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記者ほど素敵な商売はない

By Hiroshi Ikezawa / 生沢 浩

ジャパンタイムズ運動部記者、アメリカンフットボールライター、TV解説者のさまざまな顔を持つ生沢浩が15年間の記者生活のなかで見聞きしたこと、思ったことなどを紹介するコラムです。
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Hiroshi Ikezawa / 生沢 浩

Vol. 10 : 記者の副業

 僕は自分の職業を説明するときに一般的には「新聞記者」と言いますが、実は自分自身は「ライター」だと思っています。新聞だけではなく、雑誌にも定期的に寄稿するからです。「ジャーナリスト」では口幅ったいし、最近はデスク業務が多いので「新聞記者」と大威張りするほど記事も書いていません。やはり、「ライター」がしっくりくるのです。

 僕が雑誌への寄稿を始めたきっかけは入社1年目の秋に訪れました。取材先で知り合ったアメリカンフットボール専門誌の編集長からお話を頂いたのでした。最初はNFLの試合のハイライトをごく短くまとめたページを担当しました。その雑誌には以来ずっとお世話になっており、いまでは巻頭ページの特集を任されることもあります。

 その雑誌への寄稿を始めてから2年後に今度はライバル誌からも声がかかり、現在はNFLの専門誌2誌に定期的に書いています。ほかに、スポーツ総合誌や一般の週刊誌・月刊誌から依頼がくることもあります。

 会社員がアルバイト?と思われる方も多いでしょう。ジャパンタイムズの場合は本来の業務に差し支えなく、ジャパンタイムズに損害をもたらすものでない限り、局長の許可があれば他メディアへの寄稿・出演は許されています。僕以外にも本を出版したり、テレビ出演をしている記者はいます。他の新聞社でも「副業」を容認しているところは多いです。大手全国紙A新聞のように全面的に禁止している場合もありますが、たいていの会社は寛容なようです。スポーツ番組のコメンテーターや大事件の解説などで新聞記者がテレビ出演するのを見たことがある方も多いと思います。

 記者にはそれぞれ担当分野があり、長年その分野を専門的に取材しているとそれなりに知識も蓄えられます。そこで、記者の取材力や知識を活用したいメディアから依頼が来るようになるのです。

 時々、雑誌から執筆の依頼を受けたという後輩から相談を受けることがありますが、僕は必ず積極的に引き受けるべきだとアドバイスします。専門誌に寄稿したり、テレビのコメンテーターを務める際にはそれなりの知識が必要とされます。そればかりではなく、知識を正確に相手に伝える力も持っていなければなりません。こういう仕事を請け負うことによって、自分の専門知識を見直すことになり、普段とは違った読者層・視聴者層に訴える表現方法を吟味することになります。これは、普段から僕たちが行なっているメディア活動にほかならず、副業をすることによって自分の見識を深めることができると僕は信じています。

 副業での経験は必ず本業のジャパンタイムズにも恩恵をもたらします。僕は雑誌の依頼でインタビューをすることも多いのですが、そこで知己を得た選手や関係者に後ほどジャパンタイムズからインタビューのオファーをすることもあります。

 僕が最初に雑誌からのオファーを受けたときには、やはり引き受けるべきかどうか迷いました。専門誌に書けるほどフットボールの知識があるわけではないし、新聞とは違うコアな読者に対応できる自信がなかったからです。それでも、新聞記者1年生で野心にあふれていた当時の僕は、思い切って挑戦することにしました。

 今から思えば、あのときに積極的に引き受けてよかったと思います。執筆のためには下調べが不可欠ですから、何度も原稿を書いていくうちにフットボールの知識もついてきました。その知識はジャパンタイムズで記事を書くときにとても役に立っています。さらに、専門誌で書いていることで信用度が増すという効果もありました。今、テレビでNFLの試合解説の仕事を頂いているのも、長く専門誌で書かせていただいているからにほかなりません。もっとも、そのおかげで2ちゃんねるで叩かれるという貴重な経験もしましたけど(笑)。

次回予告:選手の引退に見る引き際の潔さ

 スポーツの仕事をしていると選手の引退に必ず出くわします。僕も何人もの選手の引退を見てきました。その引き際の素晴しかった選手たちのエピソードをご紹介します。

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