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2015年11月20日号掲載の記事(ST編集部訳) print 印刷用に全て表示
Essay

Filming Star Wars (p. 9)

『スター・ウォーズ』の撮影

私が見たANAのジェット機のいくつかに施された塗装から判断するに、日本は新しい『スター・ウォーズ』の映画でかなり盛り上がっているようだ。

ジョージ・ルーカス監督のオリジナル映画に見られる黒澤監督と侍の影響は明らかだ。感覚は双方に共通しているようで、日本はスター・ウォーズのものは何でも―インスタントラーメンの限定版のカップや、さっぽろ雪まつりでの巨大なダース・ベイダーの雪像を掘る兵隊を送ることでも―好きなようだ。

アイルランドでも、これからのシリーズ2本の映画にわくわくする理由がある。エピソード7(スター・ウォーズ/フォースの覚醒)とエピソード8は両方とも、ここアイルランドを舞台に撮影されたからだ。

スケリッグ島は、大西洋から巨大なゴシック調の大聖堂のように突き出た2つのピラミッド状の砂岩だ。ドラマチックで異世界のようで、監督がなぜSF映画をそこで撮りたかったのかが分かる。

また、アイルランド政府には映画業界に気前のいい優遇税制措置がある。『ブレイブハート』と『プライベート・ライアン』の戦闘シーンのほとんどは、スコットランドやノルマンディーではなく、アイルランドで撮影された。わが国の政府は、税で損失するものはハリウッドへの露出がもたらす観光収益が取り返して余りあると主張している。

しかし、スケリッグ島でスター・ウォーズが撮影されることは、誰もがうれしいわけではない。環境と遺産の観点からは特に、反対意見もある。

スケリッグ島はたった2つの島だ。リトルスケリッグは世界で2番目に広いカツオドリのコロニーの住処となっている。ボートからは、白いフロスティングで覆われたケーキのように見える。これは、何万もの海鳥がそこに巣を作り、彼らの残した何千トンもの糞の堆積物があるためだ。糞の堆積物は肥料として賞賛されているが、ほとんどの人は鳥の糞だということしかしらない。ハリソン・フォードやマーク・ハミルがその上で映画を撮ったなどとは予想もつかないだろう!

大きい方の島―実際の映画のロケ地―はスケリッグ・マイケルとして知られ、6世紀の修道院があったところだ。この修道院は、自分たちと文明化の間に、12キロの荒海を隔てておきたかった聖職者によって建てられた。その開拓地は長い間使われていないが、状態良く保存されている。スケリッグ・マイケル島は、ユネスコの世界遺産にも登録されている。

こうした遺跡への世界からの大規模な観光の影響―ヨルダンのペトラからペルーのマチュピチュに至るまで―は、スケリッグ・マイケル島での撮影に関する懸念の理由の一つで、環境保護活動家たちは、より多くの観光は、そのような繊細な環境が最も必要としないものだと述べている。

スケリッグ島を訪れることをお勧めするが、来れなければ、少なくとも『フォースの覚醒』で2つの島の1つを見ることができる。

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