横浜中華街で約100年前に生産された幻のピアノが、横浜山手中華学校に寄贈品として帰郷しようとしている。 愛知県に住む65歳の女性から寄贈されるそのピアノは、1905年に中国の東海岸に位置する浙江省から来日し、ピアノ製作所を開業した周筱生氏が製作したものだ。周氏は、1910年代に約300台のピアノを製作した。そのピアノは美しい音色で知られ、「周ピアノ」と呼ばれた。 持ち主はそのピアノを約40年前に近所の人から譲り受けた。処分を考えていたときに、近隣の博物館に相談したところ、そこで周ピアノであることが判明した。 「このピアノの歴史を知りませんでした」と語る持ち主の女性は、名前を明かさないように頼んだ。「ピアノをふるさとに還すことができてうれしい」と話した。