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記者ほど素敵な商売はない

By Hiroshi Ikezawa / 生沢 浩

ジャパンタイムズ運動部記者、アメリカンフットボールライター、TV解説者のさまざまな顔を持つ生沢浩が15年間の記者生活のなかで見聞きしたこと、思ったことなどを紹介するコラムです。
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Hiroshi Ikezawa / 生沢 浩

Vol. 9 : 初出張の思い出

 スポーツイベントは全国で行なわれるので、スポーツ記者にとって出張はつきものです。特にプロ野球の番記者などは常に担当するチームに帯同するので、自宅にいることのほうが少ないとか。

 読売ジャイアンツの担当記者は年に一度の北海道シリーズ(札幌で主催試合を行なう)が何よりの楽しみだったと聞いたことがあります。数年前までジャイアンツの札幌での試合はデーゲームで行なわれ、夜は札幌の街でおいしいものざんまいだったからです。最近では札幌ドームができたために試合はナイトゲームで行なわれます。ジャイアンツの番記者たちは以前ほど派手には遊べなくなったのではないでしょうか。

 僕も出張は好きなほうです。行ったことのない土地を訪れるのは面白いし、当地の名物料理や地酒を楽しむのもいいものです。僕が最も好きなのは大阪。仕事で出かけた回数も一番多い街です。何度も行っているので出張を通じてできた友人も数多くいます。食べ物はおいしいし(大阪に到着して最初に食べるものは決まって天ぷらうどん。最後は豚まんを必ず買って帰ります)、便利だし、その気になれば京都にまで足を伸ばせる。あ〜ぁ、大阪出張ないかなあ〜。

 僕が初めて出張を経験したのは入社1年目の秋でした。当時ジャパンタイムズは毎年日本で行なわれるバレーボールの世界大会の後援企業であり、大会の全日程をカバーしなければいけませんでした。僕の初出張はバレーボールの取材だったのです。

 その年のバレーボールの大会は東京で開幕し、岐阜県長良川、大阪、広島と長期遠征するものでした。全日程は2週間。留学時代を除けば、これほど長い期間、家を空けたことがないのでドキドキだったのを覚えています。

 実はこのとき、僕は東京大会の取材中に風邪をひいてしまい、体調がすぐれなかったのです。熱を押して東京での3日間の取材をようやく終えた日のことです。翌日は試合が予定されていなかったので、休ませてもらおうと上司に連絡をとりました。すると、僕が口を開く前に、上司が「明日から岐阜に行ってね。そのあと大阪と広島。よろしく」ガチャン、と電話を切る音だけが僕の耳に残っていました…。

 はぁ?岐阜ぅ?大阪ぁ?明日からぁ?心なしか熱が2度ほど上がったような気がしました。まあ、倒れることもないだろうと家に帰って旅行準備。翌日には朝早くから東京駅で新幹線に乗り、岐阜へと旅立ったのでした。

 出張先で熱こそ出なかったものの、やはり風邪は完全には治りきらず、体調は万全ではありませんでした。そんな中で最後の出張地、広島へ到着したのでした。

 広島を訪れるのは初めてでした。初日は大阪からの移動だけだったので仕事はなし。こんなときは広島を満喫しなければいけない。広島といえばカキ。季節は11月でカキはまさに旬。ちょうど宿泊しているホテルにはカキ料理の店がある。よし、今日はカキのフルコースだ!と張り切って食事に行ったのでした。

 やはり、本場のカキはうまかった。満足して部屋に帰った僕だったのですが、深夜になってお腹が痛み出したのです。どうにも苦しい。我慢できずにトイレに直行。トイレでの出来事はここでは自粛しますが、とにかくその晩は苦しくてほとんど眠ることができませんでした。ホテルで胃腸薬を飲んでようやく落ち着きましたが、あんな苦しみは初めてでした。

 そう、僕はカキにあたったのです。カキは体調が悪いときに食すとしばしばあたることがあるそうです。僕は風邪が治りきらない体調のままでたらふくカキを食べてしまったためにあたってしまったようです。

 翌日、げっそりした顔で試合会場に現れた僕を見て、他社の記者たちが心配そうに声をかけてくれます。が、「カキにあたった」というと彼らの心配そうな顔は一変し、爆笑の渦を巻き起こしたのです。なかには「フグだったらよかったのに」とのたまう無礼な輩までいました。こっちは本当に死ぬかと思うくらいつらかったのに!

次回予告:記者の副業

 僕はジャパンタイムズ以外にフットボール雑誌に寄稿するなどの仕事を持っています。もちろん、本業の合間にする副業に過ぎないのですが、実は新聞記者にはこういった副業を持つ人が少なからずいます。来週は記者にどんな副業があるのかご紹介しましょう。

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