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カズの取材日記

By Kaz Nagatsuka / 永塚 和志

スポーツ記者、永塚和志が取材を通じて遭遇した様々な出来事・人々について語るエッセイです。
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Vol. 17 : Kazmanian Devil's 取材日記

 小さいころから体を動かすことが好きだった。体を動かしている人を見るのも好きだった。

 元々はそれだけだった。スポーツが好きになったのは。

 でも、やがて、大人になるにしたがって、スポーツそのもの以外にも面白さを見出すようになった。

 スポーツの試合やイベントには、そのレベルが高ければ高くなるほど、関わる人間の数が増える。そして得てして、見る人の数も増える。

 スポーツをやる人、それをサポートする人、イベントを成立させる人、そして見る人——。その数は無限だ。だからストーリーの数も際限がない。

 取材に出れば、毎回新たな出会いがある。その出会いは人に限ったことではない。さまざまな事象にも遭遇する。「筋書きのないドラマ」といわれるスポーツというジャンルには、多分に偶然というものが試合や個人の成績を左右する。だから、スポーツ現場を追う僕らにも、毎回、偶然が訪れる。あるいは、そんな予測のできないところを期待しているのかもしれない。

 僕自身に限って言えば、最初は野球しか知らなかった。北海道で育ったので、テレビで映っているのは全国中継の巨人戦だけ。僕は巨人の帽子をかぶり、当時「4番・サード」だった原辰則(現巨人監督)の真似をしていた。真似をするといってもバッティングのほうではない。僕は原の守備が好きだった。3塁ゴロをさばき1塁へ送球するとき、原はボールを持った手でグラブをポンと1回叩いてから送球していた。

 ちなみに巨人は、小学校の高学年のころにはもう好きではなくなっていた。だんだんと物心がついていき、「なぜ巨人ばかりが全国中継で、しかもいい選手をたくさんとれるのだろう」という疑問があったのかもしれない。いや、そうに違いない。

 将来は野球選手になりたかった。なるつもりだった。というか、野球しか知らなかった。しかし、中学校へ上がったころから、僕は徐々にほかのスポーツへの興味も増していく。

 中学校のころにF1を見始めた。87年に中嶋悟が日本人として初めてレギュラーシートに収まったからだった。また、中嶋という存在を抜きにしても、今は亡きアイルトン・セナ、アラン・プロスト、ナイジェル・マンセルなど、強烈な個性と才能を併せ持つドライバーがひしめき合う戦国時代で、F1というスポーツがとても魅力的に感じられたのも事実だ。

 ちなみにこのころは、将来はモータースポーツジャーナリストになりたいと強く思っていた。

 F1という世界を転戦するスポーツを見て開眼したかどうかは覚えてないが、その後、僕は大リーグやNBAなど海外のスポーツへの関心を高めていった。サッカーも、94年に三浦知良が日本人初のセリエA(イタリア)プレイヤーになったときは本当に真剣に見たものだ。大リーグにしても、本当に熱を上げたのは野茂英雄が95年にロサンゼルス・ドジャースへ入団してからである。

 こうして回顧してみると、僕はそれぞれのプロスポーツリーグを好きになったきっかけというのは、普通の人と同じように日本人選手がプレーするから、とか、ブームだから、といったようなものでしかない。いたってストレートなきっかけである。

 いずれにしても、僕は節操なく次から次へと新たなスポーツを好きになっていったのは間違いない。

 でも、仕方ないじゃないか、と僕は言いたくなる。スポーツとはかくにも面白いものだからだ、とも。

 僕が見てきたこと、聞いてきたことをこのコラムではちょっとふざけながら書いてきた。最初は春に行なわれたワールドベースボールクラシックのことだけを書いて終わりの予定だったが、その後ももうちょっとだけ頑張って続けてみた。

 というわけで、今回をもってこのコラムも一時お休みさせていただくことにした。「というわけで」はあまりに唐突だろうか。関西での学生時代、桂さこばを見すぎたせいかもしれないが、つまり、とくにコラムをやめる特別な理由もないのである。

 でも、やっぱりやめる。「やめないでぇ〜」という黄色い声でも聞こえてくればやめないこともないが、期待できないのでやっぱりやめる。

 あえて言うならば、新たな刺激がほしくなった、ということだ。また新たな刺激を求めに、このサイトに戻ってくるかもしれないので、そのときはよろしくどうぞ。

Au revoir.

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