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2017年12月15日号掲載の記事(ST編集部訳) print 印刷用に全て表示
Essay

The year of Namie Amuro (p. 9)

安室奈美恵の年

この12ヵ月間には、たくさんのわくわくするような新しいアーティストが日本の音楽シーンで話題となった。スポティファイといったストリーミングサイトで注目を集めた人たちもいれば、YouTubeに動画を投稿してインターネット上で旋風を巻き起こした人たちもいた。それでも2017年が終わりに近づくにつれ、Jポップで今年最高売上を記録したアルバムCDは、聞き覚えのある名前の人のものだった:安室奈美恵さんだ。

1992年にデビューしたこの歌手は、オールタイム・ベストアルバム『Finally』によってキャリアで最高の瞬間を再びかっさらった。発売1週目にして、このベストアルバムは100万枚以上を売り上げた。こんなことはもう起こらない。そして、ファンらはそれではとどまらず、このアルバムは何週間もチャートのトップ付近にとどまった。これまでに他のどの新作もこの作品に近づいてはいない。

大ヒットの理由の1つは、安室さんが1年以内に引退すると発表したことに端を発する。安室さんのウェブサイトに短い投稿が、彼女の40歳の誕生日の9月20日にアップされ、たちまち日本ではニュース速報となった。その知らせに、ファンらは懐かしい思い出を振り返り、ソーシャルメディアでこのアーティストのお気に入りの映像や歌詞を共有した。そしてベストアルバムを買いに殺到した。

安室さんの予定されている引退を、昨年あった男性グループのSMAPの解散と比較しないでいるのは難しい。どちらのアーティストも1990年代最大の芸能人に入る―安室さんの『Can You Celebrate?』は今でも女性のJポップ歌手のシングルCDで最高売上を誇っている。ある世代の全ての視聴者にとって、安室さんとSMAPは人生で最も重要な音楽アーティストの中に入るだろう。

こうしたファンの中には身を固めつつある人もいて、1990年代に若さの単純さに懐かしさを覚える人もいる。それはよくある現象だ¥10代のころよりも音楽を聞かなくなり、青春時代に聞いた音楽は永遠に好きな音楽になると言う人もいる。今、そうしたファンたちにとって、最も愛された2組のアーティストが表舞台から去ろうとしている。

しかし、安室さんとSMAPの類似点はそこで終わる。SMAPは論争の渦中で解散した。安室さんは自発的に退こうとしていて、キャリアを振り返り、別れを告げるのに丸1年という長い期間を自分自身に与えた。ドキュメンタリー番組『安室奈美恵チャンネル』がHuluで毎月放送を開始し、日本のドーム会場では来年、大規模なツアーが予定されている。2018年の9月が近づくにつれ、さらに多くの雑誌の特集記事やインタビュー、インターネットでの回顧録が増えると予想できるだろう。

安室さんはスマートな動きをした―彼女は最後の別れに向かう準備期間にたくさんの注目を集め、その過程でさらに100万枚のCDを売り上げるだろう。これもスターの引退の仕方の一つだ。

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