「ST」は紙名を新たに「Alpha」として2018年6月29日より新創刊しました。 Alpha以降の全訳はこちら
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記事全訳

2015年10月9日号掲載の記事(ST編集部訳) print 印刷用に全て表示
Top News

Singer and actor Fukuyama, actress Fukiishi announce marriage (p. 1)

福山雅治・吹石一恵、結婚を発表

俳優でシンガーソングライターの福山雅治さん(46)と女優の吹石一恵さん(33)が9月28日に結婚したと、両方の所属事務所が発表した。その日は吹石さんの誕生日でもあった。

「私たちは友人どうしでしたが、過去数年の間にお付き合いするようになりました」と福山さんは同日にFAXで発表されたコメントで述べた。「私たちはお互いの人生を支えるパートナーとしてお互いを見るようになりました。ファンとスタッフの皆様から、幸せな家庭を築くサポートをいただけるよう願っています」。

コメントで、吹石さんはこう付け加えた。「私たちの結婚について、書面でお伝えすることを心からお詫び申し上げます」。

福山さんは2013年に、第66回カンヌ映画祭で審査員賞を受賞した『そして父になる』で主役を演じた。また2010年には、NHKの(主人公の)名を冠した歴史ものの長く放送されてきたシリーズで坂本龍馬の役を演じた。

福山さんは1990年に歌手としてデビューし、よく知られた曲には『桜坂』などがある。

吹石さんは13歳のときに女優としてのキャリアをスタートし、園子温さんが監督した『紀子の食卓』を含む多くの映画やテレビ番組に出演してきた。彼女は脚が美しいことで2014年に賞を獲得している。

Easy Reading

Japanese tea gets chance to shine at Milan expo (p. 3)

ミラノ万博で日本茶の魅力アピール

日本茶の推進者たちは9月27日、食をテーマにしたミラノ万博で、その飲み物(日本茶のこと)の健康効果を宣伝し、来場者はさまざまな種類のお茶を試飲し、お茶の生産方法と起源について学んだ。

ミラノ万博の日本館でのイベントで、来場者は静岡県産と福岡県産の水出し茶を味わった。来場者の多くが、茶葉の香りが感じられたと話した。

静岡県立大学の山田浩薬理学教授は、緑茶に含まれる抗酸化物質カテキンの効果を来場者に説明した。カテキンは高血圧の予防に効果があると山田教授は話した。

静岡県の小学校では、インフルエンザの感染予防に緑茶でうがいをしていると山田教授は述べた。

そのイベントでは伝統的な茶道の儀式も行なわれた。

Easy Reading

Romania scrumhalf proposes to girlfriend after World Cup game (p. 3)

ラグビーW杯、試合後にプロポーズ

ルーマニアは9月27日、ワールドカップでアイルランドに44-10という敗北を喫したが、スクラムハーフのフロリン・スルジウ選手にとっては、人生で最も幸せな日の一つになった。ウェンブリー・スタジアムのグランドで恋人にプロポーズをしたのだ。

プールDの試合の後で、チームメイトに囲まれて、スルジウ選手は片膝をつき、結婚の申し込みをした。彼にとって幸せなことに、答えはイエスだった。「これは事前に計画されていて、彼がこうすることを私たちは知っていた。私は彼を祝った」とルーマニアのキャプテンのミハイ・マコベイ選手は報道陣に述べた。

ルーマニアのリン・ハウウェル監督は、スルジウ選手を説得してプロポーズをやめさせるように試みたのだが、と冗談を言った。

「私は彼にやめるように助言した。彼女はイエスと言ったね、私にはロマンチックすぎるが、彼女にとってはきっととてもロマンチックで一瞬一瞬を味わっただろうね」とハウウェル監督は語った。

National News

Ishiba jockeys for position in post-Abe LDP (p. 4)

自民・石破茂地方創生相が派閥を結成

自民党の大物政治家で現在の地方創生大臣の石破茂氏が9月28日、与党内で自身の派閥を立ち上げた。同党の次期総裁として、安倍晋三首相の後を継ぐことを目論んでいる。

合計で19人の議員が石破氏の新派閥に参加し、党内に8つある派閥のなかで6番めに大きい派閥を形成した。

「将来の50年、100年を見越した政策を作りたい」と石破氏(58)は東京での記者会見で述べた。

National News

Death threat targets SEALDs co-founder (p. 4)

シールズ奥田愛基さんに脅迫状

学生の抗議団体SEALDsの設立メンバーの1人が、自身とその家族の殺害を予告する脅迫状を受け取ったことが、9月28日に発覚した。

グループ「自由と民主主義のための学生緊急行動(SEALDs)」の主要メンバーで、東京の明治学院大学に通う奥田愛基さん(23)は、ツイッターで彼と家族を殺すと脅迫する手紙を受け取ったと述べた。

SEALDsは、9月に可決された国が推し進める安全保障法案に反対する大規模な集会を開くことに尽力していた。

National News

Ontake victims mourned on 1st anniversary (p. 4)

御嶽山噴火から1年

日本で戦後最も多くの死者を出した火山による災害となった御嶽山噴火から1年を迎え、9月27日に遺族と防災関係者が集まった。

長野県王滝村で開かれた式典の間、参列者は噴火が起こった11時52分に黙とうをささげた。その噴火で58人が亡くなり、5人が行方不明となっている。

夫の保男さん(54)を亡くした伊藤ひろ美さん(54)は、「心の温かい夫にどれだけ感謝をしていたかを伝えられなかったことを今でも悔やんでいる」と語った。

National News

Actress Naomi Kawashima, 54, dies of cancer (p. 4)

川島なお美さんが死去

ベストセラー小説『失楽園』の1997年のテレビドラマ化での演技で高い評価を受けた女優の川島なお美さんが9月24日に胆管がんで亡くなった。54歳だった。

東京の病院で川島さんが亡くなったことは、2009年に川島さんと結婚したパティシエの鎧塚俊彦さんによって、フェイスブック上で伝えられた。

川島さんは、2014年3月にがんにかかっていることを明らかにし、亡くなる前の週まで仕事をしていた。夫とともに公の場に現れたのは9月7日が最後だった。

World News

Taliban take key parts of Afghan city Kunduz (p. 5)

タリバン、アフガニスタンの主要都市クンドゥズを制圧

タリバンは、何百人もの戦士たちが関与した多方面からの襲撃で、アフガニスタン北部の戦略的都市クンドゥズを制圧した。アメリカが主導する2001年の侵攻以来、反政府勢力が主要な都市部を占拠したのは初めてだ。

この動きの速い攻撃は、軍事と工作活動の関係者を驚かせた。反政府勢力は、アフガニスタンでも最も裕福な都市の一つで、昨年のアメリカとNATO軍の撤退以来、タリバンの繰り返される攻撃のターゲットとなってきたこの都市を襲撃した。

World News

Hundreds dead in stampede in Saudi Arabia (p. 5)

メッカ巡礼で事故、死者700人以上

9月24日にサウジアラビアの聖なる都市メッカからおよそ5キロほどのところにあるミナの谷で起こった恐ろしい将棋倒しで少なくとも717人の巡礼者が亡くなり、数百人以上が負傷した。年に1度の大巡礼(ハッジ)を襲った20年以上の間で最も死者の多い悲劇となった。

少なとも863人の巡礼者がこの衝突で負傷したと、サウジアラビアの民間防衛局は発表した。同局によると、この悲劇は、朝、巡礼者が交差点に急増するなかで起こったという。約200万人の人々が今年の大巡礼に参加している。

World News

Obama, Putin agree to talks on Syria conflict (p. 5)

米ロ首脳会談、アサド大統領の役割に相違

アメリカのバラク・オバマ大統領とロシアのウラジーミル・プーチン大統領は9月28日、シリアでの可能性のある軍事作戦をめぐる衝突を避けるために両国の軍が直接対話を開くことで合意したと、アメリカ側の関係者が述べた。

オバマ大統領とプーチン大統領は、シリアでの政治的な解決策を選ぶ選択肢も模索することで合意したが、シリアのバシャール・アサド大統領の将来の役割については意見が分かれた。

2人は国連総会に合わせて会合した。約90分間の対談では、ウクライナとシリアについて話されたと、関係者が述べた。

World News

Supermoon, lunar eclipse seen in rare display (p. 5)

スーパームーンの皆既月食

皆既月食がいわゆる「スーパームーン」と重なり、星を見上げる人たちはこの珍しい天文学的な現象を堪能していた。

アメリカ、ヨーロッパ、アフリカ、西アジアの人々は、9月27日の夜と9月28日の早くに月食を見ることができた。

スーパームーンでは、月が地球に最も近づき、いつもよりも大きく明るく見え、赤い色合いをしている。

スーパームーンと月食が同時に起こるのは1982年以来初めてで、次は2033年まで起こらない。

Science & Health

NASA confirms new evidence of water on Mars(p. 6)

火星に水が存在か、NASAが証拠発見

NASAの宇宙船から送られるデータを解析している科学者らは、ついこの夏に火星の表面を塩水が流れたという初めての証拠を発見したと、9月28日に発表された報告書が示し、この惑星が声明を維持できる可能性が高まっている。この水の発生源や化学構造は分かっていないが、この発見は、太陽系の中で最も地球に似ているこの惑星が現在の微生物の暮らしを支えることができるかどうかに関する科学者たちの考えを変化させるだろう。

「今日、火星に生命が存在することは可能であることを示唆している」と、NASAで科学ミッションを担当する副長官、ジョン・グランズフェルド氏は報道陣に述べた。

Science & Health

Giraffes 'hum' — but only at night(p. 6)

キリン、「ハミング」で意思伝達

ライオンは唸り、オオカミは遠吠えし、象は鳴き声を上げる。では、キリンはどうやって意思伝達しているのだろうか? キリンは「ハミング」するのだと、新たな研究が9月23日に示した。キリンは時々鼻を鳴らしたり唸り声を上げたりするくらいで、それ以上に深いもの(意思伝達手段のこと)は何も発しておらず、声によってしっかりと意思伝達する動物だとは考えられていなかった。しかし、ウィーン大学のアンゲラ・シュテーガー氏が率いる科学者らは、欧州の3カ所の動物園で947時間の録音を行ない、「豊かな調和的構造」を持つ一種のハミングの音の事例を発見した。ハミングのほとんど全ては、夜間に行なわれた。「ハミング」はキリンの群れのメンバーがお互いを見れないときに連絡を保つのに役立っている可能性があることを、この発見は示唆した。

Science & Health

Noise may shorten sparrow lives: study(p. 6)

騒音がスズメの寿命に影響か

車がクラクションを鳴らしたり通りでブーンという音を立てる騒音は、スズメの寿命を縮める可能性があると、科学者らは発表した。フランス国立科学研究センターの研究者らは、都市交通の騒音の中で育ったスズメのひなは、より静かな環境で育ったひなよりも染色体の末端部が短かいことを発見した。テロメアと呼ばれ、(染色体を)保護する働きのあるこの末端部分は、細胞の老化を予測することができる。テロメアが長いほど寿命が長いという関連性が多くの研究によって示されている。「私たちの研究結果は、騒音だけでも野生動物の若年期におけるテロメアの長さに影響する可能性があるという初の実験的証拠を示している」と、『バイオロジー・レターズ』誌で発表されたこの研究は述べた。

Science & Health

Malaria deaths have fallen 60% since 2000(p. 6)

マラリアによる死者、15年で60%減少

世界でマラリアによる死者数は2000年比で60%減少したと、国連が9月17日に発表した。診断検査の改善や、蚊帳の大規模な配布により、この病気に対する劇的な進歩が助けられたという。15年前は、推計2億6,200万人のマラリア患者がおり、84万人近くが死亡した。世界保健機関と国連の児童に関する機関(国連児童基金のこと)の共同報告によると、2015年の予測では、約2億1,400万人がマラリアにかかり、43万8,000人の死亡が見込まれるという。

この報告によると、もしもマラリアへの感染と死亡率が2000年から変わっていなければ、さらに620万人が死亡していただろうという。

Science & Health

You probably can't tell your toes apart(p. 6)

人は足のどの指を触られているのか分からない?

あなたは、足の指がそれぞれどこにあるか分かっていますか? 9月21日に、実はわかっていないかもしれないという驚くべき研究が発表された。

自分で試してみよう。家に帰って、目を閉じてもたれかかり、誰かに足をつついてくれるようにお願いし、どれがどの指かを当ててみなさい。(答えが分からず)口ごもっても驚いてはいけないー実験グループの半数を少し下回る人々は、どれが第二指かを当てることができなかったと、研究者らは『パーセプション』誌で報告した。「第二、三、四指を正しく回答した平均的な比率は、それぞれ57%、60%、79%だったと、同研究の共同執筆者で、オックスフォード大学のネラ・シックミル氏は述べた。

Science & Health

Bones in Florence belong to Mona Lisa model?(p. 6)

「モナリザ」モデルの遺骨発見か

イタリアの専門家らによると、フィレンツェの修道院で掘り出された遺骨は、レオナルド・ダ・ヴィンチの「モナリザ」のモデルだったと一部で思われている貴族の女性のものであるかどうか、確信を持って言うことはできないという。研究者らは、9月24日にフィレンツェで行なわれた記者会見でジャーナリストらに対し、遺骨の3点のうち1点はリサ・ゲラルディーニが死亡した時代と適合することが試験によってわかり、歴史文書が示すところによると彼女は1542年にフィレンツェの修道院に埋葬されたと述べた。主席研究者のシルヴァーノ・ヴィンチェッティは、遺骨は少しだけしかなく、頭がい骨はないと話す。頭蓋骨があれば、この女性がレオナルドの肖像画のモデルであったかどうかを判定するのに役立ったかもしれないという。

This week's OMG

'Goat Man' takes break from being human(p. 8)

ヤギになろうとした男、その経験を語る

「人間であることから休みを取る」ことを望んだ英国人男性は、スイスのアルプス山脈でヤギとして暮らして時間を過ごした後、自分の経験を伝えている。「私は人間であることのいろいろな複雑さに少しうんざりとしていた」と、ロンドン出身のグラフィックアーティスト、トーマス ・スウェーツさんは語った。この34歳(スウェーツさんのこと)は親戚の犬の世話をしていたときにひらめいた。その犬は「楽しくて、世界にいることがただただ幸せ」なように見えた」という。「『それって素敵な感じじゃないだろうか・・・ちょっととの間、動物になりたい』と思った」と彼は語った。

スウェーツさんは、ヤギになれる可能性を探って9カ月を過ごした。彼は四つん這いで歩けるように特別に作られた義肢を使った。彼は草を消化するのを助ける擬似的な胃を手に入れることを検討したが、健康上の問題が生じる可能性があると助言され、そのアイデアは諦めた。

スイスのアルプス山脈で3日間、ヤギに囲まれて生活した後、四つん這いの暮らしは簡単ではないことがわかった。「一番難しいのは、長時間にわたって腕で体重を支えることだ・・・私たちはそうするようにできていない」と彼は語った。

スウェーツさんは、このプロジェクトが人生について異なった見方を取り入れるという課題に関する議論に火を付けることを期待している。

Essay

The gatecrasher (p. 9)

招かれざる客

あなたは間近に野生の動物がいたことがあるだろうか? 私はある。ビーチで足をタオルで拭いていると、背中に何かが乗ったのを感じた。軽くて―それは確かに―四本足だった!

後ろにあった岩をちらっと振り返って見てみた。何もなかった。おそらく、気のせいだったのだろう。それに、赤ちゃんが砂をスコップですくって口に入れないようにすることに気を取られていた。

自分の仕事に戻ると、すぐにまたその感じがした。今度は間違いなかった。うまく逃げる前にその姿を見た。頬をふっくらと膨らませ、大きなふさふさの尻尾のシマリスだった。

アイルランドにはシマリスがいないので、以前にシマリスを野生で見たことはなかった。カナリア諸島に家族旅行で出掛けていた。カナリア諸島は、アフリカ沿岸沖に浮かぶ列島だが、スペインの領土になっている。この諸島は、ヨーロッパ北部の人々にとって、太陽と砂浜と海に惹かれるお気に入りの旅行先になっている。最高気温は通年20度台が保証されている。この島はスペイン人にも人気で、本土では夏の気温が40度に近づくようになると、クールダウンしに島に向かう。

その島は不毛で火山性の土地で、サボテンと低木以外は育たない。それで小さいシマリスがその辺にいる野生動物のなかでは事実上最も大きい動物となっている。ただし、シマリスはそれほど野性的ではない。人にとても慣れていて、観光客から餌をもらいに集まるほどだ。そしてこのシマリスは、私たち家族のピクニックに乱入しようと決めたようだ。

私には、長野でニホンザルのとりわけ攻撃的な一団に温泉を追い出されたことがあるという友人がいる。彼の話のすべてを信じてはいないが、お湯に浸かることを楽しむニホンザルの写真は見たことがある。温泉の楽しみを初めて発見したのは誰だろうと思うことがある:サルか、それとも猿と近縁である人類か。しかし、英語では、"to ape"(「まねをすること」の意。apeは類人猿という意味の名詞)は、「まねをする」という意味になる。温泉卵をニホンザルも楽しむのかどうか定かでないが、ニホンザルは駐車している車を襲って中の食べ物を得ようとすると聞いたことがある。

アメリカにいる野生のクマも、街をさまようことでゴミ箱をあさるという行動を身につけたという。残念ながら、「問題を起こすクマ」として多くが射殺される。そもそも、クマに餌を与えた人間が、「問題を起こす人間」と描かれることは決してない。

人間との接触は動物の行動を変えることがあり、たいてい動物たちにとってかわいそうな形になる。動物との接触は私の3歳になる息子も変え、彼は自分のポテトチップスを父親よりもシマリスを分ける方がずっとうれしいようだ。餌をあげるのを中断させると、息子は不機嫌になった。今は私は楽しみの邪魔をする人かもしれないが、動物とは安全な距離を保つ方がよいことが多い理由をいつか説明できればと思う。

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