(1) I have an announcement to make!
announcement to makeは以前にもこの英語塾で扱いました。I have an announcement.とI make an announcement.というふたつの文章が、an announcementという共通する目的語を媒体としてひとつの文章になったものが@です。ふたつの文章をつなぐ役割をしているのが不定詞、すなわちここでのto makeです。
@の不定詞to makeの役割はannouncementを説明することです。announcement=お知らせを発表する人がI=fatherであることを述べているのです。announcementという名詞を説明しているのですから、この不定詞の役割は形容詞的用法だということになります。
これを和訳するときはちょっと注意が必要です。直訳すれば「私はするべきお知らせがある」となりますが、これはいくらなんでも日本語として不自然です。英語を習っている教室でのみ聞かれる変な日本語を「English class Japanese(英語教室での日本語)」という言い方をすることがありますが、これはその典型ですね。ここは「お知らせがある」でいいでしょう。
announcementはannounceという動詞から派生した名詞です。こういった動詞派生の名詞にmakeやtakeが付くと元の動詞の意味になります。ですからここはI make an announcement=I announce〜と同じ意味です。日本語に訳すときには元の動詞の意味を汲んで訳すと自然な日本語になります。
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(2) 99 percent of them weren't that important at all.
ここで使われているthatには具体的に指す言葉がないため、おなじみの「あれ」という意味はありません。ここでのthatはimportantの程度を説明する役割を果たしています。このようにthatやthisは形容詞の前に置くことで形容詞の度合いを強調することができます。
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(3) I bet you're gonna be excited about this one.
exciteという単語は注意が必要です。もともとは「誰かをワクワクさせる」という意味です。日本語では「(自分が)ワクワクする」という言い方が自然ですから、思わず英語でもI am exciting.と言ってしまいそうです。しかし、exciteは自分がワクワクするのではなく、誰かほかの人をワクワクさせるという意味ですから、「私は(誰かをワクワクさせるほど)魅力的です」との意味になってしまうのです。下手に使うと大きな誤解を生んでしまう恐れがあります。
日本語の「ワクワクする」に相当する英語の内容は「ワクワクさせられる」です。ですから、ここではbe excited aboutと受動態で表現する必要があるのです。似たような単語にsurpriseがあります。これも英語では「驚かせる」という意味なので、「驚く」という日本語を表現したいときには「驚かされる=be surprised」とするべきなのです。
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(4) remember to put it back in that drawer after you've taken a good look at it.
rememberという単語は後に続くものが不定詞なのか動名詞(動詞原形+ing)なのかで意味がまったく違います。
remember+to 不定詞は「〜(不定詞に使われる動詞原形の意味)することを忘れるな」という意味で、remember+動名詞は「〜(動名詞に使われる動詞原形の意味)したことを覚えている」となり、ほぼ正反対のことを言っていることになります。
Cの後半部分のtake(n) a good look at it.は@で説明したようにtakeによってlookという動詞から派生した名詞lookが元の動詞の意味に戻された用法です。
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(5) do you promise to study hard and to not spend too much time chatting on your cellphone?
ここではふたつの不定詞to studyとto not spendがpromiseの目的語として働いています。つまり、このふたつの不定詞は名詞的用法です。前のto studyは文字通り「勉強すること」という意味ですね。では、後ろのto not spendはどうでしょう。
不定詞の内容を否定する(不定詞で使われる動詞原形の意味を否定する)ときにも通常の否定文と同じくnotを使いますが、そのnotを置く場所が問題です。僕が中学や高校で英語を習ったときにはnotはto不定詞の前に置くと教わりました。しかし、現在ではDのようにtoと動詞原形の間に置くのが一般的になったようです。
この文章での動詞はpromiseですが、それが影響する名詞(不定詞の名詞的用法)はto studyと to not spendのふたつです。つまり、ここでpromiseすることはto study(勉強すること)とto not spend〜(無駄遣いしないこと)のふたつだということになります。かたや肯定、かたや否定だというところに注意してください。
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(6) if I have to.
不定詞では繰り返して使われる単語がある場合に限ってtoの後に来る動詞原形を省略することができます。ここで省略されているのはpromiseです。娘のセリフの前に父がDでpromiseという単語を使っています。ここで娘はif I have to promiseと言ってももちろんいいのですが、前に父の言葉の中でpromiseが使われているので、文脈から意味が明らかにわかるために言うのを省略したのです。
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