続けて、第2パラグラフ。「5月に地震が四川省(Sichuan Province)を襲った後に」。この後、ネット上を中心にあるうわさが生まれます。link A to Bで「AとBを結び付ける、関連付ける」ということ。図解すると以下のようになります。
linked four of the five "Fuwa" mascots to the disasters that...
A B
つまり「インターネットユーザーたちは、5つあるFuwaマスコットのうちの4つを災害(disasters)と結び付けた」ということ。どんな災害かをthat以下が説明します。「オリンピック準備期間に中国を襲った(災害)」。すなわち中国に起きた災害とマスコット4体には何か関係がある。そんなうわさが生まれたわけです。
続けて、第3パラグラフ。うわさの具体的な中身が示されます。「Fuwaの1つは四川省のシンボルでもあるパンダだ」。続けて「もうひとつ(Another)のFuwaは聖火のように見える」。この後にremindingがありますが、〈remind+人+of 〜〉で「人に〜を思い起こさせる、連想させる」という意味。だから「人々にオリンピック聖火リレーへの抗議を思い起こさせる」となります。
:先生、remindingとing形になってるけど「〜している(ところだ)」って考えると意味が通りませんよね。
よいところに気付きましたね。英文記事にはこうした〜ing形がよく出てきます。
:そうなんです。そのたびに分からなくなるんですよ!
この〜ingは文法用語では「分詞構文」と呼ばれるけど、そんなに難しく考える必要はありません。以下のように覚えておきましょう。
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文末の〜ingにはたいした意味はなし。
andでつないでサクサク読もう。
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結局、この〜ingは前の文に情報を付け足しているだけです。例文で確認してみましょう。
Mr. Johnson won the election, becoming the 15th mayor of the city.(ジョンソン氏は選挙で勝ち、その市の第15代の市長になった)
このように「選挙に勝った」の後に「15代目の市長になった」という情報を付け足すときにbecomingと〜ing形が使われることがあります。難しく考えずandがあると仮定して左から右にサクサク読んでいきましょう。
さて、うわさの中身は分かりましたか?「Fuwaのひとつはパンダ→パンダは四川省のシンボル→四川省といえば大地震→Fuwaの呪い?」「Fuwaのひとつは聖火をモチーフ→聖火といえば聖火リレーへの世界的な抗議活動→Fuwaの呪い?」と、Fuwaと四川省の大地震や聖火リレーへの抗議活動が結び付くため、こうした災難はFuwaの呪いがもたらしたのではないか、といううわさが生まれたわけです。
:なんだか、こじつけっぽいですね。
うわさなんて、そんなもんだよ。では、続けて第4パラグラフ。ここでもうわさの話が続きます。「チベットレイヨウのFuwaはチベットでのデモと結びつく」「ツバメのFuwaはたこ(kite)のように見える。たこは山東省のシンボルであり、山東省では多数の死傷者を出した列車事故が起きた」とある。ちなみにここで出てきたkiteがQ1(1) a toy that you fly in the air on the end of a long stringの答えでした。
さて、ここまで5体のFuwaのうち4体が、なんらかの形で中国に起きた災難と結び付くという話が出てきました。まとめておきましょう。
・パンダのFuwa→パンダは四川省のシンボル→四川省大地震
・聖火のFuwa→世界中で起きた聖火リレーへの抗議活動
・チベットレイヨウのFuwa→チベットでのデモ活動
・ツバメのFuwa→「たこ(山東省のシンボル)」に見える→山東省の列車事故
・魚のFuwa→???
見ての通り、魚のFuwaだけが何も当てはまるものがなかったのですが、先日中国で「魚」に関連したあることが起きます。第5パラグラフを見ていきましょう。
1文目の<be+left+(形容詞)>は「(形容詞)のまま残される」ということ。ここではunexplained「説明されていない」という形容詞が使われているので「魚のように見えるFuwaだけが元の迷信では説明がつかないまま残されていた」。その次がやや難しい形ですね。これはunexplainedを強調のために前に出した形です。普通の語順でいうと、That is unexplained until … ということ。「6月に中国南部の洪水で多くの人が亡くなるまでは、(魚のFuwaは)説明がつかなかった」という意味です。これが最後の呪いです。魚といえば水。それが先月の洪水と結び付けられたわけです。
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