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2018年4月13日号掲載の記事(ST編集部訳) print 印刷用に全て表示
Essay

Home remedies (p. 9)

家庭療法

ヘアドライヤーの使い方として私が思い浮かべられるものの中に、かゆみを和らげるというのは絶対に出てこなかった。

驚くべきことに、効果があった。

自然の中を歩いていたときに私は蚊に刺され、それを見た同僚が「かゆくなったら、ドライヤーの熱風を当てるといいよ」と言った。

彼は幼い頃からそうしていて、そのアドバイスは祖母からのものだという。

虫刺されがかゆくなったとき、私は疑念を抑えて、彼が勧めてくれたことをしてみた。少しばかみたいな感じがしたが、20秒くらい虫刺されに熱風を当ててみた。

効果があった。かゆみがなくなった。

とても興味をそそられ、周りの人に聞いて回った。この斬新な療法を聞いたことがある友人は少しいたが、なぜ効果があるのかを知っている人は誰もいなかった。みんな、親や祖父母からこのアドバイスを聞いたという。

さまざまな不調についてほかの家庭療法を教え始めた友人もいた。咳が止まらない? この療法を試してみて:オレンジを塩水に浸し、頂部を切り落とす。ボウルに入れて、蒸す。それから、オレンジを食べて、ボウルにたまった汁を飲む。喉が痛い? それなら塩水でうがいをするといい。歯が痛い? それなら敏感な歯用の歯磨き粉を歯と歯茎にすり込むといい。

友人たちはそれぞれの家庭療法の詳細を説明するとき、具合の悪いときに祖父母や親がどんなふうに世話をしてくれたのか、その思い出も共有してくれた。多くの家庭療法が代々受け継がれているので、誰も療法がどのように効くのか(あるいはなぜ効かないのか)を知らなくても、律儀に教わった通りにする。

私たちはなぜ、理解できないかもしれない療法にこだわるのか? 特に、近代科学においてこれほど多くの発展がある時代に、こうした「自然の」療法に頼るのは奇妙にも思えるかもしれない。結局のところ、私たちは医師や歯医者の診察を受けることもできるし、単に薬局に寄ることだってできる。

それでも、家庭療法が効くなら、試してみてはいいのでは? もしかすると、本当は家庭療法にも科学的な基礎があるのかもしれない。ただのプラシーボ効果かもしれない。効果があると分かってさえすれば、どのように効くのかを本当に知る必要があるだろうか?

私が喉が痛くなるといつも、母が大麦湯を沸かしてくれたことを思い出し、夫にも同じようにし始めたことが思い浮かんだ。

家庭療法が特別な点は、まさしく、家庭で生まれたということだ。おそらく、こうした療法の良いところは、効くかどうかはそれほど関係なく、家族を結びつける共有された知識や経験だということだろう。最も重要なこととして、こうした家庭療法に必ず含まれている材料が1つある:それは愛だ。

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