続けて第3パラグラフ。「韓国政府によると、公教育(特に英語)をレベルアップしなければならない」2文目、 " "の中がやや複雑ですね。主語はthe lack of English。lack of 〜で「〜が欠けている[不足している]こと」だから「(国民の)英語力が不足していることは」。is one of the factors「要素のひとつだ」。どんな要素なのかをthat以下が説明します。that pulls down the competitiveness (this country has)「この国の持つ競争力(competitiveness)を低下させる」。つまり「国民の英語力が低ければ韓国の(国際的な)競争力が低下する。だから英語教育をレベルアップしなければいけない」ということです。
:先生、なんでpulls down the competitivenessで「競争力を低下させる」って意味になるんですか???難しいです…。pull downなんて熟語見たことないし!
あまり「熟語、熟語」と難しく考える必要ないよ。落ち着いて考えれば分かるはず。pullはどんな意味?
:「引っ張る」です。
じゃ、downは?
:「下」です。
合わせて考えると「下に引っ張る」、すなわち「引き下げる」「低下させる」となるね。このように、いわゆる「熟語」と呼ばれるものは、たとえ意味を知らなくても類推することが可能です。ちなみに第3パラグラフに出てきたlackがQ1(2) the state of not having something, or of not having enough of it の答えでした。
続けて第4パラグラフ。「韓国の歴史ですら英語で教えるべきという提案もある」「韓国の大企業では全てのコミュニケーションを英語でしているところがある」。このように韓国ではいかに英語が重視されるかを示したパラグラフです。
第5パラグラフに入る前に、ここに出てくる動詞spendの用法をまとめておきましょう。
・spend+お金[時間]+on 〜:「お金[時間]を〜に使う」
・spend+時間+〜ing:「〜して時間を過ごす」
これを覚えておきましょう。早速1文目に出てきます。「公教育が不十分なために」の後「韓国人は…」
...spend enormous amounts on private education
「莫大な額(enormous amounts)を学校以外の教育、特に海外での教育費に使う」ということです。韓国の教育がそこまで不十分だとは思いませんが、熱心な教育パパ・ママは、もっと子どもに勉強させたい。だから学校以外の教育に大金を使うわけですね。
続けて第6パラグラフを見ていきます。
:ここではさっきのspendが使われてるけど、onが2回出てきますよね。どう考えたらいいんですか?
ここではon average「平均して」という語句がさっきのspend 〜 on...に挟み込まれています。図解してみましょう。
spend four times more <on average> on private education than...
(平均して)
「政府によると、韓国の親たちは、ほかの先進国の親よりも平均して4倍多く(のお金)を(学校以外の)教育に使う」ということです。
第7、第8パラグラフは続けて見ていきましょう。「韓国の親たちは日本円で5380億円を子どもの海外での英語教育に使う。それは政府の教育予算の20%に当たる」というから驚きです。
「アメリカには(韓国人留学生は)10万人以上おり、どの外国人グループよりも多い」とあります。ここで出てきたoutnumberは「〜より多い」という意味の動詞で、Q1(3) to be more in number than another groupの答えでした。outnumberのout- という部分(難しい言葉で「接頭辞」といいます)は、単語の前にくっついて「〜よりまさる、〜以上」という意味を持つ動詞を作ることがあります。代表的な例をまとめておきましょう。
Vocabulary Pocket
outlive:「〜より長生きする」
outnumber:「〜より数が多い」
outreach:「〜より遠くに達する」
outsell:「〜より多く売れる」
outvote:「〜に得票数でまさる」
outwit:「〜に知恵でまさる、出し抜く」
こういったことを覚えておくと、知らない単語に出合ったときに便利です。
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