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2017年12月22日号掲載の記事(ST編集部訳) print 印刷用に全て表示
Essay

Reindeer deliveries (p. 9)

トナカイが配達?

昨冬、日本のドミノ・ピザがピザの配達のためにトナカイを訓練していたというニュースを読んだことは覚えているだろうか? 気象予報士は例年にない大雪を伴う厳しい冬を予想していた。ドミノピザはそんな天候の中で同社のスクーターの一団がピザを配達できないのではないかと心配したのだ。

トナカイにはスクーターよりも優れた点がたくさんあると主張した。トナカイは雪に沈んだり、立ち往生する可能性が低い。配達用に検討した四輪駆動車やスノーモービルよりも維持管理が安くて簡単である。トナカイは厳しい寒さにも耐えることができ、最大時速80キロで走ることができ、乗るのに運転免許を必要としない。

多くの人々がピザの配達にトナカイを訓練することは冗談か宣伝の手法だと思った。しかし、私は特別なわくわく感を持ってそのニュースを聞いた。その写真では、トナカイが本当に北海道石狩市で訓練を受けていた。1年の多くを過ごす厚田区にある私のアートスタジオのすぐ近くだった。

歴史的には漁村だが、厚田区は美しい夕陽と海の眺めが有名な休暇を過ごすのに人気の場所だ。冬は猛烈な暴風雪や命の危険を伴う地吹雪でも有名だ。暴風雪のせいでときどき、除雪車による道路の除雪のスピードが追いつかず、幹線道路を通行止めにしなければならないこともある。

私は車を運転しないので、私の人里離れた住所に食べ物や日用品を届けてもらうために、さまざまな宅配サービスに頼っている。これには日本郵便、トドック(生協のコープ宅配システム)、ヤマト運輸などが含まれる。もちろん、汚水処理タンクを定期的に空にしてくれるバキューム車も忘れてはいけない!

私のスタジオは幹線道路からそれほど遠くはない。しかし、家までの道はとても傾斜がきつく雪の中を移動するのは大変だ。私のいつも利用している宅配サービスは、幹線道路が通行止めになると私のところまでどこの会社も到達できない。トナカイの配達プロジェクトは、厚田区の冬を少し過ごしやすくしてくれるだろうと私は期待した。それにもっと愉快にもしてくれるだろうとも。

結局、このプロジェクトは取りやめになった。トナカイは客の家の前で止まることを拒否したのだ。トナカイは犬に吠えられてびっくりして、ピザの箱をひっくり返してしまった。トナカイの配達プロジェクトの失敗は、北海道の長い雪のシーズン中は厚田区で暮らすという希望を諦めなければならないということを意味した。

誰かがより良い解決策を思いついてくれないだろうかと思い続けている。北海道は野生動物と自然資源の豊かな土地だ。オオワシは冬に活発な大型の鳥だ。もしかしたら訓練できるのでは?

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