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記者ほど素敵な商売はない

By Hiroshi Ikezawa / 生沢 浩

ジャパンタイムズ運動部記者、アメリカンフットボールライター、TV解説者のさまざまな顔を持つ生沢浩が15年間の記者生活のなかで見聞きしたこと、思ったことなどを紹介するコラムです。
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Hiroshi Ikezawa / 生沢 浩

Vol. 7 : やっぱり現場だよね〜

 新聞記者が「仕事をしたなあ」と思える場所はやっぱり「現場」です。現場とは実際に取材をする場所・機会を指します。僕のようなスポーツ記者なら試合会場が現場ということになります。

 最近はめっきり現場に出る機会の少なくなった僕ですが、それでも取材に行くと「やっぱり現場はいいなあ〜」と思います。現場には生で試合を観戦する独特の臨場感があります。選手や監督のコメントを聞いたり、それをどのように記事に生かそうか悩んだりするのも取材の楽しみのひとつです。他社の記者との交流も僕は好きです。

 新聞記者がどのように試合を取材するかご存知ですか?プロ野球を例に少しだけご紹介しましょう。プロ野球は試合開始時間よりも2時間ほど前には選手がグラウンドに現れ始め、練習を始めます。先日ご紹介した番記者は選手と同行することが多いので、選手が会場入りする時間に合わせて現場入りします。番記者でなければ、例えば守備練習が始まるまでに会場に着くように出勤します。

 会場に着くとまず「荷解き」です。荷解きというと大げさに聞こえますが、記事を書き、送信するためのPC、テープレコーダー、取材ノート、資料、ときにはカメラなども持ち歩かなければならないので、僕たちにとってはまさに荷解きなのです。

 準備が整えばグランドに降りて練習を見学します。記者によっては熱心に選手のバッティング練習を見ている人もいれば、ひたすらお目当ての選手や監督の入場を待っている人もいます。練習中の選手に話し掛けることはもちろんできませんが、ロッカーに引き上げてくる選手を捕まえてほんの数十秒でもコメントを引き出そうとします。人気選手の場合にはそれこそ押し合いへし合いの大混雑となることもあります。

 このときに聞いたコメントが記事の主役になることはほとんどありません。しかし、早版用記事と呼ばれ、試合が終わる前に入稿しなければいけない話題ものなどの場合にはこの試合前コメントが強い味方となってくれます。

 プロ野球の場合、練習が終わってから試合開始まで約30分ほどの時間があります。記者たちはこの時間に早めの夕食をかきこむことになります。時間がないのでどうしても早食いになってしまいます。最近知ったんですけど、早食いって肥満の原因になるらしいですね。そういえばプロ野球担当記者って…(以下自粛)。

 試合が始まるとひたすらスコアシートをつけます。野球の場合には決まった書式があるのですが、記者はそれぞれに自分の用途にあった工夫を加えているようです。スポーツ新聞の記者は球種の記述が必要になることもあるので、一球ごとに球種をメモしています。

 試合が終盤に差し掛かると記者たちは皆そわそわし始めます。試合展開にもよるのですが、ほぼ試合が決着しそうな展開のときは9回表あたりから席を立ってグラウンド近くに移動します。東京ドームは取材席が3階にあり、グラウンドまで移動するには階段を下りていきます。しかし、試合が終わるまでは何が起こるか分かりませんから、移動中もラジオなどで情報を集めます。ときにはベンチ裏で試合が終わるのを待っているときに同点になってしまうこともあります。このときはパニックです。携帯電話で社と連絡を取る人、慌てて記者席に戻る人、ぶつぶつ文句をたれる人…あまりこういう場面は一般の人には見せられませんね。

 試合が終わってからがいよいよ僕たちの仕事の本番です。選手や監督のコメントを取り、記事を作成します。ナイターの場合には締め切りまであまり時間がないので、まさに時間との戦いです。ただ、僕はこのときの緊張感がたまらなく好きです。あせりながら書くときのドキドキ感がいいんですよね(これが死ぬほど嫌いという人も多いですが)。

 記事ができればいよいよ入稿です。最近は電子メールであっという間に送れるので便利になりました。でも、少し前までは意外と大変な作業だったんです。次回は僕が実際に経験した入稿時のトラブルをご紹介します。

次回予告:記事が送れない!どーするッ、オレ?!

 記事が送れない!これほど焦ることはありません。このドキドキ感は大ッ嫌いです。さあ、そんなとき、どーするッ、オレ?!

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