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2017年10月13日号掲載の記事(ST編集部訳) print 印刷用に全て表示
Essay

Doors (p. 9)

ドア

自動ドアでもスライドして開けるドアでも前後に開くスイングドアでも、人がどのようにドアを使うかに、私はいつも強く興味を引かれる。人がどんなふうにドアを使うかは、その人について多くのことを物語っているときもある。

後ろの人のためにドアを開けておくことは、後から来る人たちの存在を認め、他者が必要としていることに気がついていることを示している。日本で私がこうすると、私に迷惑をかけたことを人々が謝り出すことが多い。私のために誰かがドアを開けておいてくれることも珍しい…これは日本には自動ドアがとても多いからだろうか。

ドアをバタンと閉めるのは、まるで文の最後にピリオドを打つかのようだ。それは口論で捨てぜりふを吐いたということを示している。10代のときに日本の高校で学んでいた、興奮しやすく、意志の強い11人の留学生うちの1人として、私は多くの口論を目にし、ドアが何度もバタンと閉められるのを見た。しかし、笑わないでいるのは難しいことが多かった。私たちの学校のドアはほとんど全てがスライド式のドアだったので、ドアは跳ね返ってゆっくりと開き、ピリオドはむしろ省略記号(「…」など)のようになった。

ドアはわれわれに逃げ道を与えてくれる。ドアのおかげでわれわれはプライバシーの守られた場所を見つけられる。ドアは現に壁を通り抜けさせてくれる。それでも、この物体(ドアのこと)にあまり関心が払われていないことは興味深い。この意識の欠如には、ニュージーランドに短期間戻っていたときに気がついた。ウェリントンで、あるとても風の強い、とても寒い午後遅くに、私はお気に入りのカフェの1つにいた。風雨を避けられる場所を求めて、客が入ってきた。しかし、彼らはガラスのドアを大きく開けたままにしてしまい、雨風が入ってきた。

最初は、スタッフと、私を含めた客が立ってドアを閉めに行った。やがて、誰もがいら立ちはじめ、新しく入ってきたうっかりしている客に「ドア!」と叫び始めるほどになった。

このドアは呪われているのではないかと私は思い始めた。カフェに入ってくるほとんど全員が、閉め忘れるのだ。ドアを閉めるのを手伝っていた人のうちの1人も、店を出るときに開けたままにしていた。

私たちが帰る番になったとき、私はドアを閉めることに努力を集中させた。友人と私は外に立ち、さよならを言うと、別のカップルがドアに入っていった。彼らはドアを開けたままにしていた。私は彼らに顔をしかめて、ドアまで行って閉めると、中の客たちから拍手喝采が沸き起こった…私は彼らのヒーローだった。

このことは私について何を伝えているだろう? 友人は「あなたはとてもいい人だということ」だと言ったが、私はその答えはそれほど深くないと思う。楽観的になるべきだと伝えるために、「1つのドアが閉まっているとき、別のドアが開いている」というフレーズを使う人がいる。しかし、ドアが閉まっていたら、そのドアはただそのままにしておいてほしいと思うときもあると思う。

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