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2016年8月5日号掲載の記事(ST編集部訳) print 印刷用に全て表示
Essay

From friend to family (p. 9)

友達から家族に

「姉妹ですか?」とお好み焼き店で店主に尋ねられた。ちゃんと考えることをせず、「いえ、友人です」と私は返事をした。

私が本当に言いたかったことは、「彼女は日本の姉妹のような人です」だったが、店主を混乱させるだろうと思った。このやりとりから、私の日本での生活を実に特別にしてくれている人々について考えさせられた。

両親が私に会いに日本を訪れていて、親しい友人の1人は別々の機会に2度合流してくれた。両親は日本語を話さないが、友人は英語よりも広東語の方が上手だった。私の日本語は、その一方、広東語よりも上手だった。みんなが理解し合えるようにするためには、私は脳の奥に残っている広東語を探らなければならなかった。夜が深まるにつれて、驚くほどの広東語がよみがえり始めた。

私たちは結局、広東語、英語、日本語、標準中国語を混ぜてコミュニケーションをとった。みんなを混乱させていたと思うが、気が付きさえしないほどすごく楽しい時間を過ごした。私は両親に英語で話すのだが、友人と私がどのように出会ったという話を広東語で伝えることができた。

何年か前、日本の貿易会社で働いていた頃、私の部署で派遣社員を雇っていた。彼女の仕事は私の仕事とは関連がなかったので、話す機会がまずなかった。正しい日本語を使っての電話の応答の仕方にとらわれてあまりにもストレスを感じてもいたので、この派遣社員にあまり注意を払っていなかった。しかし、ある日のこと、彼女が上海支社に電話をかけていたのだ。私は標準中国語を話さないが、その日まで、彼女ほど流ちょうに標準中国語を話す日本人に会ったことがなかった。続いて彼女は別の電話をかけていた。そして広東語にやすやすと切り替えていた。日本で普段耳にする広東語は、旅行者のものだけだったが、ここにいる、笑顔で控えめな日本人の女性から広東語が聞こえてきたのだった。

このマルチリンガルの女性の友だちになるべきだと判断したのは、その電話の最中だった。それで、仕事が重ならないという職場の状況のなかで考えついた唯一のことを実行した―彼女が飲み物を入れに行ったときに、コーヒーマシーンまでついて行った。最善の会話の始め方が分からなかったので、「すてきなスカートですね」と切り出した。

その後、私たちはたちまち友だちになった。そして今、私たちの友情関係は10年目に入っている。彼女の広東語はやすやすと出てき続けている―私たちの友情のように。私はたいてい、友人と初めて会ったときのことを覚えていないのだが、この特別な人については、仲良くなろうと特別な努力をしたのを覚えていて―そうして本当によかったと思う。

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