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記者ほど素敵な商売はない

By Hiroshi Ikezawa / 生沢 浩

ジャパンタイムズ運動部記者、アメリカンフットボールライター、TV解説者のさまざまな顔を持つ生沢浩が15年間の記者生活のなかで見聞きしたこと、思ったことなどを紹介するコラムです。
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Hiroshi Ikezawa / 生沢 浩

Vol. 16 : 最悪の思い出 名刺を捨てられた!

 現在開催中の大相撲名古屋場所で、東前頭3枚目の露鵬が取材陣に暴力を振るうという前代未聞の不祥事が起きました。プロの格闘家である関取が、軽くとはいえ一般人に暴行を加えれば取り返しのつかない事態が起きないとも限りません。今回は幸いにも被害を受けた記者は軽傷ですみましたが、スポーツ選手とメディアのかかわりを再考する上で重大な事件になったと言わざるを得ないでしょう。

 スポーツ選手とメディアの関係は必ずしも良好にいくとは限りません。一貫して取材拒否をする選手もいれば、負けた悔しさからノーコメントを通すケースも少なくありません。少しでもいいコメントを聞きたいと思うこちら側としては大変に気を使う場面です。

 僕自身は暴力を振るわれた経験こそないですが、不快な思いをしたことは何度もあります。プロ野球のある有名な監督などは僕と話している最中に、テレビ局の女子アナを見つけてそちらの方に歩み寄って楽しそうに談笑したこともありました。何のあいさつもなしに話を中断された僕は当然不快に思います。僕は子供のころに選手だったその監督の大ファンだっただけに、大きく失望したことを覚えています。と同時に、どんなときでも男性のスポーツ選手や監督がにこやかに話をしてくれる女子アナをうらやましくも思ったものです。

 最悪の思い出といえば、目の前で名刺を捨てられたことでしょうか。あれは記者1年目の1991年夏のことでした。この年、NFLからレイダーズとドルフィンズが来日してプレシーズンゲームを行ないました。

 学生時代にフットボールをプレーしていた僕は「自分の活躍する場はここだ」とばかりに意気込んで取材に出かけたものです。ところが、当時の僕はまだ有名プロフットボール選手がいかに気難しく、横柄な人種かということを知らなかったのです。

 僕は休憩中のとある選手に名刺を渡して自己紹介をし、質問を投げかけました。すると、その選手は僕の質問が気に入らなかったのか、無視をして立ち去ってしまいました。その際に、たった今渡したばかりの僕の名刺を投げ捨てたのです。

 現在のNFLはメディアに対する選手の教育が行き届いており、こういった選手はめったにいません。現在同じことをしたら、その選手はきっとリーグからお小言をいただくことになるでしょう。

 まだ、ルーキー記者で取材慣れもしていなかった僕はその選手の行為にショックを受けました。自分の名刺が地面におちているのを見るのは惨めなものです。この「事件」はしばらく僕の中でトラウマとして長く存在し続けることになります。

 その選手は今では引退してテレビで解説者をしています。ベンチリポートでにこやかに愛想良く話すその人を見ると、「おいおい、まるで人が違うじゃん」と思ってしまいます。

 現役選手のころにメディアに対する対応が悪い人ほど、引退するとメディアの世界に入りたがるものです。そのときに態度が180度変わってしまう人を何人も見て気ました。テレビで姿を見る限りはなんていい人だろうと思うのですが、ひとたびカメラがストップすると突然横柄な態度でスタッフをしかりつける人もいると聞きます。

 もちろん、こんな人ばかりではありません。僕が取材した中ではマラソンの高橋尚子選手や解説の増田明美さん、ヤンキースの松井秀喜選手などはメディアに裏表のない対応をしてくれます。みんながみんなこうだったら、取材も楽なのになあ。

次回予告:初の大舞台 スーパーボウル取材!

 スポーツ記者である限りリーグ優勝を決める大きな試合というのはぜひ取材をしたいものです。フットボール経験者である僕にとって最大の大舞台はやはりNFLのスーパーボウル。次回はスーパーボウル初取材にまつわるエピソードをご紹介します。

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