マコト: サラ、日曜日に何も予定いれないようにね。ほら、先週話した例のお花見会に行かないと。社長も来るんだから。
サラ: そういえば、そうだった。すっかり忘れていたわ。時が経つのは早いのね。私にとって初めての「花見」からもう一年が経ったなんて信じられない。あれをまたやらなきゃいけないというのも信じたくない話なんだけど。
マコト: なぜ?楽しくなかったの?
サラ: う〜ん、そうね。マコトは気にならなかったかもしれないけど、天候が・・・なんていうか、まるで「凍てつく」ようだったじゃない。しかもお茶と水と大量のビールだけじゃ体も温まるわけないわ。
マコト: まあ、天気が悪かったのはちょっと残念だったけど、でも桜は満開だったじゃない。覚えている?だからそれだけの価値はあったと思うけど。
サラ: ええ、覚えているわよ。でも覚えていないのはみんなのほうじゃない?みんなお酒を飲んだり、歌ったり、その他にも信じられないようなことばかりして忙しかったから、誰も花なんて見ていなかったでしょ。
マコト: まあ、そう言わないで。それもみんな花見にはつきものなんだから。ちょっとやりすぎちゃう人もいるけど、でも花の下での宴会というのが花見の一番面白いところなんだよ。静かに座って木を見上げるだけというのとは違うんだ。
サラ: 公共の場でばか騒ぎをするための言い訳にしか聞こえないわね。そうだ、イチョウの木が外にいっぱいあるから、「イチョウ見会」でも開けばいいじゃない。それなら場所とりに走り回って苦労しなくて済むわよ。
マコト: わかってないなぁ〜!桜じゃなきゃダメなんだよ!桜は、特別なの。日本人にとって桜はたくさんの意味を持つ花なんだよ。花がきれいというだけじゃなくて、いろんなものの象徴なんだ。つまりね、桜はただの花じゃなくって、「選ばれし」花なんだよ。分かるかなあ。そういえば今日ニュースで言っていたけど、春になると日本のアーティストはタイトルに「桜」って入っている新譜を出すんだって。そして、そのタイトルのおかげで他の歌より売れるらしいよ。だからさ、お花見会欠席しちゃダメだよ、絶対行こう!
サラ: そうね。言いたいことは分かった・・・と思う。とにかく日曜日には行くわ。去年よりは暖かいといいんだけど。
マコト: そうだね、今から祈ってるよ。
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