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ロング・グッドナイト

By Raymond Brown / レイモンド ブラウン

「The Long Goodnight」は連載ミステリー小説です。たまたまこのホテルに泊まることになった主人公が巻き込まれていくスリリングなストーリーをお楽しみください。日本語訳つき。

Vol. 22 : CHAPTER 22

Vanessa: How is this possible? You're dead.

Mr. Vernon: That's no way to greet your long-lost father.

Vanessa: But ...

Mr. Vernon: It's a long story, my love.

Paul: I hate to interrupt, but there's a killer dwarf outside ...

Mr. Vernon: He's taken care of, Mr. Petersen. It was Neville, Norbert's old flame. Or should I say Mr. Pomfrey's. Poor Neville, Edith's kept him down there for years. All he had to amuse himself was that big wheel. No wonder he'd become a touch feral. No wonder too that he wanted to kill her. You know, she fed him on muffins shaped like his lover's head.

Paul: They were for him?

Mr. Vernon: Why else would she bake so many? You don't think it's for the guests? Guests, what an idea ...

Aspidistra: What happened to Norbert?

Mr. Vernon: Oh, he's upstairs, in the corridor, between the Chinese doll and that big wax pineapple.

Paul: The stuffed bear?

Mr. Vernon: Edith had such talent as a taxidermist. Watching her was like watching Mozart compose a string quintet.

Vanessa: Why are you alive?

Mr. Vernon: Ah that, well, I should explain. Please, sit. Coffee? Yukon Blend, I hope you don't mind. I was pressed for time. Brioche? Good, now we're settled, I will explain.

Raymond Brown is a freelance writer from the U.K., currently living in downtown Tokyo, where he pursues his passion for bonsai.



バネッサ:そんな。パパは死んだはずよ。

ミスター・バーノン:長い間行方不明になっていた父親に対してそんな歓迎はないだろう。

バネッサ:だって…。

父:紆余曲折があってね。

ポール:お取り込み中すみませんが、外に小人の殺人鬼がいるんですがね…。

父:心配いりませんよ、ピーターセンさん。あれはネビルです。ノーバートが昔、熱を上げていた男ですよ。いや、ノーバートとはミスター・ポンフリーのことです。かわいそうに、ネビルはイーデスに何年もの間、地下に閉じ込められていました。退屈しのぎと言ったら、あのハムスター用の巨大車輪ぐらいのもので。あんな状況ではちょっぴり凶暴になっても無理はない。夫人を殺したいと思うのも理の当然。恋人の頭の形をしたマフィンを食わされていたんですからね。

ポール:あのマフィンはネビル用だったのか。

父:でなきゃ、あんなにいくつも焼くわけがないでしょう。まさか、お客のためだとでも? 客とはね…。

アスピディストラ:ノーバートはどうしたの?

父:2階の廊下にいるよ。中国人形と、蝋でできた巨大なパイナップルの間に。

ポール:あの剥製の熊がそうなのか?

父:イーデスの剥製技術は素晴らしいからね。その手さばきは、モーツアルトが弦楽五重奏を作曲するのを見ているかのようだった。

バネッサ:それよりどうして生きてるの?

父:そう、説明がいるね。座ってくれ。コーヒーはどうだ? ユーコンブレンドで構わないかな。時間がなくてね。ブリオッシュは? よし、みんな座ったね。では、説明するとしよう。

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