいる。

このような礼儀正しい子どもたちに、私のビルの大人たちの中には形無しの人もいる。私がエレベーターに乗るつもりで近づいているのは明らかなのにも関わらず、私を待ってくれない大人たちに少なくとも一握りは遭遇したことがある。

そして、礼儀正しいのだが、エレベーターのドアの前で決まってポイ捨てをしてすぐさまエレベーターの中でタバコに火を付ける人もいる。私の隣人はおもしろい人たちの集まりだ。私が特に興味があるのは、顔をドアから5センチほど離して立ちながらエレベーターを待っている人たちだ。エレベーターのドアが開いて、中に乗っていた人が自分に向かって歩いてこようとしていると分かると、この人たちはショックを受けてぎょっとする。典型的なエレベーター利用者はもちろん、繰り返しボタンを押す人たちだ。彼らの切迫感をエレベーターがどうにか感じ取って速く動いてくれると思っているのだろう。

しかし、一般的に言って、エレベーターを使う人たちのほとんどは感じがよいことが多いと思っている。関西では、親しみのある方向にさらに一方進むようだ。昔、大阪のおばあちゃんが私の友だちにとりたてのトマトをあげると言ってからまさに押し付けたことがあった。また別なときには神戸で、60代くらいの女性が私がランニングウェアを着ているのを見て、彼女が大阪マラソンに出るべきかどうか話し合いを始めたこともあった。

人生がエレベーターだとしたら、そのエレベーターが出発するのを待っているときにあなたは何をするだろうか? 他の人が乗るのを待たずにすぐにドアを閉めるだろうか? 上りまたは下りの途中で人と話をするだろうか? 場所を共有して待っている人たちをどのように扱うだろうか?

デートの相手が接客係にとる対応のように、エレベーターでのエチケットもまた、あなたのデートの相手の本性に詳細な洞察を与えてくれるのではないかと思う。あるいは、エレベーターの利用は人の一番いいところと一番悪いところを引き出すだけだろうか? いずれにせよ、次にデートをするときには、高い建物のてっぺんにあるレストランを選ぶことをおすすめする―万全の準備をするために。

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