(1) is this really the James I know,
個人の名前であるJamesにtheが付いていることに気づきましたか?本来、名前には冠詞は付きません。では、ここではなぜ限定する意味の「the」が使われているのでしょうか。
世の中にはJamesという名前の人はたくさんいます。そのなかでヒロミの知るJamesは本文中のジェームズを含めておそらく少数でしょう。世の中にスパムメールというものが存在する以上、世界中のJamesという名前の(もしくは名乗っている)人物からヒロミにメールを送ってくる可能性があります。でも、ヒロミと親交のあるJamesは少数に限定されます。この「少数に限定されるジェームズ」がthe Jamesの意味なのです。つまり、「私の知っているあのジェームズ」ということになります。
→ 本文にもどる
(2) I have an announcement to make.
英語の動詞には名詞形を持つものがあります。例えばimprove(改善する)という動詞にはimprovement(改善)という名詞形が存在します。Aのannouncementはannounceの名詞形です。
これらの名詞には新たにmakeやtakeなどの動詞を使うことで再び動詞としての意味を持つようになるのです。
I make an announcement.は I announce 〜.(announceは本来目的語を取る他動詞として使われることがほとんどです)と同じ意味です。日本語での「お知らせをする」と「お知らせする」は語感が違うだけでニュアンスは同じですね。
さて、AではI make an announcement.ではなく、I have an announcement to make.となっています。make an announcementは「お知らせをする」という動詞の意味になりますが、an announcement to makeとなると「お知らせするべきこと」という名詞の意味になります。このように動詞を不定詞(to+動詞)として使用して名詞のあとにつけることで名詞の内容をより詳しく説明することができます。
実はI have an announcement to make.とI have an announcement.の間には意味の上で大きな違いはありません。ただ、語尾にto makeが付いているほうが「私がお知らせする」というニュアンスが強まり、自分にかかわるお知らせであることを暗に示しています。
→ 本文にもどる
(3) Want to hear it now or after dinner?
さあ、接続詞のorが出てきました。この接続詞がどの単語を結び付けているのかを考えます。
先に、接続詞が単語を結ぶ際にはあるルールが存在すると述べました。そのルールから説明しましょう。英語ではandやor、thanといった接続詞が結ぶ単語や文章は文法上は同等でなければいけません。
「文法上は同等である」とはどういうことでしょう?一言に単語といってもいろんなものがあります。名詞もあれば形容詞も動詞もある。動詞には過去形もあるし、不定詞や動名詞(動詞+ing)などというややこしいものも存在します。これら、たくさんある単語の中で文法上の分類が同じものが「文法上は同等である」ということなのです。つまり、動詞と動詞、名詞と名詞、動詞過去形と動詞過去形が同等であるということになります。接続詞は結ぶ単語を「差別」してはいけないのです。andが動詞と名詞を結ぶということはありえないのです。名詞と形容詞を結ぶこともありません。不定詞と一般動詞を結ぶこともないのです。これが接続詞を結ぶ単語を判断するのに重要なヒントになります。
具体例を見ていきましょう。Bでは接続詞orのあとにはafter dinnerしかありませんから、このafter かdinner、もしくはその両方と何か別の単語を接続していることになります。
文中のorがafterと何かを接続していると仮定しましょう。afterは文法上は前置詞に分類されますからorの前にも前置詞がなければいけません。ところがorの前には前置詞はありませんね。ではdinnerと何かでしょうか?dinnerは名詞です。これと文法的に同等である可能性があるのは代名詞のitしかありませんが、これでは意味が通じません。では次にafter dinnerをひとくくりとして考えましょう。
after dinnerは接続詞(after)と名詞(dinner)によって文中の中ではhearという動詞を説明する副詞句の役割を果たしています。orの前にある単語で副詞はnowだけです。だからorはnowとafter dinnerを結んでいると結論付けることができるのです。
→ 本文にもどる
(4) we decided to invite my parents to Japan and have one of those traditional Japanese-style wedding in Tokyo
今度は接続詞andが出てきました。このandは直後のhaveと何かを結んでいます。それが何だかわかりますか?
haveは動詞だからandの前に使われている動詞を探してdecidedだと思った人はいませんか? 残念ながら間違いです。なぜなら、時制が合わないからです。前のdecidedは過去形なのにandのあとのhaveは(見た目は)現在形です。もちろん、接続詞の前後で動詞の時制をあえて変えて時間の移ろいを表す表現はあります。でもここでは「両親を日本に招待することに決めた(過去)」という時制と「伝統的な神前式を東京で行う(現在)」という時制が不一致では意味が通じなくなります。
実はこのhaveは動詞ではなく不定詞のtoが省略された形です。ですからhaveは現在形ではなく、動詞原形だったのです。こうするとandが結ぶものは(to) inviteとhaveだということがわかりますね。
ちなみに接続詞がふたつ(またはそれ以上の)動詞を結んでいる場合、それらの動詞の主語はすべて同じです。
→ 本文にもどる
(5) I've heard that it's a brilliant place to go to for scuba diving (@)and there's plenty of nature (A)and wildlife to enjoy too,
ここではふたつのandが出てきました(文中(@)と(A))。これらが何と何を接続しているのかを考えてください。
答えはこちらです
→ 本文にもどる
(6) EI think going to Miami would be a great opportunity to show her around where you grew up and introduce her to your friends.
さらに接続詞の話を進めます。しつこいですが、それだけ今回のテーマは文章読解に重要だと思ってください。
Eのandは(to) showとintroduceを結んでいます。考え方はCとまったく同じです。
→ 本文にもどる
(7) "conbeni"
日本で暮らしている外国人は日本人が使っている言葉をそのまま英語のようにして使うことがあります。Fはまさに「コンビニ」のことです。コンビニとはもともとconvenient storesのことですが、日本語で聞き慣れているのかジャパンタイムズのネイティブエディターでもconbeniを普通に使う人は多いです。なぜこのスペリングになるのかはわかりませんが。
また、携帯電話も「ケータイ」といえば日本にいるたいていの外国人には通じるのではないでしょうか。
→ 本文にもどる
|