「ST」は紙名を新たに「Alpha」として2018年6月29日より新創刊しました。 Alpha以降の全訳はこちら
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記事全訳

2018年3月30日号掲載の記事(ST編集部訳) print 印刷用に全て表示
Top News

Putin savors record win, securing six more years at Russia's helm (p. 1)

ロシア大統領選挙、現職プーチン氏再選

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は3月19日、選挙での自己最高の勝利に浸り、欧米との関係が敵対する方向にある時期に、さらに6年間、世界最大の国(ロシアのこと)を統治することとなった。

今回の勝利により、プーチン大統領の政治的なロシア支配は、2024年まで4分の1世紀近く続くこととなり、プーチン大統領は、ソビエト連邦時代の独裁者ヨセフ・スターリン以降、最長期間の統治者となる。任期の終わりには71歳となるプーチン大統領は、欧米諸国に対するロシアの防衛を強化し、生活水準を高めると約束した。

疑われることのなかった結果で、中央選挙管理委員会は、ほぼ100%の投票を数え、1999年以来、大統領または首相としてロシアを運営してきたプーチン大統領が76.68%の票を獲得したと発表した。

5600万票以上を獲得し、プーチン大統領の自己最高の勝利かつ、ソビエト時代後のロシアの指導者で最大の勝利となった。

赤の広場付近で夜遅くに行なわれた勝利演説で、プーチン大統領は歓声を上げる群衆に、今回の勝利は、自分が厳しい状況の中で達成してきたことへの信任の票だと語った。

「この結束を維持することがとても重要だ」とプーチン大統領は述べた後、「ロシア! ロシア!」と繰り返し唱える群衆を率いた。

Easy Reading

Tsunami violin played at Melbourne benefit concert (p. 3)

豪で「津波バイオリン」の演奏会

メルボルンで3月16日に開かれたコンサートに集まったオーストラリアの人々は、特別なバイオリンを聴いていた。そのバイオリンは、東日本大震災と津波で発生した瓦礫から作られていた。

この演奏は、「共鳴:津波バイオリンコンサート」と呼ばれた。18,000人以上が死亡または行方不明となったマグニチュード9の地震と津波から7年の節目を迎え、このコンサートが開かれた。バイオリン奏者は大橋可菜さんで、バッハの曲を演奏した。

津波バイオリンは、77歳のバイオリン職人の中澤宗幸さんが震災のがれきでつくった弦楽器(バイオリンのこと)7本のうちの1本だ。バイオリンの正面と背面は、流木でできている。バイオリンの内部の小さな木の部品―バイオリンに独特の音色を与えるため、魂柱と呼ばれる―は、「軌跡の一本松」から作られた。樹齢280年のこの木は、岩手県陸前高田の町の沿岸に1本だけ残った立木だった。

Easy Reading

Berlin kids pile up teddies to support Syrian refugees (p. 3)

独でテディベアの山、難民の子どもへの連帯示す

ドイツの児童生徒たちは3月15日、教育を受けられずに成長しているシリア人の子どもたちへの支援の気持ちを示すため、テディベアの巨大な山を作った。シリアでの内戦は8年目に突入する。

子どもたちは740個のテディベアをベルリンのコンサートホールの階段に並べた。テディベア1つ1つが、教育を受けられないシリア難民の子どもを表している。そうした子どもたちの多くは、シリアの国境付近の難民キャンプに暮らしている。

シリア難民の子どもは、250万人以上いる。戦争は何十万人という人々を殺してきた。1100万人前後が家を離れた。

ここドイツにいる「私たちの近くにある難民キャンプに古いおもちゃをいくつか寄付しました」と、11歳のFee Muehlemannさんは、テディベアの山に自分のものを置きながら言った。

「難民に正常に対応し、日常生活ができるように導き、就学機の子どもたちに教育を与えることで、(難民を)助けることができます」と彼女は話した。

National News

Cabinet support plunges over 9 points: poll (p. 4)

内閣支持率、急落

安倍晋三首相の内閣支持率は、安倍首相が関連するえこひいき疑惑のさなか、新しい世論調査で38.7%に急落した。

3月18日の世論調査では、2週間前に発表された前回の世論調査よりも9.4パーセントポイント下落したことが示された。

回答者のうち合計66.1%が、安倍首相の妻とつながりのある学校経営者に対して土地を大幅に値下げして売却したことに関連するこのえこひいき疑惑に関する文書を財務省が改ざんした問題について、安倍首相は責任があると回答した。

National News

Political fairness broadcast rule may be cut (p. 4)

政治的公平の放送法条文撤廃か

政府は、放送会社に政治的公平性を守るよう求める規制を撤廃することを検討しており、そうすれば競争が増え、番組が多様化するだろうと主張していると、共同通信が得た内部資料で3月15日に示された。

この動きは、より多くの事業者が市場に参入する助けとなりうるが、論争を招くものとなりそうだ。この規制を撤廃すれば、政党と忠誠関係の強い放送会社を設立しやすくなる。政府が撤廃したい規制には、放送会社は事実を歪曲してはならないと記述されたものもある。

National News

Wrestler exits tourney over hitting his junior (p. 4)

貴公俊、暴行発覚で休場

十両の力士が3月19日に、現在開催中の大相撲春場所を休場することとなった。その前日に、階級の低い力士を暴行したことが発覚した。

貴乃花部屋の力士である貴公俊(20)は、十両で出場していたが、日本相撲協会によると、貴公俊の付け人をしていた後輩を3月18日に数回殴ったことを認めたという。

「本当に後悔の気持ちでいっぱいです」と、貴公俊は大阪で報道陣に語った。

National News

App-using truck driver gets prison sentence (p. 4)

5人死傷の「ながらスマホ」事故に求刑上回る実刑判決

滋賀県の裁判所は3月19日、50歳のトラック運転手に対し、地図アプリを使いながら高速道路を運転して昨年玉突き死亡事故を起こした罪で、予想されていたよりも厳しい判決を言い渡した。

大津地方裁判所は、前田博行被告に対し、11月21日の事故について禁錮2年8ヵ月を言い渡した。この事故では、水谷勇二さん(44)が死亡し、他4人が負傷した。

検察側は禁錮2年を求刑していたが、今井輝幸裁判官は、検察側は犯罪性の度合いを過小評価していると述べた。

World News

Sweden talks may lead to Trump-Kim meeting (p. 5)

北朝鮮とスウェーデンの外相会談

北朝鮮とスウェーデンの外務大臣は3月17日、朝鮮半島の安全保障状況をめぐる3日間の会談を終えた。このことは、アメリカのドナルド・トランプ大統領と北朝鮮の指導者・金正恩氏との会談計画に向けた準備に役立つかもしれない。

北朝鮮の李容浩外務大臣と、スウェーデンのマルゴット・バルストロム外務大臣は、「機会と課題」について話し合ったと、スウェーデンの外務大臣は述べた。

スウェーデンは、米朝首脳会談開催の一握りの候補地の1つと考えられている。

World News

Erdogan vows to take Kurd-controlled areas (p. 5)

トルコ軍、クルド支配地域への攻撃強化

トルコの大統領は3月20日、シリアの町アフリンをトルコ軍が支配した後、アメリカが支援するシリアのクルド人民兵組織に対する圧力を強化し続けると誓った。

レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は、クルド系の武装勢力をテロリストと見なしており、それは、トルコ国内で戦闘を続けているクルド人反政府勢力とのつながりがあるためだ。アメリカ政府は、クルド人のことを、武装組織IS(「イスラム国」)との戦いにおける強力な同盟相手と見なしている。

テロの「回廊を完全に全廃するまで、このプロセスを続ける」と、エルドアン大統領は、クルド人が支配するトルコ国境付近の地域に言及して述べた。

World News

Self-driving car kills pedestrian in Arizona (p. 5)

自動運転車の試験運転中に死亡事故

アリゾナ州で3月18日、ウーバーの自動運転SUV車が歩行者に追突して死亡させ、完全自動運転車の試験運転に関わる初の死亡事故となった―この衝突事故は、この新技術(自動運転技術のこと)に対して、広範囲に及ぶ影響を与える可能性がある。

テンペ市での死亡事故は、自動車業界やIT業界の多くが恐れていたが、不可避だともわかっていたものだった。

事故を起こしたボルボは、自転車を押して歩いていた49歳の女性に衝突した。ウーバーは、フォニックス地域、ピッツバーグ、サンフランシスコ、トロントで、こうした自動車の路上試験運転を全て停止した。

World News

Sarkozy held over receiving Gadhafi money (p. 5)

サルコジ元大統領、身柄拘束

フランスのニコラス・サルコジ元大統領は3月20日、リビアの指導者だった故ムアマル・カダフィ氏から受けた不正な資金提供とされる数百万ユーロについての捜査の一環として、身柄を拘束された。

捜査当局は、カダフィ政権がサルコジ元大統領に合計5000万ユーロ(65億円)を、2007年の大統領選挙で勝利するために、密かに渡していたという訴えを調べている。これは、フランスの選挙資金に関する規則に違反する。

サルコジ元大統領と彼のスタッフの元リーダーは、この件について不正行為を否定している。

Essay

My first fast (p. 9)

初めての断食

大学生のとき、栄養と断食に興味を持った。それは1970年代のことで、加工食品の負の影響が心配されていた。断食は身体から化学物質を除去するので健康に良いと主張する専門家がいた。他にも、キリスト教やイスラム教といった世界の宗教において断食が担っている役割を指摘する人もいた。

断食を理解するには、断食について読むだけではいられないと分かっていた。しかし最初にいくつか決めなければならなかった。どんな断食をするべきか? 簡単なものか、それとも徹底的なものか? どのくらいの期間断食をするのか? 1日? 2日? 1週間?

最終的に、4日間断食をすることにした。水以外の食品と飲料をとらない。

友人たちに自分の計画を発表したとき、彼らは応援してくれたが懐疑的だった。ほとんどは、私が1日で挫折すると思っていた。私がどれだけ食べるのが好きかを友人たちは知っていたのだ!

断食の初日はつらかった。食事のたびに、ただ座って、コップの水をすすった。とても空腹だったため、日中は集中するのが難しかった。夕食時には、お腹がペコペコになっていた。友人たちがフルコースの食事をむしゃむしゃ食べているのを見るのは拷問だった!

2日目には、私のおなかは朝食と昼食と夕食の時間にグーグー鳴った。「これは興味深い!」と思った。私のおなかは、午前7時30分、正午12時、午後6時に食べると予想していた。胃に何も食べ物が入ってこないと、胃は不満を言い出す!

3日目は最初の2日間よりも楽だった。私のおなかは、食事の時間に食べ物が何も入ってこないということを理解して、もうグーグー言わなくなった。食べていなくても、いつも通りに勉強や仕事ができた。

4日目はやや現実離れした感じがした。軽やかで、頭がさえ、集中力があるように感じた。私は友人たちが山盛りの食べ物をガツガツ食べるのを見ていた。それでも、飢えを感じず、食べることに全く興味が向かなかった。不思議だ!

私はこの実験を4日目の夕食で終えた。友人たちは、この大きな出来事を見ようと周りに集まった。断食を終えるために、私は1杯のスープを選んだ。スープを口元に持ち上げた。それはとても劇的な瞬間だった―4日ぶりの食べ物だ!

最初の1さじが口の中ではじけた。ものすごくおいしかった! この味を丸々2分間味わった。そのスープは一年中食べているのと同じスープだった。しかし、以前はその味をじっくりと本当に味わったことはなかった。その場ですぐに、これからは全ての食べ物の価値を認め、一口ごとの食べ物に感謝しようと誓った。

私はそれ以来、ときどき断食をしているが、今でもあの最初の一さじのスープを思い出す。時には、後から食べ物の真価をもっと理解できるようになるために、食べ物をとらずに過ごしてみるのも良いことだ!

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