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『世界の英語教室 (小学校)』
「日本で暮らす外国人児童のこと」
      By Mina Hisada/ Illustration by Puri /Photos by 移民政策学会, Hisae Nakanishi(CCS/世界の子どもと手をつなぐ 学生の会)& Eiichi Tokoro (まちだ地域国際交流協会<MIFA>)

タイトル:移民にまつわるあれこれ 〜キッズの立場にたってみれば〜

◆ 前回、最近メディアをにぎわしている「移民」(こちら をクリック!)についてお伝えしましたが、 くしくも同じ週に「移民政策学会」(於:東洋大学)の立ち上げが行なわれ、また翌週には「東京の日本語教育・日本語学級を考えるつどい」 (於:飯田橋しごとセンター)が開かれました。 どちらにおいても話題になったのは、やはり在日外国人児童たちの教育問題でした。

以下にその概要をご紹介したいと思います。


1)タイトル:「移民政策学会設立記念大会」

会場に集まった人・人・人・・・

日時2008年5月17日(土)
場所:東洋大学
主催:「移民政策学会」


一瞬「誰のコンサート?」と思ってしまったぐらい、熱気にあふれた会場。会場には座りきれず、 立ち見ならぬ「立ち聞き」する人たちが出たり、当日の資料が足りなくなってしまったりという事態も 。関心の高さをうかがわせた。

***シンポジウムで出た主な意見の概要***

小学生の英語 (現在、政府が考えている)「移民庁」の設置について

たとえ移民庁ができたとしても、 それがお飾りのような存在になってしまっては困る。 つまり、きちんとした「権限」がある庁になる必要があるだろう。

小学生の英語 血統主義からの脱皮

例えば、両親のどちらかが日本人であれば、永住権を持てるなど柔軟な姿勢を作るべきでは?

小学生の英語 日本語教育についてのガイドライン

特に決まりもガイドラインもなく教えているのが現状だ。 そうではなく、教える人材を増加し、教科書を含めた日本語教育のスタンダードというものを作るべき。

小学生の英語 就学の義務化(※)の課題

学校へ行っていない外国人児童たちが多すぎる!

※実は、日本にいる外国人児童たちの4割は学校へ通っていないともいわれています。 その訳は、義務教育は「日本国籍の子供たちにのみ」課せられるものだからなのですが 、この一見まともに聞こえる意見、実は日本が教育に関する 国際人権規約に批准していることを考えると、矛盾しているのです。このような「国を超えた考え 」は今後より一層必要となってくると思います。


2)タイトル:「東京都の日本語教育・日本語学級を考えるつどい」
〜多文化共生をめざし日本語教育を充実させよう〜

会場の様子

日時:2008年5月25日(日)
場所:東京都しごとセンター
主催:「東京都の日本語教育・日本語学級を考えるつどい2008」実行委員会


東京都墨田区(FSC/外国人生徒学習の会―代表・藤田京子先生)・中野区(中野区国際交流協会・中山真理子先生) ・新宿区(NPO・みんなのおうち・小林普子先生) が実情を語った。ここでは、墨田区の外国人生徒学習の会(代表・藤田京子先生)のお話から、1つ取り上げたいと思う。

藤田京子先生

***外国人児童が困っていることとは?***

自分の意思でなく、親の仕事や環境の変化で日本に来る子供たち。言葉や習慣以外で困っていることの1つに、「年齢」に基づく制度がある。(以下、藤田先生のお話より抜粋) 」

・「年齢」で区切ってしまう日本社会 (-_-;)

(日本の教育は)、年齢でとかく区切ってしまう。たとえば、中国では落第制度があるのだが 、落第した中国の子供が日本に来た場合、義務教育の年齢以上だと教育が受けられない。フィリピンの中学校は4年制であるために 、やはり年齢が合わないために日本の教育が受けられないケースがある。

「つどい」事務局長・関本保孝先生
考えてみるに、人の能力は無限だ。チャンスを与えられなかったら 、咲く可能性のある花も開花できない。 日本に来た能力のある子供たちの可能性をつみとってしまう今の教育システムは、いかがなものだろうか。


筆者のコメント:「年齢でとかく区切ってしまうこと」は何も教育だけでなく、 社会全体にもいえることだと思います。この辺りをもう少し寛容にすれば、日本はもっと暮らしやすくなるのでは?

 

<編集後記>

カタカナが読めるようになったよ!
最近、東京・世田谷にある三宿中学の 夜間中学校 を見学しました。夜間中学校は年齢に関係なく識字教育が行なわれる場所ですが 、在学中の日本人の人数は全体の約1割ともいわれており、現在ではそのほとんどが外国人児童で占められています。私が見学したクラスは、 1月に来日したばかりの子供たち総勢8名のクラス。「クーラー」「レモン」「カメラ」といった覚えたてのカタカナをうれしそうに声 を出して読む子供たちは、インドやアフリカのマリ共和国、ベトナム、ミャンマーといった国からでした。

「移民」や「外国人児童への日本語教育」は、 今回ご紹介した通り、国レベルでは進んでいなくても、地域レベルでは確実に進んでいる気がします。 皆さんの身の回りではいかがでしょうか。 情報をお待ちしております。
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