週刊STに過去に掲載された「Newsmakers」です。著名人の発言に日本語訳を付けて紹介しています。
カナダ人のジョニ・ミッチェル(63)は5年ぶりにニューアルバム"Shine"で復帰した。音楽業界に嫌気がさし、2002年に引退表明したミッチェルは、絵を描いたり、古い映画やテレビを見たり、音楽とは無縁の生活を送っていたという。AP通信とのインタビューで、最初に音楽の世界に入ったきっかけについて——。
"I was a painter first, but I got waylaid by the music . first as a hobby to make my smokes at art school."
(もとは画家だったの。それが、思わぬ形で音楽のとりこになってしまって。初めは美術学校でたばこ代を稼ぐ趣味程度のものだったのよ)
70年代には音楽で一気に成功を収めたが、1998年に"Taming the Tiger"を出したころには心境が変わっていた。
"I had gotten to hate music. I didn't listen to the radio. ... I couldn't remember what I ever liked about it."
(音楽が大嫌いになっていたわ。ラジオも聴かなかった。音楽の何が好きだったのか、思い出すことすらできなかった)
2005年、スターバックスの"Artist's Choice"というシリーズで、自分に影響を与えた曲のコンピレーションを作る話が来たのを機に、ミッチェルはまた音楽を聴き始めた。そして同年夏のある日、「音楽の女神」(muse)が再び降りてきた、という。
"That evening, I went in and played this piece of music (on the piano). ... There was such a sense of well-being and gratitude."
(その晩、家に帰って[ピアノで]一曲演奏したの。幸福と感謝の気持ちでいっぱいだったわ)