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2017年4月21日号掲載の記事(ST編集部訳) print 印刷用に全て表示
Essay

Look up (p. 9)

上を向く

私たちはみんな、調子のいい日もあれば悪い日もある。無敵に感じる―何もあなたには触れることができないような―日もあれば、あらゆるものや人があなたを傷つけたり、あなたの人生を惨めにしたりしようとしているような気がする日もある。

しばらく前、調子の悪い日があった。特に悪い週の中でもとりわけ悪い日だった。心配事で自分を見失い、過去と未来について考えていた。不安でうんざりしていた。物事はちっとも上向きそうにそうになかった。それで、私は下を向いて気を紛らわそうとした―携帯電話を覗き込んで。

私はかわいい動物のアニメーション画像を探していた。それはうまくいかなかった。心に響く引用句を探した。それらが私の状況と関連があるように思えなかった。背泳ぎで浮かびながら手をつなぐ2頭のラッコを映し出した、困ったときに頼りになる動画でさえも、私を元気づけることはできなかった。

それで、私は携帯電話をしまって、宙を見ながら、混雑した駅のプラットフォームで待っていた。電車が到着し、ドアが開いた瞬間、大きなロゴの入ったTシャツを着ている若い女性に気が付いた。私は悲観的に、「なんて変な英語が書かれているんだろう」と思った。しかし、驚いたことに、そのロゴには「私は今このときを愛している」と書かれていた。

そのTシャツのメッセージは、予期せぬことに私の気分を一新させた。私は過去のことを心配し過ぎ、未来のことがあまりに不安で、今何がうまくいっているかに気付くのを忘れていた。私はその若い女性に微笑みかけて、電車に乗った。物事が突然上向きはじめた。

ときどき、文字通り上を向いた途端に、宇宙―手のひらにあるのではなく本当の宇宙―があなたを助け始める。それは、あなたに人生の教訓をいくつか与え始める。私の次の教訓は翌日、別の駅のプラットフォームで大きなロゴの入ったTシャツを着た別の人に気が付いた時だった。今度は、「あなたの物語はまだ終わっていない」と書かれていた。それは私に、どんな辛い時を経験していようとも、いつでも順応できたし、いつでも元気を取り戻すことができたということを思い出させてくれた。永遠に変わらないものはなく、私の物語は絶対に自分が不機嫌なときに終わるはずはない。

気分が良くなってきて、私は地元のラーメン屋さんで自分自身にご褒美の夕食をあげることに決めた。かばんに携帯電話を入れて、部屋の中を見回していると、日本語で「人生は一度きり」と書かれたカレンダーに気が付いた。そのカレンダーは何回も見たことがあったが、今になって初めてそのメッセージに気が付いた。

宇宙は不思議な働きをしている。そして、私たちの高性能機器(スマートフォンなどのこと)からは笑わせてくれたり、喜びをもたらしてくれるものがいつも見つかるが、ときには、気分を良くする一番シンプルな方法は、顔を上げて上を見ることだ。

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