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ロング・グッドナイト

By Raymond Brown / レイモンド ブラウン

「The Long Goodnight」は連載ミステリー小説です。たまたまこのホテルに泊まることになった主人公が巻き込まれていくスリリングなストーリーをお楽しみください。日本語訳つき。

Vol. 27 : CHAPTER 27

Paul: I suppose I'm going to have to listen to your story now.

Bob: Bitter, aren't we?

Paul: I try.

Bob: Well, I'm nobody.

Paul: That's my job tonight. I won't be plagiarized.

Bob: No really, I am. I've worked for Mr. V for years now. Did his every bidding, stood by his side through the good, the bad, and the frankly quite ugly, even gave him a kidney after that nasty incident with the gnu. And did I ever get a word of thanks, a simple, "You did good, Bob"? I. Think. Not. Couldn't even remember my sodding name. Mind if I smoke? So, slaving not being my cup of champagne oolong, I wanted out, and it was round that time I heard about the money.

Paul: Is it even here?

Bob: Have some of it. You're entitled.

Paul: What?

Bob: You're the one who found it for me. When you first turned up, I tried to scare you off, and you knocked the moose head off the wall. The money was in it. Even Mr. V didn't know. Mrs. P made a canape of Bertha's brains before she even had a chance to tell him.

Paul: I can't take this. This is a lot of money.

Bob: Think nothing of it. Anyway, got to dash.

Paul: Er, thanks then. See you round.

Bob: I doubt it. And don't bother telling anyone about me.

Paul: Who'd believe me anyway?

Bob: Night then.

Paul: Goodnight.


(The End)



ポール:今度はあんたの話を聞かされる番か。

ボブ:トゲのある言い方するじゃねえか。

ポ:トゲに気づいてくれたんだね。

ボ:あのな、おれは取るに足りない存在なんだ。

ポ:僕のせりふを取るなよ、ドロボー。

ボ:いや、マジで。おれはミスターVの下で何年も働いてた。言うがままになり、いいときも悪いときも、最悪なときも仕えてきた。あいつがヌーにやられたときなんか腎臓まで提供してやったのに、感謝のカの字もありゃしねえ。「よくやった、ボブ」の一言さえなし。ま・る・で・な・し。名前さえ覚えてもらえねえ。タバコ吸ってもいいか? とにかく、奴隷として働くってのは好みじゃねえから、足を洗おうと思ってたら、ちょうど金の話を小耳にはさんだんだ。

ポ:そもそも、その金ってここにあるのかい?

ボ:少しやるよ。あんたにゃ資格が大ありだ。

ポ:はあ?

ボ:あんたが見つけてくれたんだから。最初にあんたがやって来たとき、おれは怖がらせて追っ払おうとした。そのときあんた、はずみで壁のヘラジカの頭を叩き落したろ。金はそこにあったのさ。ミスターVさえ知らないことだ。バーサが場所を教えるより前に、ミセスPがあの子の脳天をかちわっちまったから。

ポ:もらえないよ、こんな大金。

ボ:気にするなって。おっ、もう行かなきゃ。

ポ:えっと、それじゃ、ありがとう。またいずれ。

ボ:またはないと思うぜ。それから、おれのことは誰にも言わなくていいからな。

ポ:言ったって誰も信じてくれないしね。

ボ:じゃ、お休み。

ポ:お休み。


(完)

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