週刊STに過去に掲載された「Newsmakers」です。著名人の発言に日本語訳を付けて紹介しています。
9月に行なわれたワシントン・ナショナル・オペラの『トスカ』の公演について、ワシントンポスト紙の音楽評論家アン・ミジェット氏が、"All theperformances were hampered,indeed sabotaged, by the conducting." (全公演は、指揮によって妨げられ、破壊された)と、指揮者を務めたスペインのオペラ歌手プラシド・ドミンゴ(70)を痛烈に批判する記事を書いた。1日、ドミンゴはその記事に対する反論を同紙に寄せて——。
"In more than 50 years of my career as a singer and nearly 40 as a conductor, I have accepted critics' reviews, positive or negative. But for the first time in my life, I am sending a letter to the editor of a newspaper, because your music critic Anne Midgette has crossed the line between reasonably objective criticism and what appears to be open animosity."
(歌手歴50年以上、指揮者歴約40年というキャリアの中で、私は批評家による好評も悪評も受け入れてきました。しかし、今回、人生で初めて新聞の編集者に手紙を送ります。貴紙の音楽評論家アン・ミジェット氏が理にかなった客観的な批判とあからさまな悪意との境界線を越えたからです)
"An act of sabotage is a destructive act done on purpose. Her remark suggests not only that I 'spoiled' the performances but that I did so intentionally. This is unconscionable."
(サボタージュとは意図的な破壊行為のことです。彼女の批評は、私が公演を台無しにしただけでなく、それが故意にであったことを示しています。とんでもないことです)