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記者ほど素敵な商売はない

By Hiroshi Ikezawa / 生沢 浩

ジャパンタイムズ運動部記者、アメリカンフットボールライター、TV解説者のさまざまな顔を持つ生沢浩が15年間の記者生活のなかで見聞きしたこと、思ったことなどを紹介するコラムです。
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Hiroshi Ikezawa / 生沢 浩

Vol. 50 : インターン

 新聞には情報を正確かつ詳細に伝えるという使命があります。新聞社は新聞を発行することによって社会貢献をしているというのが僕たち新聞人の誇りでもあります。

 新聞社には新聞発行以外にも社会貢献の方策があります。学生に勤労機会を与えるというものがそれです。

 一般的に新聞社が学生をアルバイトとして雇用するのはメールボーイという職種が多いようです。これは出版社でも同じです。新聞社や出版社には毎日多くの郵便物やプレスリリースが届きます。これを仕分けして各部署に配るというのがメールボーイの基本的な仕事です。もちろん、これ以外にも記者から電子メールで送られた記事を編集用のコンピューターに移したり、かかってくる電話の応対をするなどという業務があります。

 このメールボーイとは違い、実際に記者と同じような職務を与える場合もあります。これがインターンと呼ばれるものです。

 インターン制度とはすなわち研修制度で、将来マスコミで働きたいと考えている学生を実際の職場で働かせることを指します。学生はインターンを通じてマスコミの実務を学び、将来のキャリアに生かすことができます。

 ※1 インターンは無給が原則です。会社に通うための交通費や取材費は会社が負担しますが、仕事そのものに対する報酬はないか、あっても小額に抑えられます。これは、マスコミの仕事を経験させることがインターン制度の目的であって、労働力を期待するものではないからです。そういう意味で、インターンは派遣社員とは明確に異なります。

 ジャパンタイムズでも、常時ではないですがインターンを採用することがあります。インターンに与えられる仕事は主に記者や編集者のアシスタント業務です。例えば、取材先に記者とともに出かけ、コメントとりなどの手伝いをします。ジャパンタイムズでは外国人記者が多く働いているので、取材対象が日本人のような場合には通訳としての役割も果たします。インタビュー時に録音したテープを文字にする「テープ起こし」の作業もインターンに任せることがあります。

 記事作成能力が高いと判断された場合には記事を書かせることもあります。その記事が掲載される際には原稿料を支払うのが通例のようです。もちろん、正式な記者ではないインターンの記事を掲載するには新聞社もそれなりの責任とリスクを負うわけですから、記事の修正には細心の注意を払います。しかし、取材をして記事を作成し、それが新聞に掲載されるという実務はインターンにとってはかけがえのない経験となるはずです。

 このインターン制度はアメリカの新聞社では盛んに行なわれているようです。日本ではインターンに記事を書かせるケースはまれですが、アメリカでは積極的に取材に行かせ、記事を書かせます。かつてジャパンタイムズのスポーツ部に来たインターンは、それ以前にフィラデルフィアの新聞社でインターンをしていた経験があり、彼の書く文章はプロ顔負けのすばらしいものでした。彼は後にジャパンタイムズに正式に入社し、退社した現在も雑誌社で活躍しています。

 インターンにしろ、メールボーイにしろ、学校を卒業して就職し、一人前の社会人となって成長する姿を見るのはうれしいものです。僕は、ジャパンタイムズの歴代のメールボーイとずいぶん仲良くしてきました。彼らの何人かはそのままジャパンタイムズに入社し、現在もそれぞれの職場で頑張っています。また、他社に就職した元ボーイたちも折に触れて遊びに来てくれ、一緒に飲みに行くこともしばしばです。結婚式に呼んでくれた人もいます。彼らが立派な社会人になっているのを見るたびに、うれしい思いがするものです。そして、そのあと必ず年をとった自分を見てがく然とするのですが…。

次回予告:意外に知らない英単語の意味

 日本語には実にたくさんの外来語が入ってきています。しかし、いつの間にかその言葉本来の意味とは違う用法で使われているものも少なくありません。チャンス、アイディア、ジンクスなど…。次回はこういった単語を取り上げて、日本語と英語では意味や使い方がどう違うのかをお話します。


2016年1月25日追記
※1: コラム掲載時期以降、インターンの無給制度が問題視され、改善が施される傾向にあります。ジャパンタイムズでは学生の単位として換算されることを前提としており、原則として現役大学生を対象としています。

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