英字新聞社ジャパンタイムズによる英語学習サイト。英語のニュース、よみもの、リスニングなどのコンテンツを無料で提供。無料見本紙はこちら

記事全訳

2017年6月9日号掲載の記事(ST編集部訳) print 印刷用に全て表示
Essay

The opioid epidemic (p. 9)

オピオイドのまん延

アメリカ疾病予防センターは最近、アメリカ国内でのオピオイドのまん延を宣言した。同センターによると、オピオイドの過剰摂取で国内で一日に90人が死亡しているという。

フェンタニルは、この過剰摂取の一番の原因になっている薬品だ;ヘロインの50から100倍強力である。しかし、ヘロインとは異なり、違法ではないので、フェンタニルのようなオピオイドは医師から鎮痛剤として処方される。

問題なのは、多くの医師がオピオイドを過剰処方することで、患者が依存症になったり、投薬を止めると離脱症状に苦しんだりする可能性があることだ。

オピオイドはとても一般的なので、人々は普通のものだとほとんど見なしている。1つにはテレビ広告がある。オピオイドのテレビ広告はないものの、オピオイドの副作用の1つ ― オピオイドによって誘発される便秘 ― に役立つ薬品の広告がある。この広告は好印象を与えるもので、オピオイドは単なる鎮痛剤の一種のような感覚を覚えさせる。

しかし、オピオイドは危険なものだ。人々は路上でオピオイドを買うことができる。路上での過剰摂取はあまりにも大きな問題になっているので、私たちが住んでいるワシントン州付近の警察では過剰摂取に対処できる薬品を携帯し、これまでに数人の命を救うために使われたほどだ。

そして、これはワシントン州だけの問題ではない。国の反対側にあるフロリダ州の知事は最近、フロリダ州でのオピオイドのまん延を宣言した。

カナダは今、同じ問題を抱えている。カナダは、アメリカを除くどの国よりも1人当たりのオピオイドの使用量が多い。あるカナダの新聞は、フェンタニルを、本や服を買うのと同じように、インターネットで買うことができると報じている。35米ドル(3,900円)で、「サンプル」を買うことができ、1キロあたりは21,000米ドル(230万円)ほどだ。あるいは、アメリカの路上で買って、車で国境を越えて持ち込むこともできる。カナダの国境の検問では小さな荷物であれば確認されない。

状況はさらに悪化している。フェンタニルを路上で販売することは違法だが、フェンタニルのような薬物が常に製造されている。新薬はどれもフェンタニルに似ているが、全く同じではないので、禁止されるまでは短期間の間、合法とされる。

アメリカは、中国のサプライヤーが違法なオピオイドの主たる供給源だと述べている。彼らはインターネット上でオピオイドを販売しており、乾燥剤と見せかけるか、電化製品と一緒に梱包することが多い。

当局は何ができるか? 1つのアイディアは、地元の消防署に「隠れ家」のスペースを設けることだ。オピオイドの使用者は、ストレスを低下させ、カウンセリングを受けるためにそのスペースを利用できるだろう。また、医師は過剰処方すべきではなく、患者にオピオイドの使用法に関して厳格な指示を与えるべきだ。

こうした措置は、スタートにすぎないとしても、悲惨な状況を減らすのに役立つはずだ。

Top News
Easy Reading
National News
World News
Science & Health
This week's OMG!
Essay
  • オピオイドのまん延

サイト内検索

2018年5月25日号    試読・購読   デジタル版
目からウロコの英文ライティング

読者の声投稿フォーム
バックナンバー