週刊STに過去に掲載された「Newsmakers」です。著名人の発言に日本語訳を付けて紹介しています。
アメリカは現在、初の黒人大統領誕生の可能性に沸いているが、1993年に黒人女性初のノーベル賞を受賞した米作家でプリンストン大学講師のトニ・モリソン(77)によれば、アメリカの黒人の大学生たちは、人種問題への関心が薄いという。成功した黒人23人をインタビューしたドキュメンタリー番組で——。
"In racial division, they are not interested. They are sort of bored with it. They don't want to talk about it."
(学生たちは人種の分裂に興味がありません。彼らはそれに飽きているようです。その問題を話したがりません)
一方で、公民権運動を戦った年配の黒人の中には、時代の変化を受け入れられない人もいると語って..。
"(The older generation) are sometimes reluctant to see what they worked for come to fruition, which is a nonracist society . because they really want that to happen . but it is very difficult to give up on."
(年配の人たちは、自分たちが作ろうと努力してきた人種差別のない社会が実現しつつあるのに、それを直視したがらないことがあります。そういう社会を心から望んでいるのに、努力をやめることがとても難しいのです)
さらに、オバマ候補が黒人であることにこだわるのは、目くらましにしかならないと言って——。
"It is like Othello, everybody focuses on the fact that Othello is black, it is the least important thing about him. Who wants to talk about issues when you can talk about 'Oh, he's black!'"
([シェークスピアの]オセロみたいなもので、皆オセロが黒人だということにこだわるけど、それは彼について最もどうでもいいことなんです。「彼は黒人だ!」って話をしていればいいなら、ほかの政治問題なんか誰も話題にしたくならないでしょう)