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記者ほど素敵な商売はない

By Hiroshi Ikezawa / 生沢 浩

ジャパンタイムズ運動部記者、アメリカンフットボールライター、TV解説者のさまざまな顔を持つ生沢浩が15年間の記者生活のなかで見聞きしたこと、思ったことなどを紹介するコラムです。
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Hiroshi Ikezawa / 生沢 浩

Vol. 43 : 英語と日本語の一致・不一致

 英語と日本語はもちろんその誕生から派生に至るまでまったく違う発展をしました。でも、この二つの言語には意外と面白い符合があるのです。

 英語と日本語の符合は主に比ゆ的表現に多いようです。例えば、基本の忠実なことを「教科書どおりの〜」ということがありますね。これは英語でも「textbook 〜」と表現します。「教科書どおりのタックル」なら「a textbook tackle」となります。

 また、とても感心したときに日本語では「脱帽する」といいますが、これと同じ表現は英語にもあって「take (my) hat off to 〜」となります(〜の部分に感心した対象を当てはめます)。ほかにも「心の底から」はそのまま直訳の「from the bottom of the heart」で通用します。

 これは偶然の一致なのか、または英語が日本に入ってきたときに翻訳され、それが定着したのかはわかりません。脱帽するなどという表現は後者かもしれませんね。明治以前の日本人は帽子をかぶりませんでしたから。ただ、同じような意味で「かぶとを脱ぐ」という表現は昔からありました。日本人のかぶるものがかぶとから帽子に変わったために、「かぶとを脱ぐ」が「脱帽する」に変換されたのかもしれません。

 そういえば、書き物をすることを「筆を執る」と言いますが、これも筆に代わってペンが普及したときに「ペンを執る」が一般的な表現として定着しました。最近では、「ワープロを執る」などという表現も見かけますが、これは「筆を執る」または「ペンを執る」としたほうがしっくりくると思います。

 英語と日本語は違う言語ですから、表現方法が違うのが普通です。この違いの背景には対象に対する考えほうの違いが見え隠れしていて興味深いものです。

 今ではほとんどの人が持っている携帯電話を例にとりましょう。文字通り日本語では「携帯できる電話」という意味です。日本人は「持ち歩くことができる電話」という考え方から「携帯電話」と命名しました。さて、英語ではどうでしょう。

 英語で携帯電話はmobile phone(またはcellular phone)と言います。mobileとは「動きやすい」とか「可動性の」という意味です。つまり、英語では「動きながら使用できる電話」との考え方が背景にあるのです。日本語風に考えるなら「portable(持ち運ぶことができる) phone」とするべきですが、そうはならないところが面白いのです。

 日本語で言う「携帯電話」が電話機そのものを中心にして考えているのに対し、英語は機能性を重視していることが分かりますね。

 携帯電話で思い出した話があります。アメリカでも日本並みに携帯電話が普及していますが、その利用方法は少し違うようです。日本ではカメラ付き携帯電話が当たり前で、撮った写真をメールで送ることも普通に行なわれています。また、携帯電話で見ることのできるインターネットサイトも発達していて、これも広く利用されています。

 アメリカでもカメラ付き携帯電話は増えてきているようですが、メールを送ったり、サイトを見たりということは少ないようです。ひとつにはメール送信の料金が日本に比べて高いという事情があると思われます。アメリカでは通話の際に着信した側にも料金が課されますが、メールを送信するにも割高な通信料を払うのです。ですから、メール送信はあまりはやっていないのです。

 アメリカ人は携帯で送るメールのことを「text message」と表現し、パソコンで送るメール(e-mail)とあえて区別して言うことがありますが、それもこういった理由からなのかもしれません。

次回予告:第41回スーパーボウル

 来週はいよいよNFLの王座決定戦スーパーボウルが行なわれます。今年は21年ぶり2度目の出場となるシカゴ・ベアーズと36年ぶり3度目の出場のインディアナポリス・コルツが対戦します。次回はアメリカ現地時間2月4日夜(日本時間5日午前)に行なわれる第41回スーパーボウルをテーマにお話します。

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