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2016年11月18日号掲載の記事(ST編集部訳) print 印刷用に全て表示
Essay

PPAP (p. 9)

PPAP

もしあなたが2016年の初めに、今年最もたくさん聞かれる日本の曲がフルーツのペンについての曲だろうと私に言っていたら、私は大いに混乱しただろう。しかし、今私たちは2017年を間近に迎え、『PPAP』―Pen-Pineapple-Apple-Penの略―がYouTubeで何百万回という再生回数を獲得している。1本のペンと1個のりんご、もう1本のペンと1個のパイナップルを組み合わせるというアイデアだけを中心とし、この間抜けなのにかなりキャッチーな音楽は、たいていのJポップアーティストが夢見るしかできない偉業を達成した。

そしてこの曲は、古坂大魔王の名前での方がよく知られているお笑い芸人の古坂和仁の作ったもので、『PPAP』は、チーター柄の服を着てぎこちないダンスをし、よく歯を見せて笑う男性のキャラクターであるピコ太郎向けに作曲された。8月25日に『PPAP』をYouTubeにアップロードしたが、約1カ月でネットで話題になった。カナダ人ポップスターのジャスティン・ビーバーがツイッターで「インターネット上で気に入っている映像」と表明したことで、事態がまさに動き出した。

『PPAP』に人はなぜそんなにも夢中になったのだろう? きっと、話題になる映像がすべきすべてのことをしているからだろう。少し奇妙で、頭にとても残りやすい。短く、繰り返し見てもらいやすい。そして、最も重要なこととして、まねしやすく、反応しやすい種類のクリップだ。ピコ太郎の歌の人気の理由は一部に、ほかのユーチューバーたちが独自の動画でパロディーをつくったり、話題にしたりしたおかげもあるかもしれない。これ以前にオンラインでヒットした多くのものと同じように、『PPAP』は誰もが反応していたもののような感じがした。

ピコ太郎はYouTubeの力のおかげで思いもよらないヒット曲を記録した日本で初めてのお笑い芸人ではない。二人組のクマムシは、『あったかいんだからぁ』で2015年に最も大きなヒットの一つを記録し、今年の初めにはレディオ・フィッシュというポップユニット―お笑いコンビのオリエンタルラジオが率いる―がダンスナンバー『パーフェクトヒューマン』でヒットした。それでも、これらの曲が進出したのは日本国内だけだった。『PPAP』は海外進出し、日本のコメディーソングでこれまでに最も成功したと言えるだろう。

もちろん、インターネットでの急速な成功の対照的な面として、同じくらい人気が急速に落ちていくということがある。『PPAP』は大きくなった分だけ―アメリカのテレビの深夜番組でネタにされるなど―つかの間の名声もそうそうに終わった(しかし、そのつかの間(15分)の間にこの映像を12回は見られる)。ピコ太郎は恐らく、『PPAP』の成功の一部を再現する曲やお笑いの芸を持つことはないだろう。最終的にはネット上で拡散する面白情報にしかならないだろう。

だからと言って、彼のばからしい楽曲が達成した全てのことから何も損なわれるべきではない。YouTubeで450万回以上再生され、ビルボードの音楽チャートにランクインしたなかで最も短い音楽(77位)になった―これは小さな偉業では全くない。それに、他に何もないにしても、ピコ太郎はペンとパイナップルとペン−パイナップルのことを話すのがどれだけ楽しいかを教えてくれた。

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