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動画講座「ボキャビル・カレッジ」では、毎週1つ重要ボキャブラリーが身につきます。

■ 意味の暗記は「ゴール」ではない

読者の皆さんは、どのような方法でボキャブラリーの学習をしていますか?ひょっとしたら、単語帳にマーカーで線を引いたり、リング付きの暗記カードなどを使用して、英単語の日本語訳を覚える学習をしている方もいるかもしれませんね。残念ながら、これでは成果は上がりません。というのも、こうした学習法では単語の「意味」を覚えることしかできないからです。もちろん意味を覚えること自体は大切ですが、意味の暗記を「ゴール」にしてしまうのは問題ありです。

■ アウトプットで使える覚え方を

例えばreferendumという単語があります。これは「国民投票、住民投票」という意味ですが、「referendum=国民投票」とだけ覚えるとしたら、これは果たしてコミュニケーションで使える知識でしょうか?「referendumの意味を書きなさい」という単語テストには合格できるかもしれませんが、これだけでは実際の会話でこの語を使いこなすことができません。そもそも、われわれが単語を覚えるのは、英語を理解するためだけではありません。その単語を自分でも使えるようにして自身の表現力を高めるというのも、ボキャブラリー学習の大切な目的の一つです。だから、単語の意味だけ覚える学習法では不十分なのです。

改めてreferendumを例にとってみましょう。「国民投票を実施する」ならhold / conduct a referendumだし、「国民投票によって承認される」ならbe approved by referendumと表現します。せっかく意味を覚えるなら、もう一歩進めて、こうした代表的な「使い方」まで含めて頭に入れるようにしましょう。こうすることで、その単語を自分でも使えるようになっていくのです。

知識を覚えることを「インプット」、それを実際に使うことを「アウトプット」といいますが、単語をインプットする際には、アウトプットで使える状態でインプットするというのが、賢い覚え方ですよ。

■ 「目」以外も活用すべし

ボキャブラリーの学習において、「単語がなかなか覚えられない」、「覚えてもすぐに忘れてしまう」という人は多いと思います。まず、覚えられない原因の多くは、文脈と単語を切り離しているからではないでしょうか。「referendum=国民投票」という字面だけで暗記しようとしても、頭に入ってくるはずがありません。必ず文章の形で覚えるようにしましょう。単語とは文章の中に置いて、初めて意味を成すもの。文章から切り離した単語は、意味のない単なる「記号」に過ぎません。これでは覚えられないのは当然です。

また、すぐに忘れてしまうという方は、その単語を「目で見た」だけで覚えたつもりになっていませんか?視覚情報だけでは、なかなか単語は頭に定着しませんよ。

そこで、私がお薦めする方法は22つ。まずは、その単語が使われた文を何度も音読すること。2つ目は、その英文をネイティブスピーカーが朗読した音声を何度も聞くこと。このように「目」だけでなく、「口(音読)」「耳(リスニング)」も活用しないと、単語は定着しません。じっと単語帳とにらめっこするだけの学習法では、効果が出ないですよ。

以上を考えると、単語を覚える際に使用する教材は、音声付の英文が載っているものがよいでしょう。

■ 単語の暗記を助けてくれる知識

sharpen / lighten / strengthen。この3つの単語の意味をご存じですか?左から「鋭くする」「照らす」「強化する」という意味です。既にお気付きかと思いますが、全て語尾が-en で終わっていますね。実は-en は、ある単語を動詞にする働きを持つ「パーツ」なのです(漢字の部首のようなものと言えば分かりやすいでしょうか)。sharpen は< sharp( 鋭い)+ -en >、lighten は< light( 明かり)+ -en >、strengthen は< strength(力)+ -en >という成り立ちから、それぞれ上記のような意味になります。こうした知識があれば、暗記の負担をかなり軽減することができるので、お薦めですよ。

もう1つ例を挙げましょう。inspect / retrospect / spectator という単語があります。それぞれspect という部分が共通していますね。spect は「見る」という意味を表すパーツです。よって、inspect は「中(in)を見る」から「〜を調査する」、retrospect は「昔(retro)を見る」から「回想する」、spectatorは「見る人」から「観客」と、全て「見る」に関係した意味を表します。

これらのパーツの知識については、辞書に説明が載っていることが多いので、辞書を調べる際には、こうした情報もチェックしてみましょう。この手の知識を身につけていけば、単語を覚えるのが相当楽になりますよ。

他にも、暗記の負担を軽減するものとしては、「派生語」の知識が挙げられます。派生語とは、ある単語の名詞形や動詞形など、関連する語のことです。例えば、intense(強烈な)という語があります。これの派生語には、intensely / intensity / intensify があります。それぞれ順番に「強烈に(副詞)」、「強烈さ(名詞)」、「強める(動詞)」という意味ですが、実はある程度英語に慣れた人なら、語尾を見ただけでそれぞれの語の品詞が分かります。-ly は副詞を、-ity は名詞を、-ify は動詞を作る典型的な語尾だからです。こうした知識があれば、たとえintense しか知らなくても、他の語は「intense の副詞形/名詞形/動詞形だな」と考えれば、頭にスッと入ってきます(逆に言えば、この知識がないと、これらを一つ一つバラバラに覚えることになるので非効率的です)。「パーツ」や「派生語」の知識を駆使して、効率良く単語を覚えるようにしましょう。

最後に、私がYouTube 上で公開している英語ボキャブラリー動画講座「ボキャビル・カレッジ」をご紹介します。これは、ST最新号の中から毎週重要なボキャブラリーを1つ取り上げて解説する講座です。「ふるさと納税」「生前退位」などの時事用語を英語にしたり、英語の新語を紹介するコーナーもあります。ぜひ皆様のボキャブラリー学習にお役立てください(「ボキャビル・カレッジ」で検索)。



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