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生沢浩の体育会式英語塾特別編

英語塾夏合宿 〜英文法を制覇しろ〜

By Hiroshi Ikezawa / 生沢 浩

 
夏休みといえば、海だ!山だ!!夏合宿だぁ?!というわけで体育会式英語塾では夏休みを利用して集中講座を開催します。夏合宿は体育会の選手にとっては技術向上に最適の場。英語塾でもこれを機会にじっくりと英語と向き合いましょう。 ここでは普段のカリキュラムであまり詳しくは扱えない英文法を取り上げます。文法は苦手、という人はぜひ夏合宿に参加してください。
本編の『生沢浩の体育会式英語塾』はこちら
 Hiroshi Ikezawa / 生沢 浩

Vol. 2 : 『英文法の王道:基本5文型』

 暑い日が続きますね。なんだか天気も不安定で毎日のように雷がゴロゴロ。先日は楽しみにしていた地元の花火大会が大雨で中止になり、ちょっとヘコんでいる生沢です。

 過ぎたことを悔やんでいても仕方がないので、夏合宿の第2回目をさっそく始めましょう。今回と次回は2度にわたって英語の基本5文型を扱います。

 英文法で難関とされる仮定法と現在完了が飛車角ならば基本5文型はまさに王将。英文法の王道です。

 おっと、「文法」と聞いて読み飛ばそうとしたあなた。ちょっとお待ちを。5文型はいかにも文法チックで苦手意識が持ち上がってきてしまうのはわかります。でも、5文型をきちんと理解しておけば、正確な文章読解をすることができます。学校での授業のみならず、TOEICや大学受験でも英文読解は重要な分野です。英文の説明書や小説を読んで内容を正しく理解するためにも読解力は欠かせません。それを支えるのが基本5文型なのです。

 嫌なことを避けて通るという消極的な態度は体育会英語塾では許されません。読み飛ばすなら最後まで読んでからにしてください。

 今回は基本5文型とはどんなものかを紹介し、次回はその中でも文章読解に最も重要なIVとVについて解説します。

 まず、この文を読んでみてください。

We have to go to that cherry-blossom viewing I told you about last week.

 これは英語塾の記念すべき第1回目のカリキュラムの中の1文です。この文章の解説で僕は「I told you about last weekの部分を『先週について君に話した』と解釈してはいけない」と解説しました。そして、それはcherry-blossom viewingとIの間に関係代名詞が省略されているからだと説明しています。では、なぜ省略されている関係代名詞の存在に気づいたのでしょうか。

 それは上の文が基本5文型の形を成していないからです。もっと詳しく言うと、cherry-blossom viewingという名詞句(単語1語ではないので「句」といいます)とIという代名詞が連続しているからです。英語では名詞(名詞句、代名詞を含む)がふたつ以上連続する文章は「原則的に異常」なのです。

 もちろん、単語を並列する言い方がないわけではありません。baseballとplayerを並列すれば、baseball player(野球選手)という名詞になります。また、 Japan manager, Senichi Hoshino とふたつの名詞を
「,(カンマ)」で並べればこれは「同列」という用法になり、「日本の(野球オリンピック代表)監督である星野仙一」という意味になります。

 でも、英語では名詞がふたつ続くことはむしろまれなケースなのです。例えば、You he are my friends.という英語を見たことがありますか?ないですよね。これは間違った文だからです。Youとheの間にはandという接続詞が必要です。名詞がふたつ続くことは「原則的に異常」だということがこれでわかると思います。

 実際に名詞が連続で使われている文章に出くわしたとき、僕はいくつかの可能性を考えます。ひとつは上の例のように関係代名詞が省略されている形、もうひとつは基本5文型の第IVまたはV文型(後述)のパターンです。そこまで気がつけば、前後の文脈、文章の中で使われている動詞などをヒントに正しく読解することができるのです。そして、その理解を助けてくれるのが基本5文型の知識なのです。

 それでは具体的に基本5文型を見ていきましょう。

第I文型 主語+動詞(自動詞)

 英文の中で最もシンプルな形です。主語と動詞だけで意味が通じてしまうものがこれになります。文法的に説明するならば、「主語と自動詞で成り立つ文章」です。自動詞といわれてもなんだかわかりませんね。簡単に言ってしまえば、その単語だけで動作がわかってしまう動詞のことです。例えばsing、 dream、stay、 liveなどがそうです。be動詞も自動詞に含まれます。

 Singにはもともと「歌を歌う」という意味があるのでI sing.だけで十分に意味が通じます。

 動詞にはもうひとつ他動詞というものがあります。文法的には「目的語」をとる動詞と説明されます。わかりやすく言えば、その動詞だけでは何をしたかわからない言葉です。「なにを?」とつい突っ込みたくなる動詞が他動詞です。例えば、eatという単語があります。「食べる」といきなり言われても、何を食べたのかわかりません。魚なのか肉なのか、ご飯なのかパンなのか。このように他の言葉を補わないと意味が正しく通じない言葉が他動詞です。

 自動詞とか他動詞とか文法用語が出てきましたが、どの動詞がどちらに分類されるのかを覚えることはそれほど重要ではありません。両方の用法を持つ動詞も多いし、辞書を見ればすむことだからです。ここでは、動詞の種類はそれほど気にせず、どんな文型のパターンがあるかだけを覚えましょう。

第II文型 主語+動詞(自動詞)+補語

 自動詞の中にもそれだけでは動作が完全にはわからないものもあります。その場合にはそれを補う言葉が必要です。これを補語といいますが、補語を必要とする文を第II文型と読んでいます。

 I am a student.という文章はIとamだけでは不完全で、a studentという単語(補語)を補って初めて意味を成します。これが第II文型です。

 この文型では他にbecome、 go、 sitなどといった動詞がよく使われます。これらの動詞には「何に」、「どこに」、「どのように」といった意味の単語を補う必要がありますね。これが補語の役割です。そして、補語になる単語は名詞、代名詞、形容詞、副詞などです。動詞は補語にはなれないことに注意しましょう。

第III文型 主語+動詞(他動詞)+目的語

 いよいよ他動詞の登場です。他動詞は「何を」を補う必要にある動詞で、「何を」にあたる部分を目的語と呼びます。

 I like watching the Olympic Games.という文章は第III文型です。likeの目的語にあたるのがwatching(watchという動詞がing形で名詞的に使われている)です。最も一般的に目にする英文だといっていいでしょう。

第IV文型 主語+動詞(他動詞)+(間接)目的語+(直接)目的語

 基本的に「○○を××に〜する」という意味になるのがこの文型です。難しく思われますが、実はそれほどでもありません。この文型をとる動詞はそれほど多くないからです。詳しい説明は次回にします。典型的な例文はこれです。

I will give you this book. 

 動詞giveに対してyouとthis bookという名詞(句)がふたつ続いています。これは第IV文型と呼ばれる、基本5文型の中でもやや特殊で難しいものです。ふたつ名詞が続く文章は「原則として異常」なのでしたね。giveという動詞が使われていること、名詞がふたつ続いていることで「これはもしや第IV文型では?」を気づくようになればしめたものです。

 この文章の意味は「私(主語)はあなたに本をあげます」ですね。「あげる」という動詞にたいして「何を」にあたるのが「本」です。これを直接目的語といいます。また、「何に(誰に)」あたる部分を間接目的語と呼びます。

第V文型 主語+動詞(他動詞)+目的語+補語

 文章読解で最も間違いを起こしやすいのがこの文型の文章です。次回にじっくりと解説しましょう。

 主語+動詞(他動詞)+目的語までは第III文型と同じパターンです。でも、目的語だけでは意味がはっきりしない場合、補語を補う必要が出てきます。これが第V文型です。

 例文を挙げましょう。

I call Robert "Bobby." (私はロバートをボビーと呼びます)

 I (主語)+call(動詞)+Robert(目的語)だけでは上の意味の文章にはなりません(このままでは「ロバートに電話する」という意味です)。補語``Bobby''を補うことで初めて上の日本語の意味になります。ちなみに、BobbyとはRobertという名前の人に多くつけられるニックネームです。

 今回はまさに文法の話だったので、難しかったと思います。大事なことは文法用語を覚えることではありません。英文には5パターンあるのだということをよく覚えてください。基本5文型から学んでほしいことは、1)正式な文章には必ず動詞があるということ。2)主語+動詞というパターンはすべての5文型にあてはまること(主語を省略する命令文は例外です)。3)ひとつの文章に主語、動詞、補語はそれぞれひとつしか含まれないことなどです(ふたつ以上含む場合には必ずandなどの接続詞が必要なのです)。これらは正しく英文を読解する上でとても大きなヒントになります。それを次回の英語塾夏合宿編Bで解説します。

筆者へのコメント、感想、また今後取り上げてもらいたい題材などございましたら、こちらからお寄せください

 
 
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