「TOEICの伝道師」として知られる千田潤一先生。実は、長年にわたるSTの愛読者で、企業研修などでSTを使ったトレーニングを取り入れているそうです。そんな千田先生に、STを続けるコツや、STを使った英語トレーニング法を教えていただきました。
STとの出合いは大学時代。「Student Times」と呼ばれていた頃です。レシテーション(暗唱)コンテストに応募したのがきっかけでした。学生時代に出合ったことは大きかったです。僕はESSに入っていたので、ディベートの材料として「The Japan Times」などの英字新聞を読んでいましたが、STを手にしてほっとしました。「これで辞書を引く回数が減る!」と思って。
自分で辞書を引いて訳したものより、プロの訳や語注の方が正確でしょ?苦労して間違った訳をするより、はるかに楽で効率的。時間の節約になるから、量もずっと多くこなせる。僕はいつも「辞書を引くのは悪いこと、訳を見るのはいいこと」とアドバイスしています。「辞書はボロボロになるまで引け!」という先生もいますが、その前に心がボロボロになった人たちをたくさん見てきたからです。
僕はクロスワードパズルの大ファンです。STのクロスワードは、日本の英語学習者に最適のレベルです。実はこれ、語彙を増やすトレーニングになるだけでなく、英語の定義を英語で考える "Think in English" のトレーニングにもなります。
辞書を引きながらのんびり…ではなく、スピード勝負で時間を計りながら解いていきます。できないところがあっても気にしない。来週号の解答を楽しみに待てばいいんです。時間を計って自分と競争をする。スピードを上げると集中力も高まるし、ゲーム感覚でも楽しめる。解ける時間が早くなるのが見えると、自分の成長が見えて励みになります。
実はネイティブも、クロスワードで語彙力を強化しています。経営者もよくやっています。英語では、一つの言い方しかできないとレベルが低いと見られる傾向があります。だから、いろんな言い回しができるように語彙を増やす努力をしています。タイムに勤めていたときの親友のアメリカ人編集者も、よくクロスワードパズルで語彙力を強化していました。