●英字新聞社ジャパンタイムズによる英語学習サイト。英語のニュース、よみもの、リスニングなどのコンテンツを無料で提供。無料見本紙はこちら
英語学習サイト ジャパンタイムズ 週刊STオンライン
『The Japan Times ST』オンライン版 | UPDATED: Wednesday, May 15, 2013 | 毎週水曜日更新!   
  • 英語のニュース
  • 英語とエンタメ
  • リスニング・発音
  • ことわざ・フレーズ
  • 英語とお仕事
  • キッズ英語
  • クイズ・パズル
  • 留学・海外生活
  • 英語のものがたり
  • 会話・文法
  • 週刊ST購読申し込み
     時事用語検索辞典BuzzWordsの詳しい使い方はこちら!
カスタム検索
 

生沢浩の体育会式英語塾

英語とダイエットは苦労しなければ成功しない

By Hiroshi Ikezawa / 生沢 浩

英語の勉強とダイエットにはひとつの共通点があります。それは苦労をしなければ成功しないということです。英語を身につけたかったら、それなりの努力をしましょう。STオンラインでは「楽をしない」英語の勉強方法を提案します。このサイトではひとつのコンテンツで読解力、リスニング力、会話力を同時に鍛えることができます。使い方はみなさん次第。使い方のヒントは「このページの使い方」を参照してください。さあ、ちょっとだけ背伸びして、英語の勉強をがんばってみませんか?
体育会式英語塾特別編、『英語塾夏合宿』はこちらから >>
筆者へお便りを送る

 Hiroshi Ikezawa / 生沢 浩

Vol. 11 : チームの不振は誰のせい?

 

(1) tell me I'm not seeing this...

 英語のtell meは直訳すれば「私に話してください」という意味で、転じて「教えてください」との意味でも使われます。ただし、本文のように口語で使われる場合には必ずしもこれほどの意味はなく、ただ単に話し始めるときのきっかけ作りのような言葉に過ぎません。以前に取り上げたYou know what?に近いニュアンスです。

 tell meには「信じたくない」、「嘘でしょう?」、「無理だ」などといった意味合いもあり、本文のケースはまさにその用法です。@をDon't tell me I'm seeing this(私がこれを見ていることを私に教えないでください→私がこれを見ているという事実を突きつけないでください→私はこれを見ているということを信じたくない)と書き換えるとそのニュアンスがよくわかるでしょう。

→ 本文にもどる


(2) What's up?

 この場合のupには「(話題として)取り上げられている」、「目の前にある」といった意味があります。すなわち、「何が話題なの?」と聞くのがもともとの意味です。これが転じて「どうしたの?」という意味で使われます。

 この言葉が最もよく使われるのは挨拶です。How are you? (またはHow are you doing?)と同じような使われかたをします。ただし、What's up?に対する答えはI'm fine, thank you.ではなく、Not too much. というのが決まり文句です。日本語にするとWhat's up?が「調子はどう?」にあたり、Not too much.は「まあまあ」といった感じです。関西弁なら「儲かりまっか?」、「ボチボチでんな」となるのでしょうか(実際に関西でこの挨拶が使われているのかどうかは知りませんが(笑)

→ 本文にもどる


(3) This move is a regrettable step, but one that cannot be avoided considering the current state of the team.

 ここでの課題はoneが何を指すのかということです。答はa (regrettable) stepです。ではなぜitではなく、oneを使ったのでしょうか。それは、itのあとに関係代名詞(ここではthat)が続くことはできないからです。この文章はThis moveがregrettable stepであるとし、さらにそのregrettable stepがcannot be avoidedであることを関係代名詞thatによって説明しています。代名詞itのあとには関係代名詞を続けることができないので、あえてoneをitと同じ役割で使用したのです。

 BはThis move is a regrettable step that cannot be avoided ….としても意味はほぼ同じです。ただ、「regrettable moveではあるが、『しかし』cannot be avoidedでもある」という意味を強調したいがために、Bのような言い方をしているのです。

→ 本文にもどる


(4) not once did I see or hear him complaining or miss training

 ここで取り上げたい課題はふたつあります。まずは前半のnot once did I see ….の部分です。not onceのあとは疑問文の語順になっていますが語尾に「?」は付いていません。これは疑問文ではなく倒置法の文章です。倒置法とは何かを強調する目的で語順を替えることを言います。ここで強調したいのはnot once(ただの一度もない)ということです。強調したい言葉を冒頭に持ってきて、そのあとは疑問文の語順にするのが倒置文の作り方です。疑問文の形をとっているのに「?」が見当たらなければ倒置法が使われていると判断して間違いないでしょう。

 ふたつ目の課題はseeとhearの、いわゆる「知覚動詞」です。知覚動詞とは文字通り人間の五感を表す動詞ですが、英文法の観点からは特殊な働きをする動詞として知られます。特殊な働きとは「主語(S)+知覚動詞(V)+目的語(O)+補語(C)」という、いわゆる英語基本5文型の第V文型を作ることができるということです。Cではsee or hearが知覚動詞、himが目的語、complaining or missが補語にあたります。補語に動詞から派生した単語が来ますが、3人称単数形の「s」が動詞につくことは絶対にありません。ここが重要なポイントです。第V文型の補語に使われる動詞派生の単語は動詞原形、動詞原形+ing、過去分詞形(過去形ではありません)のいずれかです。

 また、知覚動詞のある文章では目的語と補語の間には主語と述語の関係が隠されています。complaining とmissの主語としての働きを持つ単語はもちろんhimですね。ですからこの文にはHe is complaining or misses training.という主語・述語関係があるのです。

 さて、Cではcomplainという動詞原形ではなく、complainingというing形が使われています。これはなぜなのでしょうか。どういう意味の違いがあるのでしょうか。動詞原形には動詞の現在形の意味があり、ing形には現在進行形の意味が含まれます。第V文型の補語で動詞原形が使われる場合には動作の一部始終を見た(聞いた)というニュアンスが生まれ、ing形には動作の一部分を見た(聞いた)との意味に変わります。わかりやすい例を挙げましょう。

C−1 I saw him cross the road.

C−2 I saw him crossing the road.

上の二つの文章はどちらも「彼が道路を横断するのを見た」という意味の文章です。ところがC−1は「彼が道路を渡り始めてから渡りきるまでの一部始終を見た」、C−2は「彼が道路を渡っている瞬間を見た」とのニュアンスの違いがあるのです。目的語(him)と補語(cross、 crossing)には主語と述語の関係が隠されていますから、その隠れている部分を表に出すとC−1ではHe crosses the road.、C−2ではHe is crossing the road.となります。こう考えるとふたつの文章のニュアンスの違いが理解できるでしょう。

 Cでcomplainingの代わりにcomplainという原形を使うと、「彼(村田)が文句を言う場面の一部始終(つまり文句を言っているすべての場面)を見た(ことがない)」という意味になります。ところが、実際には村田の言う文句をすべて聞くなどというのは不可能です。だから、「文句を言っている場面を(一度でも)見た(ことがない)」という意味を明らかにするために現在進行形から派生しているcomplainingを使っているのです。逆にmissをmissingにすると「村田が練習をサボっているまさにその瞬間を見た(ことがない)」との意味に変わります。

→ 本文にもどる


(5) the management does nothing.

 以前にも触れたように英語では肯定文の形をしながら(つまりnotを使わずに)否定の意味を持つ文章を作ることができます。そのためにはDのnothingやno oneなど「no」の付く単語を使うことです。

→ 本文にもどる


(6) They just don't get it.

 ここでのgetは「理解する」という意味で、understandと同じ意味を持ちます。口語ではgetがこの意味で使われることが非常に多くあります。

→ 本文にもどる


(7) everyone who has watched the team knows this.

 ここでもまたwatchedという知覚動詞がでてきました。しかし、ここでは第V文型を作っていません。なぜならばwatchedの目的語であるthe teamに続く単語がknowsという3人称単数形の動詞だからです。ですから「知覚動詞(watched)+目的語(the team)+補語(knows)」という構造は考えられません。するとthe teamとknowsの間には主語・述語の関係もないということになります。

 knowsの主語となり得る単語はeveryoneしかありません。ということはeveryone knows this.という文章が基本にあり、そのeveryoneをwho watched the teamという言葉で説明しているということがわかります。

→ 本文にもどる


(8) They're not sure about anything.

 Dとの関連で説明します。GはThey're sure about nothing.すれば意味は同じですが、文章の構造は否定文の形から肯定文の形に変わります。このように否定文で使われるnot+any (anything、anyoneを含む)はnoの付く単語を使う肯定文(内容は否定のまま)に置き換えることができます。つまり、not anything = nothing、not anyone = no oneという関係があるのです。

 Dを否定文の形にするならthe management does not do anything.となります。

→ 本文にもどる


(9) My advice to the front office would be that they start deciding today who they'll blame at the end of this year.

 My advice to the front officeという主語に対する述語動詞はwould beとなっていますが、これはisではいけないのでしょうか。答は「文法的にはOKだけれども、文脈上はたぶんありえないだろう」です。

 My advice to the front office is…とすると球団のフロントオフィスに本当にアドバイスをするという意味になります。ところが、いくらナツコが熱烈なタイガースファンだからと言ってフロントオフィスに実際にアドバイスする立場にはありませんよね。ナツコはあくまでも「私がアドバイスできると仮定するなら」という条件で話しているのです。ですからここは仮定法過去の用法により、would beとするのがふさわしいのです。

→ 本文にもどる


英語のニュース |  英語とエンタメ |  リスニング・発音 |  ことわざ・フレーズ |  英語とお仕事 |  キッズ英語 |  クイズ・パズル
留学・海外就職 |  英語のものがたり |  会話・文法 |  執筆者リスト |  読者の声 |  広告掲載
お問い合わせ |  会社概要 |  プライバシーポリシー |  リンクポリシー |  著作権 |  サイトマップ