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2018年6月15日号掲載の記事(ST編集部訳) print 印刷用に全て表示
Essay

Seeing the same (p. 9)

同じものを見ること

何年も前、私は祖母に女性誌のパズルのコーナーに載っていた「間違い探し」の遊び方を教えようとした。ルールは十分に簡単で明白だと思っていたが、祖母は2つの絵で同じものを指摘し続けた。そのほうが面白いと祖母は認めた。このことは祖母のことをよく表している―祖母は共通点を見つけるほうが好きだった。

世界には我々の違いに焦点を当てるのに時間を使いすぎている人がたくさんいる。こうした違いがいかに悪いかを強調したがる。彼らは人の偏見や恐怖に付け込み、オンラインの世界はこういう人たちに聴衆を見つけやすくしている。こういう人たちは、あなたが特定の文化やジェンダー、民族であるということが、他の人たちを不当に扱う許しをあなたに与えている、といったことを言う。

私は最近、そういう人の1人に気がついた―日本人のユーチューバーだ。彼のことを初めて聞いたのは4月だった。同性愛嫌いの彼の見方を紹介する自作の動画がインターネットで広まっていた。今度は5月に、日本にいる黒人に対する彼の人種差別的な見方を表した別の動画がはやった。彼は定期的に、同性愛嫌いや、人種差別、女性嫌いの、誤解に基づいた彼の見方を紹介する動画を作っていて、彼に同意する人がどれだけいるのだろうかと私は心配になった。彼は、扇情的で目を引くタイトルをつけて、英語で動画を録画している。このことから、彼は英語のほうがより幅広い聴衆に届けることができるのがわかっているということが示唆されるように思う。もしかしたら、こうすれば彼の動画の視聴回数の増加を助け、次いで収入の増加につながるのかもしれない。

ライターのBaye McNeilさんがこのユーチューバーの黒人に対する見解を、ジャパンタイムズの記事で取り上げた。私は、このユーチューバーの動画にアクセスを送り込むことは、彼が欲しがっているもの―すなわち、悪評―を彼に与えているだけだというMcNeilさんと完全に同意見だった。彼は、あなたがクリックしたり、視聴したりするに値しない。

もっといい視聴に役立ちうるものは、数年前に出た動画だ。タイトルは『Love Has No Labels(愛にラベルはない)』というもので、アメリカの非営利団体である広告協議会が作った公共広告だった。この広告は多くの賞を、よい理由で、獲得した。この動画にははるかに前向きで、包摂的なメッセージがあるので、私はこれを見ることを心からお薦めしたい。

この動画は、友人たち、カップル、家族が、「X線」のスクリーン越しに踊ったり、抱き合ったりして、愛情と友情を祝福する様子を映し出している。顔や身体を映すのではなく、スクリーンには骨格が映し出される。彼らがスクリーンの後ろから出てくると、聴衆は、異なる年齢、能力、宗教、民族、ジェンダーの人たちの間の愛情や友情を目にすることになる。この映像は、これらすべてのことの下にはどれだけ何も違いがないかということを示している―私たちはみな、人間なのだ。

たぶん、それは祖母が私に伝えていたことだろう―違いを見つけるのは簡単だが、やりがいや満足感は、何が同じかを見ることから得られるのだと。

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