「ST」は紙名を新たに「Alpha」として2018年6月29日より新創刊しました。 Alphaのウェブサイトはこちら
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人生を変える! 留学特集2017秋



東洋英和女学院大学の高橋基治教授に聞く

英語と異文化の力が
留学を成功に導く

高橋 基治(たかはし もとはる):東洋英和女学院大学国際社会学部国際社会学科教授。国際連合公用英語検定試験アドバイザー。『マンガでおさらい中学英語』(KADOKAWA)など著書多数。

短期の語学研修から長期の交換留学まで、多彩な留学の機会を備えている東洋英和女学院大学。卒業生の多くは大手有名企業に就職するなど、海外での経験を仕事に生かしている。留学準備の英語講座を指導する高橋基治教授に、渡航前の心構えと留学を成功させる秘訣について伺った。

――海外生活で通用する英語を実践的に指導

 「本学では、アメリカ・カナダ・オーストラリアなどさまざまな国に留学する機会が開かれていますが、ただ漫然と海外に向かうのではなく、自分なりのテーマを見つけ、異文化への適応力をつけてきてほしいと思います」と、東洋英和女学院大学の高橋基治教授。同大には、全学科を対象とした短期の海外英語実習、長期の協定校留学(交換留学)・推薦校留学(私費留学)、学科ごとの実地研修・文化研修などがあり、どの学生にも在学中に留学を経験するチャンスがある。

 短期の海外英語実習は1年生から参加可能で、ホームステイや現地の大学寮での生活などが体験できる。学科別の短期研修では、幼稚園やデイケアセンターなど現地施設の訪問・視察も含まれる。長期の場合も留学期間が在学期間に含まれるため、4年間での卒業が可能だ。協定校留学であれば、留学先の学費は免除される。「留学を経験した学生は、英語力が伸びるというだけでなく、精神的にたくましくなって帰ってきますね」。

 高橋教授が指導する留学準備の英語講座では、現地で通用するコミュニケーション・ストラテジー、英語のサバイバル・スキルを習得すると同時に、異文化の問題についても学び、留学先で自分の目的に合った活動をするための力を養っている。

 「英語に関しては、学生の多くは、これまで英語に触れてきた時間数が圧倒的に不足していると言えます。私は常に "自分の半径1メートル以内で、英語に触れられるようにしておくこと" と言っているのですが、電車に乗っているときに目に映った光景を頭の中で英語にしてみたり、コーヒーを飲みながら "コーヒーを入れる" って英語でなんていうんだろう、とインターネットで検索してみたり、普段の生活の中に英語を取り入れる仕組みづくりをすることが大切です」。

 また、海外の大学で教師や他の学生と会話をするために必要なスキルも、実践的に教えている。「多くの日本人は、相手の I play tennis. という発言を受けて、 "私も" と言うときに Me, too. と言ってしまうのですが、大人が頻繁に使うのは避けた方がよい。これは英語圏の子どもが主に使う言い方です。大学生として話す際には、 So do I. という言い方の方が適切です。こういったことに注意するだけで、相手に与える印象が大分違ってきます」。

高橋教授が指導するクラスで、現地で通用するコミュニケーション・ストラテジーや異文化の問題などについて学ぶ学生たち。

――現地の文化を学ぶことも

 最近は日本を訪れる外国人観光客が増え、日本文化への関心も高まっている。高橋教授は、日本の文化・習慣や自分の生活について英語で話すためのスキルの習得も、授業に取り入れている。「例えば、ワカメのような海草には、英語では seaweed(海の雑草)という訳語が与えられていますが、ワカメを食べたことがない外国人は、 seaweed と言われてもピンと来ない。むしろ、 sea vegetable(海の野菜)と言った方が分かりやすいでしょう。外国人と英語で話をするには、こういった感覚を養うことも大切です」。

 また、海外の国の多くは日本よりも多様な民族・文化を持っていることから、授業で差別問題に関するビデオを見せるなどして、学生の意識の変化を促すことも多い。「アメリカのテレビ番組の実験で、パン屋の店員がイスラム教徒の客だけにパンを売るのを拒否したら、周囲の客はどう反応するか、隠しカメラで観察するというものがあるんです。大抵の客は見て見ぬ振りをしていて、ごく一部の勇気ある人だけが、店員に抗議します。もし自分がその場に居合わせたらどうするか、または自分が差別される側だったらどうするか、といったことを考えてみるのも、異文化を学ぶためのよい機会となります」。

 最近では、留学中の生活がそのまま動画で見られるようになった。授業でそれらを紹介することもあり、学生たちは、行き先国の様子をよりリアルに把握できるようになっている。高橋教授自身、かつて外資系航空会社に勤務したり、アメリカで留学生活を送っていたりした経験があり、その経験から語られるエピソードも、学生たちのモチベーションを大いに高めているようだ。

――航空業界への高い就職実績?学んだことが仕事に直結

 東洋英和女学院大学は航空業界への就職実績が高いことで定評があり、キャビンアテンダントを目指す学生も多く、留学して得られる経験が仕事に直結する可能性は大きい。また、たとえ短期間でも学生のうちに海外で生活した経験は、あらゆる業種の仕事で役立つはずだ。「海外では、一つの街の中にいてもさまざまな民族、バックグラウンドの人に出会う機会があります。人を外見だけで判断しない、偏見を持たない、初めてのことに遭遇しても慌てず柔軟性を持って対応する。こういった社会人に欠かせないスキルが、留学することによって身につくのです」。

 今の日本の学生生活は、常に学校や家庭に守られた安全なものであり、「言葉が通じない」「誰に助けてもらえばいいか分からない」といったことは、まず起こらない。しかしながら英語力と異文化コミュニケーション能力を鍛え、海外でそういった状況に陥ったときに対応することができるよう準備しておくことが、留学を成功させる一番の秘訣だと、高橋教授は語る。「いったんマインドをリセットして、日本の平穏な日常と異なる、海外でのサバイバル環境に立ち向かうための力をつけます。外国の街で道に迷い、苦労しながら英語で道を尋ね、どうにか目的の場所にたどり着くことができたというだけで、その先成長するための大きな糧となるのです」。



オープンキャンパス日程

2017年11月19日(日)

2018年3月18日(日)



■ 問い合わせ先

東洋英和女学院大学
所在地〒226-0015 神奈川県横浜市緑区三保町32
URLhttp://www.toyoeiwa.ac.jp
電話番号045-922-5511(代)


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