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2017年5月5日号掲載の記事(ST編集部訳) print 印刷用に全て表示
Essay

Choping (p. 9)

ティッシュで席取り

ランチタイムにシンガポールの屋台市場に歩いていくと、きっとテーブルの上にポケットティッシュがたくさん置かれているのを目にするだろう。テーブルの周りの座席一つに対して一つずつだ。

いや、これらはお客さんのための無料のティッシュではない。そうではなく、シンガポールの人々は「choping」をする習慣がある。「choping」は、食べ物を買いに並んでいる間に、ティッシュや名札、社員用の入場許可証などを屋台市場のテーブルの上に置いて席を取ることを言う。

「chope」はシンガポールのスラングで、「chop」という語に由来している。「chop」そのものもまたシンガポール英語の単語で、ヒンディー語に由来し、「印」という意味だ。

こうした慣習がいつ始まったのかは思い出せないが、最近になってシンガポールのホットな話題になっている。政府が屋台の商いを活性化させるために財団を創設すると発表した後、複数の読者が新聞に投書をして、失礼な慣習だと感じていることを批判した。

多くの旅行客は、誰も座っていないテーブルに座ることができないと言われると、困惑するようだ。失礼な言い方で非難された人もいる。しかし、ほとんどのシンガポール人は「choping」を知っている。だから、私たちは、ティッシュや適当な物が置かれていない席を探し、自分の持っている適当な物をそこに置いて席を確保し、食事を買いに行ってから自分の席に戻る。

たぶん、空いた席にティッシュのパックや適当な物がたくさん置かれているのはおかしな光景だろう。私にも、この慣習を知らない人にとってはどれだけ苛立たしいかは想像できる。それに、ティッシュなどで取り置かれた席は、席を取った人が食事を買うために列に並んでいる間、10分以上空いたままになることがある。その間に、別の人がその席に座って食事を食べ終わっていたかもしれない。

しかし、私は人々が誰かのティッシュを投げ捨てて自分のティッシュに置き換えないことにも驚いている。私にとっては、このことは礼儀正しさの証しだ。さらに重要なことに、「choping」は必要から生まれた。ランチタイムの間、特に人気の屋台市場では、すぐに混雑してしまうので、熱い食事が載ったトレーを持ってバランスをとりながら、席を探すのはかなり難しい。誰かと一緒にランチをするのであれば、1人がテーブルに残って席を取ることができる。しかし、一人だったら? 席があると分かった状態で食事を買いに並べるように席に印を付けておくほうが楽ではないだろうか?

チェーン店のカフェで席取りをする学生についての方が言いたいことがある。彼らは早く着いてノートパソコンや教科書をドサリと置き、1杯飲み物を買って、一日中その席を独り占めする。勉強の休憩を取る間、貴重品を置きっぱなしにする若者もいる。その間、飲み物や食事を本当に必要としている客は待たされる羽目になる。

どちらの問題も簡単に解決できないと思う。それはさておき、もしシンガポールに旅行に行く予定なら、ポケットティッシュを持ってくるのをお忘れなく。役に立ちますよ。


※2017年5月15日10時 一部訂正しました。


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